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第八章 出揃った駒
侃々諤々ー①
しおりを挟むちょっとちょっと聞き捨てならないよ!
騎士達「奴隷として売りつける」って言ってなかった?
この考えが怖いんだけど‥…それはまだレティエルが狙われているってことだよね?
まだそんな愚か者がいるの?
母さんも護衛も渋い顔、ダルは騎士の背後にいる人物は不明だが高位貴族かそれに近い身分の者ではないかと睨んでいるのだと。
えっ? どういうこと?
「今回は第一騎士の者を使っての犯行です。しかも旦那様の王都邸に公爵夫人達がいるのを知って狙ってきたのです。旦那様の捕縛もタイミングが良過ぎますから‥‥。私の推測で申し訳ないのですが見計らっていたとしか思えません。王都邸内に内通者がいれば容易いでしょう。その者から連絡を受け迅速に行動を移せる立場の者が怪しいでしょう。でなければあの場に待機していた騎士が公爵家の方々を拐そうとしません。予め手先の騎士を配置したのでしょうね。ただ彼等のミスは私達帝国軍の諜報員の存在に気付かず私の言葉に耳を傾けた事でしょう」
そう言ったダルは「申し訳ございません」としおしおと頭を下げた。
ん? ダルさんよ、今度はどうした?
「実は副団長に話しかけた時に私の存在を気にしないよう精神干渉したのです。何分私は諜報員、バレると非常に不味いので先に手を打っていたのです。まさか公爵夫人とお嬢様に手出ししようなどと‥‥直ぐにお助け出来ず申し訳ございませんでした」
それ‥‥今言う?
ダルさんよ、イケメンだからその≪やっちゃったすいませ~ん≫って顔、許されるが‥‥イヤ許していいのか? くぅーーーイケメンめ!
ちょっと微妙な空気になっちゃったけど気にせず話を続けるダルさん、悪いと思ってないでしょ。
この人、話の主導権握らせるとグイグイいくわ。
「‥‥あの騎士二人は帝国軍に引き渡します。そして事を知っている彼等の仲間は我々の仲間が対処致します。‥‥ええ、副団長は一時行方知れずになるだけですのでご安心ください。情報を抜いてしまえば用済みですから彼等を送り届けましょう。‥…物言わぬ骸として」
最後の方の言葉が小さすぎて俺は聞き取れなかったが俺以外は頷いていたので聞こえたんだろうか。まあ戻れるって言うならそれでいいか。
要はレティエルを狙う人物はまだまだ健在で此方には該当する人物が誰なのかもわからない。ジオルドが狙われた理由もわからない。それにクレアの背後の人物もわからない。
‥‥何だ、わからないだらけじゃん。
わかっていることは、レティエルはこれからも狙われる(予定)
ジオルドが殺人容疑で捕まり冤罪で犯人にされる(ほぼ確定)
クレアが帝国貴族であれば国際問題に発展する(予測)
不穏過ぎる。何この話。
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