転生先は小説の‥…。

kei

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別視点

王弟の価値 義兄視点ー②

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やはりそうでしたか。私の推察と何ら変わりがありませんでした。
ですが遅いです、全くさっさと白状すればよいものを。彼の事情でしょうから責めませんが、嫌がらせぐらい許容できますよね?


そう言えばギルガもその事件の情報を欲していましたね。二人は繋がっていたのですか。ああ、連絡員でしたっけ? それらしき発言していましたね。

‥‥ふふふ、この件は追々語って頂きましょう。私を巻き込んだ理由も。

ギウも殺る気が漲って、楽しそうですね。ククク、娯楽は必要ですから。
おや? 二人とも顔色が良くありませんよ。どうしました?


さて、冗談はさておき。帝国軍は出抜かれたわけですね。ふふふ、情けない。
そうなると軍以外で‥‥魔法研究機関、それに魔力否定派の差別主義者。ああ、人身売買組織に人攫いを生業にした者たちも。本当、犯罪にお誂え向きの力ですね。彼にピッタリではありませんか。


なんですかダルのその不満顔。不細工ですよ。



私は他に能力を知っている者、接触してきた者、王弟や周囲に異変はなかったのか問質します。


「ここ、最近のジオルド様は行動が変でした。今更ですが、それまでは魔力もですが能力も一部の極身近な者しか知らせなかったのです。それを惜しげもなく口にされ、私も面食らいました」
「それは‥‥いつのことです」

聞けばライラの一件でした。

思い出すと怒りで八つ当たりしたくなるので我慢ですが、レティに成り済ました女でしたね。本来なら処罰対象ですが、専属護衛達のクレアの精神干渉(記憶操作)が発覚した切っ掛けの女です。その功績もあり命は義父上預かりとなりました。…‥業の深い女ですが義父上の命令が無い以上、命は取れません。

この事件からでしたね。王弟との関わり。
偶然でしょうか。それとも‥‥‥ふっ、全てを策略と捉えてしまうのは視野を狭くしてしまいます。主観に囚われては足元を掬われますね。自粛です。



あとは次代の王として担ぎ上げる計画。が本当にあったのか不明ですが表向き王弟は悪評に塗れていました。それが見せ掛けだとしたら? 水面下で謀反を目論見、その計画を知った者が潰しに掛かった…‥。

例え罪人としても元は冤罪です。極刑に対し罪悪感を抱いたのか厳重な監視下に置くことでせめてもとしたのか。知りませんが命まではと思ったのかも知れません。甘い判断ですね。

陛下の治世は脆弱です。今、謀反を起こされたら確実に周辺諸国に攻め入れられるでしょう。現陛下の治世が終わるならまだしも国が終われば目も当てられません。


腹立たしいですが王国の異変‥‥渦中に投げ込まれたのでしょう。そしてそれは私達も‥‥。


おや、ギルガの麻痺も和らぎ口が利けるまで回復したましたか。漸く話ができますね。しっかり追及ですよギウ。これこれ、その手に光る物は物騒ですよ。しまいなさい。


さて、計画の見直しを致しましょう。

運良く私達はお誂え向きな場所領邸にいるのです。しっかり活用致しましょうか。



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