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第七章 それぞれの思惑
四大公爵と御前会議・アドルフ回想ー①
しおりを挟むレティエルの父親アドルフの回想です。
時期は断罪イベント後、クリスフォード達の調査も済み処罰された後になります。
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『我が国に害を齎す者共を排斥せよ』
陛下直々の招集。陛下に忠誠を誓った四公爵の顔ぶれは皆太々しい。
確か前回はクリスフォードの断罪騒ぎだったか。あの騒動で諜報員の工作活動の痕跡を発見出来たのは怪我の功名であったな。
我等四公に内密に命が出されたのはその時だ。同国の貴族を疑わねばならぬこの状況に苦い思いを抱くも陛下直々の沙汰とあれば我等も承諾するしかない。
諜報員の捜査は監察官と騎士団が担当しているがその捜査に陛下は疑いを持たれ今や疑心暗鬼でいらっしゃる。
陛下は絶対に裏切らない我等四公を使って国内に蔓延る不穏分子の一掃を決断なさったか。
四公とは四大公爵家の当主を指す。この国には由緒ある公爵家四家と一代公爵位と揶揄されるジオルドの五公爵が存在する。ジオルドを抜いた四公と陛下の間には『血の盟約』と不吉な呼び名の密約がある。これは契約魔法を駆使して陛下に絶対的な忠誠を誓わせられ言動に制限を設けられたクソみたいな契約だ。無論、契約主であられる陛下にも我らを守る、庇護下に置く誓約があり陛下は我らを裁くことは出来ぬのだ。
元は国に忠誠を誓い暴虐の王や愚王を裁く審判的な役割で設けられたと聞く。それが何時の世か変質を遂げ今に至る。王に忠誠を誓うクソ契約に成り下がった。我等四公は渋々否応なく、従うしか選択のない境遇に置かれている。
我等四公は陛下に忠誠を誓わされた身だ。契約魔法で繋がるまやかしの忠誠だ。
一代公爵と揶揄されても責務を有しないジオルドが心底羨ましい。
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