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冒険者ジルク
冒険者ジルク-5
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「キョウカ、カケテ」
「はい……」
目の前の人間、女騎士のローズに言われるままに魔術を起動させようとする。杖を掲げ、腕に力を込めた瞬間、脳裏に記憶が駆け巡る。
「おいジルク。今日はどこに行くんだ?。私も連れてけ」
「町の最大防衛戦力がどっか行ってる隙に災害来たらどうすんですか?」
「ははは!。そうなったときはそうなったときだ。私は誰にも縛られるつもりはないぞ。私の自由を縛ってくれるのは……。そうだな、ジルクがいいな」
「なっ、何言ってんすか!?」
「赤くなるということは脈ありか?。可愛いやつめ、助けてほしければ呼べ。駆けつけるからな」
女騎士のローズ。誰よりも自由でありルールなんぞくそくらえという性格をした……俺の想い人。
「ああ、あとこれを渡しておく。腕が切られる防止にもなるぞ」
「腕輪?。……まぁ殴ったりするときの防護になればいいですかね」
「たまに眺めておくといいぞ。存外装飾も悪くないからな」
その想い人から貰った腕輪が、バキンと音を立ててヒビが入った。
「て」
「?。キョウカ、カケテ」
目の前にいるサキュバスに、憤怒の炎が沸き起こる。それは生命力に綺麗に現れ、貧弱だったはずの生命力が噴火したかのように俺の身体を駆け巡った。
「てめぇぇぇぇ!!!」
全力を込めてサキュバスの顔を殴る。
さらに吹き飛ばした先へと追従し、倒れたサキュバスの上にのしかかる。強化した身体を押し付け、動かせなくしてさらに顔を殴り続ける。
サキュバスの顔の原型がなくなり、地面にめり込んだところで俺はハッと我に返った。
「あ……」
目線の先にいるサキュバスは既にこと切れており、周囲に魔物の気配はなくなっていた。
「はい……」
目の前の人間、女騎士のローズに言われるままに魔術を起動させようとする。杖を掲げ、腕に力を込めた瞬間、脳裏に記憶が駆け巡る。
「おいジルク。今日はどこに行くんだ?。私も連れてけ」
「町の最大防衛戦力がどっか行ってる隙に災害来たらどうすんですか?」
「ははは!。そうなったときはそうなったときだ。私は誰にも縛られるつもりはないぞ。私の自由を縛ってくれるのは……。そうだな、ジルクがいいな」
「なっ、何言ってんすか!?」
「赤くなるということは脈ありか?。可愛いやつめ、助けてほしければ呼べ。駆けつけるからな」
女騎士のローズ。誰よりも自由でありルールなんぞくそくらえという性格をした……俺の想い人。
「ああ、あとこれを渡しておく。腕が切られる防止にもなるぞ」
「腕輪?。……まぁ殴ったりするときの防護になればいいですかね」
「たまに眺めておくといいぞ。存外装飾も悪くないからな」
その想い人から貰った腕輪が、バキンと音を立ててヒビが入った。
「て」
「?。キョウカ、カケテ」
目の前にいるサキュバスに、憤怒の炎が沸き起こる。それは生命力に綺麗に現れ、貧弱だったはずの生命力が噴火したかのように俺の身体を駆け巡った。
「てめぇぇぇぇ!!!」
全力を込めてサキュバスの顔を殴る。
さらに吹き飛ばした先へと追従し、倒れたサキュバスの上にのしかかる。強化した身体を押し付け、動かせなくしてさらに顔を殴り続ける。
サキュバスの顔の原型がなくなり、地面にめり込んだところで俺はハッと我に返った。
「あ……」
目線の先にいるサキュバスは既にこと切れており、周囲に魔物の気配はなくなっていた。
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