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日常を返シテ
放課後のよくある日常 その1
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「圭介?帰ったんじゃなかったの?」
「あの堅物にスマホ没収されたって聞いてな。それだとそこの二人に何かされないかと」
心配してくれてたらしい。圭介は幼馴染だけど、クラスメイトになったことは小学生のときから数えても3~4回くらいしかない。だというのに、一緒に帰ったりすることは多いからなんだかんだ仲が良い。
そして予想は的中してる。抜けてるのは二人に何かされるなら私がポカをした可能性が高いってことくらい。
「圭介!助けてくれ!」
「……圭介?。あ、羽間くん」
「晴斗に坂元さん、瑠美をからかいにか?」
「もちろんだ!。……それはそれとして優香から助けてくれ」
「残念ながら瑠美はそんなことなくてからかうも何もなかったけどね」
圭介は助けを求めるが、さらりと受け流している。嬉々として人の不幸をからかいにくる友達って悪友っていうべきかな?。うん、ぴったしだ。
「それでからかってさっさと逃げるために荷物も軽めか。入念というべきか何というか……」
「あ!おい圭介!」
「ちょっと!?」
「え、そんな理由だったの?」
圭介も帰るために荷物を持ってきている。が、見た感じだとその量は私よりも多い。でもそれは圭介を知っている人なら当然のことと知ってる。
真面目君って言葉が似合うと言われる圭介だけど……、その理由が勉強は全部家で済ませるタイプだってことだ。家で済ませるなら友達は学校に来てすぐノートに写せる。あたしもそれで助けられたことは一度どころじゃない。
「あんたら圭介を見習いなさいよ」
「知らん」
「私はちゃんとやってるもん」
「そんな態度なら次は貸さん」
「「すみませんでした」」
「二日に一回くらいは借りてるよね、あんたら二人は」
あたしの知ってる限りだと圭介に一番ノート見せてもらってるのはこの二人だ。特に晴斗。
どうも家に帰ったら勉強しないタイプらしく、授業中だとか、変に空いた休み時間だとかに宿題とかもさっさと終わらせるらしい。
それであたしより成績が少し上っていうのがすごくむかつく。こっちは家でも勉強してるっていうのに。
そう軽口を叩いているとあたしの帰る準備が終わった。宿題の準備も完璧だ。煽りに来た二人は帰る準備それでいいのかは知らないけれど、あたしはさっさと帰ることにする。
「あたしは宿題は大丈夫だし、もう帰るけど……、あんたらどうすんの?」
「もちろん帰るさ。煽れなかったのは残念だけど」
「晴斗と同じ。みんな帰る方向一緒だし」
「お、それなら帰ろうか。四人で帰るのは三日ぶりくらいか?」
「教室から一緒っていうのはだいぶ前じゃないっけ。私たち、羽間くん、瑠美、皆違うクラスだし」
「あー確かに。たまにゃいいだろ」
「だいたい帰る途中で見つけたぁ!って言って話してたら誰か追いつくって流れが大概だし、……珍しいか」
いつも帰り路は駐輪場だとかで誰かとだべってるといつの間にか皆寄ってきて一緒に帰る、っていう流れになってることが多い。それ自体は嫌いじゃないし、むしろ好きな方だから構わない。
だからと言って、誰かとだべってないと帰らないという訳ではないけど。
「それじゃさっさと帰りましょ」
「おーけー、晴斗たちはー?」
教科書を入れたリュックをからい、バックを持ってゆっくり教室を出る。圭介も付いてきている、元々そのつもりだったらしいし問題じゃない。
「あ、待って、今足が痺れ」
「知らないわよ。あ、待って瑠美。私も一緒に帰る」
当然だが晴斗は正座していたから足が痺れている。けれど、数分程度しかしてないのだからそれ程ではない……と思う。優香は晴斗にそんな目に合わせておきながらスルーとはなかなかひどいことをする。
「だー!くそっ!痺れ……無視する!」
晴斗が足元を少しふらつきつつも我慢して歩き出す。自業自得なので特に言うこともない。とはいえ流石に三人側が早歩きで歩くのは可哀そうかといつもよりゆっくり歩いてあげることにする。
「あ、そういえば瑠美は何でスマホ取り上げられたんだ?。スマホ鳴るって電話だろ、誰から?」
「ん?、親から。って言っても今かけなおしても仕方ないし」
「親からの電話なら仕方ないわね。……でもそれなら「親から電話です!」って言えばよかったんじゃない?」
「あ」
確かにそうだ。ついでに「緊急かもしれないんで」って言えば電話に出ても何も言われなかった可能性はすごくある。もしそうしていればスマホは取り上げられなかっただろうし、放課後に何もなかった。
くそ、あの時の私を思いっきり殴ってやりたい。
「やっぱ瑠美はどっか抜けてるな。どうせ「あ、なんかきてるなー」とかポケッとしてたんだろうけど」
「そこがいいんじゃない。からかい甲斐があって助かるわ~」
「あたしを怒らせて何をされたいのかしら?」
ピシッとおでこに筋が出た気がした。
思いっきりからかわれているので、バックを持っていない方の手で思いっきり握りしめて拳の形にする。一瞬ゴキッと音がしたのは聞き間違いではないだろう。
「追いついた。ひでーぞ優香!、ちょっとくらい待ってくれてもいいだろ!?」
「あ、晴斗。ちょうどいいから瑠美の生贄になってくれない?」
「ちょっ!?」
「坂元……お前……」
優香のゲスい言葉に呆れてしまう。そんな呆れから脱力してしまうし、握りしめてた拳も開いてしまう。
いや、少し頭に血が上り過ぎてたかもしれない。この三人だと煽られることなんて話しているとかなりの頻度だ。スマホ取り上げられたから暴力的になりやすくなってる。ちょっと落ち着いていこう……。
「いや待って生贄って何ぞ!?俺食べられるの!?瑠美に!?」
「……はぁ、馬鹿らしい」
「お、瑠美神の怒りが治まりになられたぞ」
「瑠美の怒りは天の怒りってこと?。笑いをとるには難しくない?」
アホな晴斗を見てると怒るのも馬鹿らしくなってきた。二人は変な煽りいれてるけど、それすらどうでもよくなってきた。
同時にスマホ取り上げられたり、自分が声上げなかったから悪かったとか、そういうこともどうでもよくなってきた。そういうところには感謝するべきなのかな。
「あの堅物にスマホ没収されたって聞いてな。それだとそこの二人に何かされないかと」
心配してくれてたらしい。圭介は幼馴染だけど、クラスメイトになったことは小学生のときから数えても3~4回くらいしかない。だというのに、一緒に帰ったりすることは多いからなんだかんだ仲が良い。
そして予想は的中してる。抜けてるのは二人に何かされるなら私がポカをした可能性が高いってことくらい。
「圭介!助けてくれ!」
「……圭介?。あ、羽間くん」
「晴斗に坂元さん、瑠美をからかいにか?」
「もちろんだ!。……それはそれとして優香から助けてくれ」
「残念ながら瑠美はそんなことなくてからかうも何もなかったけどね」
圭介は助けを求めるが、さらりと受け流している。嬉々として人の不幸をからかいにくる友達って悪友っていうべきかな?。うん、ぴったしだ。
「それでからかってさっさと逃げるために荷物も軽めか。入念というべきか何というか……」
「あ!おい圭介!」
「ちょっと!?」
「え、そんな理由だったの?」
圭介も帰るために荷物を持ってきている。が、見た感じだとその量は私よりも多い。でもそれは圭介を知っている人なら当然のことと知ってる。
真面目君って言葉が似合うと言われる圭介だけど……、その理由が勉強は全部家で済ませるタイプだってことだ。家で済ませるなら友達は学校に来てすぐノートに写せる。あたしもそれで助けられたことは一度どころじゃない。
「あんたら圭介を見習いなさいよ」
「知らん」
「私はちゃんとやってるもん」
「そんな態度なら次は貸さん」
「「すみませんでした」」
「二日に一回くらいは借りてるよね、あんたら二人は」
あたしの知ってる限りだと圭介に一番ノート見せてもらってるのはこの二人だ。特に晴斗。
どうも家に帰ったら勉強しないタイプらしく、授業中だとか、変に空いた休み時間だとかに宿題とかもさっさと終わらせるらしい。
それであたしより成績が少し上っていうのがすごくむかつく。こっちは家でも勉強してるっていうのに。
そう軽口を叩いているとあたしの帰る準備が終わった。宿題の準備も完璧だ。煽りに来た二人は帰る準備それでいいのかは知らないけれど、あたしはさっさと帰ることにする。
「あたしは宿題は大丈夫だし、もう帰るけど……、あんたらどうすんの?」
「もちろん帰るさ。煽れなかったのは残念だけど」
「晴斗と同じ。みんな帰る方向一緒だし」
「お、それなら帰ろうか。四人で帰るのは三日ぶりくらいか?」
「教室から一緒っていうのはだいぶ前じゃないっけ。私たち、羽間くん、瑠美、皆違うクラスだし」
「あー確かに。たまにゃいいだろ」
「だいたい帰る途中で見つけたぁ!って言って話してたら誰か追いつくって流れが大概だし、……珍しいか」
いつも帰り路は駐輪場だとかで誰かとだべってるといつの間にか皆寄ってきて一緒に帰る、っていう流れになってることが多い。それ自体は嫌いじゃないし、むしろ好きな方だから構わない。
だからと言って、誰かとだべってないと帰らないという訳ではないけど。
「それじゃさっさと帰りましょ」
「おーけー、晴斗たちはー?」
教科書を入れたリュックをからい、バックを持ってゆっくり教室を出る。圭介も付いてきている、元々そのつもりだったらしいし問題じゃない。
「あ、待って、今足が痺れ」
「知らないわよ。あ、待って瑠美。私も一緒に帰る」
当然だが晴斗は正座していたから足が痺れている。けれど、数分程度しかしてないのだからそれ程ではない……と思う。優香は晴斗にそんな目に合わせておきながらスルーとはなかなかひどいことをする。
「だー!くそっ!痺れ……無視する!」
晴斗が足元を少しふらつきつつも我慢して歩き出す。自業自得なので特に言うこともない。とはいえ流石に三人側が早歩きで歩くのは可哀そうかといつもよりゆっくり歩いてあげることにする。
「あ、そういえば瑠美は何でスマホ取り上げられたんだ?。スマホ鳴るって電話だろ、誰から?」
「ん?、親から。って言っても今かけなおしても仕方ないし」
「親からの電話なら仕方ないわね。……でもそれなら「親から電話です!」って言えばよかったんじゃない?」
「あ」
確かにそうだ。ついでに「緊急かもしれないんで」って言えば電話に出ても何も言われなかった可能性はすごくある。もしそうしていればスマホは取り上げられなかっただろうし、放課後に何もなかった。
くそ、あの時の私を思いっきり殴ってやりたい。
「やっぱ瑠美はどっか抜けてるな。どうせ「あ、なんかきてるなー」とかポケッとしてたんだろうけど」
「そこがいいんじゃない。からかい甲斐があって助かるわ~」
「あたしを怒らせて何をされたいのかしら?」
ピシッとおでこに筋が出た気がした。
思いっきりからかわれているので、バックを持っていない方の手で思いっきり握りしめて拳の形にする。一瞬ゴキッと音がしたのは聞き間違いではないだろう。
「追いついた。ひでーぞ優香!、ちょっとくらい待ってくれてもいいだろ!?」
「あ、晴斗。ちょうどいいから瑠美の生贄になってくれない?」
「ちょっ!?」
「坂元……お前……」
優香のゲスい言葉に呆れてしまう。そんな呆れから脱力してしまうし、握りしめてた拳も開いてしまう。
いや、少し頭に血が上り過ぎてたかもしれない。この三人だと煽られることなんて話しているとかなりの頻度だ。スマホ取り上げられたから暴力的になりやすくなってる。ちょっと落ち着いていこう……。
「いや待って生贄って何ぞ!?俺食べられるの!?瑠美に!?」
「……はぁ、馬鹿らしい」
「お、瑠美神の怒りが治まりになられたぞ」
「瑠美の怒りは天の怒りってこと?。笑いをとるには難しくない?」
アホな晴斗を見てると怒るのも馬鹿らしくなってきた。二人は変な煽りいれてるけど、それすらどうでもよくなってきた。
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