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第七章 それぞれの思惑
御前会議・アドルフ回想ー③
しおりを挟む商人に偽装した傭兵のアジトを制圧。ランバードが独自の捜査で拠点を突き止め第二王子殿下の指揮下で成功した。これは第二王子殿下に華を持たせる形でランバードは作戦を遂行した。
これも殿下を油断させるためだ。我が家は第二王子殿下の監視に入った。陛下のご命令で彼の王子殿下の動向を追っている。勿論、内密で。
我が家は第二王子殿下を支援するものと当の本人と周辺を信じ込ませるために施した策なのだが‥‥果たして殿下は我らの手中か。
陛下の懸念は何も第二王子殿下だけではない、王妃もだ。
王族の調査は四公の手に委ねられ、それが我らの頭を悩ませた。
本来、中立派が我が公爵家、国王派が年寄り公爵家とシュヴァイニッツ公爵家、王妃派がトヴァイトヘルマン公爵家と支援派閥の筆頭は我等四公で占める。
二人の側妃の後ろ盾は主に実家だ。殿下達の支援貴族は母方の影響が強い。
王妃と第一王子が失墜。貴族間の均衡が崩れ出した今、新たな火種となる王族の疑惑。この調査・監視が科され頭痛の種と仕事量が一気に増えた。
トヴァイトヘルマン公は王妃とヴァンダイグフ伯爵家を。第一側妃とジオルドに年寄り公、第二側妃にシュヴァイニッツ公が。そして第二王子殿下にはこの私が。
前回の御前会議で我らの持ち分が決定し情報の共有が義務化された。
今は王族同士争う時ではないのだが。今や陛下のお心はお身内に対し疑心暗鬼でいらっしゃる。内政に目を向け統治に力を入れて頂きたいのだが‥‥
陛下の憂いを祓い盛り立てて行かねば。国が弱るのは困るのだ。
今回の会議は先の傭兵の尋問が終わり得た情報についてだ。
傭兵の役割は煽動。商人に扮し各領地で諜報工作を行い火種を捲き散らす計画だと言う。入国後間もなく捕縛とは腕は三流なのだろう。
敵の目的が内乱を誘発させ国力が弱体した隙を突いて攻める事だと判明した今趣向返しも含め妨害工作に着手すべきだ。事前情報で隣国の軍部に動きアリと得てはいた。まさか両国の条約を反故にしてまで開戦したいとは
‥‥‥目には目を! 容赦はいらぬ!
隣国への妨害工作、是非我が公爵家に!
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