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第四章 新たな攻略対象者 隠れたままでいて欲しかった。
火中の栗ー➀
しおりを挟む「えっ? エリックが連れ去られた?」
深夜にハイデさんから緊急だと起こされ、その報を聞いた。
今日‥‥日付が変わったから昨日か。
医者の元に急患が運び込まれ、そいつらが手の者だったようだ。
監視役を昏倒させ連れ去った。
『エリックを殺さずに連れ去った』
捨て駒ではなかった。いや、まだ使い道があるから確保したのか。
エリックはただの駒では、なかったのか。
実行犯だったから、てっきり捨て駒と思っていたわ。
うわーーーー。めんどくせぇ。
さっさと身柄確保しておくべきだった。
油断ならない奴だと思ってこちらで確保しなかったのが裏目に出たわ。
俺は頭を掻き毟りたいのを堪え、内心で唸っていた。
はぁ、いなくなったもんは仕方ない。
このセーフティハウスを知られていないのが幸いと思うことにしよう。
ハイデさんも気持ちを切り替えて、お仕事頼みますね。
◇
エリックの調査書。
朝食後に読んでます。
エリックの名前は、ただのエリックだ。家名なし、平民扱いか。
資料では、先代公爵家当主(親父の父親、故人だけど)がどこかの貴族家から連れてきた男児。
両親の情報は秘匿扱いなのか不明。
養育のための引き取りで、公爵家に養子に入ることは不可となっていた。
じいちゃん、子供を拾って来たの?
どう考えても厄介な案件だよね。
‥‥まさか、じいちゃん、弱み握られた?
それとも旨味があったの?
両親の情報を隠してまで引き取る必要があったのか。
どうして我が家だったんだ。
どう考えても認知されてないよね。
こいつ、忌み子じゃね?
じいちゃん、なんで引き取ったんだ?
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