転生先は小説の‥…。

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第九章 王国の異変

閃いたナイスな名案ー②

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凡そやらないだろうご令嬢だったら。
それは重々承知の上で提案したのだと判って欲しい。
だって、だって、夜中に人ん家に忍び込むだなんて、前世で言えば犯罪行為だ。それがここでは出来ちゃう! あっ別に泥棒がしたいわけではないよ、スパイ気分を味わいたいだけなのだ。
相手は散々迷惑を被られたクリスフォードだ、俺の罪悪感は皆無! 
これ大事。
こんな好都合の相手はいない。まさに絶好のチャンス!
序でにクレアがいれば御の字だけど、二兎を追う者は一兎をも得ずだ。

…‥ん? あれ、何しに行くんだっけ? まっ、いっか!




「ねえ、レティの目的はクレアの存在確認だね? それも態々不法侵入を犯してまで。それでは割に合わないよ。ガザの真実究明もダルが来れば済む話だ。どの道、精神干渉の疑いを持たれた時点で謹慎処分になるから今慌てて動く必要性は感じないかな。ごめんねレティが折角考えてくれたのに、君の身を危険に晒してまで無理はしたくない」

ううむ‥…手強い。
義兄の中でダルさん召喚は決定だからね。一番安全で確実だもん。




義兄との穏やかな戦いの間、俺に聞こえない声で会話をしていた奴らがいた。


「ねぇねぇハイデ~、お嬢様って愉快な方だね~、道中、楽しくなりそー!」
「ジェフ、騒がない‥‥ですが同意見です。ふふ」
「ねぇねぇハイデ~、若が同行させちゃう方に俺、賭ける~。ハイデは?」
「ジェフ、ふざけないで。私も同行に一票」
「え~、それじゃあ賭けに成んないよぉ~、じゃあ、ギルガは?」
「はっ?! 君達は何を言っている? 主の間違いを正すのも護衛の役目だろう? 何故同行を止めないのか理解できん‥‥賭ける気はないが、同行させないのが正解だ!」
「「ほぉぉ~う。させない方に一票か」」
「…‥‥私は精神干渉…されていない‥‥くっ、だ、だがそれが証明できない。くっ、だが身の潔白が証明されれば…‥そうだ、見ればわかる。そうか私の証明に証人が必要なのか! 私が白だと判明されたのならオルレアン様に全てご報告だ。ははっ! 同行するに一票!」

「「「えっ?! お前もか?!」」」






俺と義兄の攻防戦は、皆の介入であっけなく終わった。
義兄の許可を捥ぎ取ることが出来たのだ。
これも皆のおかげ‥‥ギルガ以外ね。


「お嬢様がそこまで望むとは…理由を伺っても宜しいでしょうか」
「ハイデ、あのですね、‥‥ちょっと諜報活動を味わってみたいの」
「えっ?!」
「わ~、無茶苦茶どうでもいい理由だった~びっくりです~」


賛成派がジェフリーやハイデにガザまでも。義兄と共に行動するのが良いらしい。ギルガは護衛対象が危ない橋を渡るのは言語道断と鼻息荒く反対してた。

義兄攻略は、結局ジェフリーの一声。嬉しいのにモヤっとした。

「若がお嬢様の身を守れば、お株は急上昇。お嬢様の知らない若の姿を見せるチャンスですよ~」

が追い風となり

「お義兄様と一緒でないと安心できません」

お目目ウルウルのお強請りが効いたか、ころっと陥落とはチョロさに驚きである。


皆のサポートのおかげで無事に『スパイ大作戦』ん?『ミッション ポッシブル』だ。

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