転生先は小説の‥…。

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第十二章 分水嶺

ジオルドはギルティ?ー2

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ジオルドの悪評‥‥女好きで遊び人ってやつね。国政に興味も担う資格もありませんって態度で誤魔化していたけど目の上のタンコブ?だからか、人身売買の闇ルートを隠匿するためなのか、何にせよ目障りだったのだろうと。恐らく魔力込みで隠蔽目的?の神殿が先手を打って確保に動いたと義兄はみている。

そういえば神殿こそ魔力を必要としてるとかいってたね。ってことは?

「ジオルド様を嵌めた犯人って、まさか神殿なの?!」

俺の推理に義兄は肩を竦めて答えをはぐらかした。

「ふふ、属国に対して徹底抗戦をするのがのお方です。国や陛下に対し理解し難い執念を抱いたお方ですからね。今の帝国にとっては邪魔な存在と言えるでしょう」

「おう、見目は優男じゃが好戦的な一面を持つ男じゃからのう。王弟でなければ‥‥」
「じゃあ、やっぱりジオルド様は邪魔だったのね。属国化を邪魔させないように、協力者と神殿が手を結んだのかしら?」
「それはちがうぞ、ティや。協力者の計画は人身売買の咎人に仕立て上げて軍に引き渡すことじゃて。それが、ティらを巻き込むことになるとはのう、儂も思わなんだわ」

ガックリと項垂れたお祖父ちゃんに俺は気にしないでと慰めた。あれは人を攫おうと依頼した者が悪い。お祖父ちゃんは悪くないよ。そう言うと目を真っ赤にして涙ぐんだ。あー年寄りって涙もろいよね。ごめん、メンドクサイや。


「あの場にギルガがいたのは人身売買の証拠を得る目的もあってね。実弟の件でかなり焦っていたとはいえ偶々居合わせただけのレティ達も仲間だと疑うのは‥‥万死に値する罪です。‥‥騎士達実行犯を軍に引き取らせ、自分はレティ達を探ろうと同行したと白状したよ。失礼極まりない男だが肉壁ぐらいの価値があるから生かしてはいるが本当に肉壁になると後始末が面倒。ふふ、肉片も残らず燃やせば済む話だったね」


ひゃーーーーーーー!
最後のセリフが物騒すぎーーー! 危うく恐怖で記憶を失くすとこだった。あー、あぶな。
うん、ギルガの件くだりから話を忘れても問題ない。俺の精神状態を保つためだ綺麗さっぱり忘れよう。

それにしてもジオルドってオークションで買い取った子をひっそりと逃がしてたんだよね? 本人もダルもそう白状してた。だったら人道支援じゃないの?! それで咎人扱いは酷すぎない?



「いや、ジオルド殿が指示したのか部下が勝手にやったのか判断はつかぬがのう、確かに奴隷契約を解除されて自由になった者や邸の使用人になった者もおったが、転売されたのか行方不明になった者の方が多いんじゃよ。あやつは魔力保持専用のオークションの上客じゃった。同胞に対しての非道な行いをのう‥‥あやつを許せん輩が多いんじゃて」

あ‥‥もしかしてそれって軍の人なのかな? えっとぉ、まさかのギルティ? 軍のスカウト云々ってもしや…‥。サーと血の気が引いていく気持ちの悪さを存分に味わう。

公に罪人にして‥‥一体どうする気だったの?!

報復を望む心の病みを垣間見た気がして、更に血の気を失った。



‥‥ソファーに座っててよかったー。

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