転生先は小説の‥…。

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第六章 狙われた理由。

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レティエルの視点に戻ります。

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俺達はダルさんの報告を聞いている。時間の余裕はなさそうだが情報の共有は必要だ。
専属の彼女達はクレアを碌に覚えていなかった。女が居た記憶はあるがあやふやらしい。全員の解術は済んでいないのでまだ何とも言えないが敢えて記憶に残らないよう立ち振る舞った可能性が高いのではと指摘してきた。

‥‥あこれスパイ確定だわ。

この後の予定はダルさんと俺達は我が家に。ジオルドは領地に戻ることが決まった。どうも不測の事態が起こったので早々行動を別にした方が良いだろうと二人の意見だ。専属達は待機させたままだって。


異動は夜更けが好ましい。それまで情報の擦り合わせと今後の計画の相談だ。母さんは護衛から預かった書類を取り出し、俺に確認を求めた。中身は写真。この中にクレアや気になる人物はいるかと問われ確認作業が始まった。親父達は既に確認して後は俺だけだそうだ。ちょっと後手後手なのは仕方がない。色々あったからね‥‥

…‥これはレティエルの(仮)葬儀の時だ。
ふむふむとお目当ての子を捜すために目を皿のようにして食い付いた。クレアは‥…いた。へぇ本当に写っていたことに驚いた。良く撮れたよね。クレアは公爵家の侍女が着ている服装をしていた。と言うことはいつの間にか潜り込んだいたわけか。成程、侍女として控えていれば貴族とも接触できるな。
写真を見せても母さんはクレアを知らないと言う。公爵家でも帝国の実家でも見かけた覚えが無いそうだ。

彼女が侍女としてではなく諜報員として潜り込んでいたのなら記憶に残らない様立ち振る舞っていたのかも。それか公爵家から離れていたか。

どちらにしろ葬儀の日には居たのだ。ダルさんが碌に記憶に残っていないことを考えて、潜伏期間は短いのでは? 長くいるとどうしても記憶に残る、いくら記憶操作したところで術が解ければ何かを思い出すだろうと教えてくれた。

そうか。ならこの前後に潜り込んだと考えて後は距離を取っていたと思うべきか。俺と彼女は隠れ家で初対面…‥そう言えば俺の側にいたよなクレア。

…‥もしかして…‥。一旦湧いた疑問は横に置いて作業の再開が先だ。

えーと、見つけた。第二王子と護衛の後ろに写り込んでいた。これは第二王子が公爵家に来た時? これ一見、偶々一緒に写ったようにも見えなくはない? ないのだが妙に気になる‥…まさか繋がっていないよね? もう全部が全部怪しく見えちゃって駄目だわ。

気になったのはこの写真ともう一枚。エリックが街角でフードを被り顔を隠した人物と写り込んだものがあった。実はこの写真はエリックが姿をくらます前に撮られたものだそうだ。張っていたんだ。
俺はよーく観察する。顕微鏡、いやルーペが欲しいなぁ。フード姿の人物が何となくだけど見知った相手の気がしたのだ。気の所為か?


あっ、エリックと伯爵のショットもあった。

…‥これってさ、隠し撮りだよね。
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