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第十一章 帝国(お祖父ちゃん)の逆襲
めっちゃ適当に言いましたー②
しおりを挟むだが、部族の痕跡がない以上、架空の人物と見做された。それでもガザはこの頭首の子孫が能力を引き継ぎ生き長らえた説があると、またもや如何にも的な話を繰り出す。
…‥よくある話だよね。どっかの力ある人物の後継者とか、生き残り云々って。
どうでもいいけど何でこんな話知ってるの? そっちが気になるわ。
ガザの趣味は情報収集。それも殆どの人が知らないマイナーな話が好きだと。一般受けを敢えて外す。女性にモテたくないのか? ないだろうなと気の毒な視線を向けたのは致し方あるまい。
今の職場は趣味と実益を兼ね備えて素晴らしいと賞賛している。対象者を追うのが猟犬の役目、追跡の先々で情報を得る序でに好奇心の赴くまま情報を入手するそうだ。そんな勝手な行動、いいのかと聞けばお祖父ちゃんは結果を出せば満足するタイプ、どうやら好きにさせているのだろう。
成程、趣味を仕事にする。パフォーマンスを発揮しそうだが、息抜きは?と疑問が湧く。でも、信用の上での自由。それが自信と遣り甲斐に繋がるわけか。上手く噛み合っているのだろう。
話を戻そう。
ガザの思惑がどこにあるのかわからない。だが俺のいい加減な発言が切っ掛で始まった会話だ。まさか、王国の防衛に関する内容で竜を退治した能力者の逸話になるとは。イマイチ理解に苦しむ。
…‥竜に対抗できる能力の方が気になる。一体どんな能力だったのか。聞けば、一人は束縛だって。何それ、響きが病んでる人っぽい。怖っ。
理解し難いのは義兄も同じなのか、表情が厳しい。なんだろう。
会話が途切れたタイミングでライオネルが入室の許可を求めてきた。義兄に報告だって。緊急を要する内容かと思えば、そうではなくて義兄の指示だった。
「隠匿されていた金庫を発見、検分した結果です」
ライオネルが差し出した書類は写真付きで金庫の中身を写し出した物だと言う。帳簿やら魔石やらと物的証拠がザックザックですと仄暗い笑みを浮かべるライオネルに、労う意味でマカロンを差し出した。
‥‥ガサ入れは続いていた。そっかご苦労様。甘い物食べて癒されてね。
「この領主の悪事に加担した証拠ですが‥‥彼は隷属の契約を結ばれています。この証拠もどこまでが事実か‥‥。タッカーソン家の子息と共に居た女性、二人は商品として出荷されたようですが納品先はここではありません。理由は知りませんがこの邸を一時的な滞在地にしたのでしょう」
報告書を読み終えた義兄の面倒臭そうに放たれた言葉に耳を疑う。
‥‥はっ?! それって、どういうこと?!
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