転生先は小説の‥…。

kei

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第五章 もうゲームとは別物です。

ジオルド公爵の能力ー①

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早速レティエル様に化けた私が帝国出身の特殊魔法保持者だと身バレした。



私の変装魔術を見破ったお方が陛下の弟であるジオルド公爵だった。


「特殊な能力だね。面白い」と笑って見破った種明かしを教えてくれた。


「僕はねぇ。魔力が視えるの。ふふふ面白いでしょ? 君の魔力が君と君以外の魔力と重なって視えてね。子を宿していなさそうだし。それに僕の知っている子のからねぇ。騙されるわけないでしょう。僕も舐められたもんだよぉ」

ふざけた調子で仰る。

だけど、レティエル様の魔力を知っていたとは。バレるはずだ‥‥。


魔力が視えるってことに更に驚いて。ビックリした顔を笑われた。

「僕はねぇ。所謂、先祖返りなんだ。知ってる? たまにいるんだよぉ。昔はこの国にも魔力持ちはいたからね。僕は何代か前のご先祖様の血が強く出たんだよねぇ。これ、秘密ね。君はイイ子だから秘密は守れるでしょ」


勿論、誰にも言う気は無い。初対面の柔和な人の良い人物像はここにきて霧消した。
醸し出される怜悧な空気に射殺されそう。この人物の秘密など誰かに漏らせば私が殺られる。
今は生き残る道を捜すのだ。



「しかし変な話だよぉ。僕の記憶ではカレンシア夫人の縁ある帝国貴族の娘だったんだ。購入したの。ふむ。やっぱり変だね。僕、大金支払ったんだよぉ」


私は自分が『売られた』と初めて知った。その事実にただ震えるしかなかった。

裏切ったのは誰!! 叫びたい声を堪えて悔しさに唇を噛んだ。

目の前の男に歯向かう気はない。力量の差を感じて反発心など既に摘まれた。


私は信じた人たちに裏切られた‥…悔しくて悔しくて唇をぎゅっと噛むしか出来なかった。

何故なのグレイン、エリック!

私を売ったの?



私は二人に会って確かめたかった。本当に私を売ったのか。

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