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第四章 新たな攻略対象者 隠れたままでいて欲しかった。
義兄の専属ー②
しおりを挟むところで、俺はどういう扱いをされてるの?
ここに来る前に馬車検めで王国騎士団が公爵家の縁付きを探してたよ。
アレは?
「その騎士は第二王子の手配ではないでしょうか。第二王子も公爵家の事情を把握されていたようです。エリックの動きを追っていたようですね。王子の影は優秀なのでしょう。悔しいですが我らではお嬢様の動きが掴めませんでした」
「お嬢様の名は表に出せませんからね。公爵家の縁の者として捜索していたのでしょう。騎士達も詳細を伏せられていたから曖昧な捜索だったのでは」
王子がエリックの動きを?
なぜだ? どうして王子はエリックに辿り着いた?
「第二王子は何故エリックの存在をご存じでいたのかしら。そもそも彼は何者なの?」
「お嬢様はエリックをご存じなのですか?」
一番お姉さんっぽい専属が不思議な顔で聞いてきた。彼女はエリックと俺の面識がないことを知っていたんだろう。
しまった。俺は知らないことになってたんだ。
そうだよな。ゲーム知識で知ってるだけで実際やつが誰の手下かなんて知らないんだ。
‥‥これはあいつに捕まっていた時に聞いたことにしよう。
「我らも詳しくは存じません。若様が帝国から戻られた後にご当主様から部下にと与えられたと聞き及んでいます。公爵家に引き取られる前は不明です。ご当主様も前当主様がお引き取りになられたのでそのまま育てたとのことです。当の本人も自身の出生を調べていたようですね。若様のご依頼でアレを調べた時にわかりました。母親には辿り着いたようですが既に亡くなっていまして父親は不明です。どうも高位な身分の方であったようですね。それ以上は掴んでいないと思います」
「そうですか。ではエリックはお義兄様の部下でしたのよね。何故裏切ったのかしら」
「‥…心の内は本人にしか」
「推測で申し上げると偏った見識をお持ちになる恐れがあります。推測の域でしかないので申し上げることは差し控えたい‥‥ですがお嬢様のお望みとあれば。叶えなくして専属の名を名乗ることは出来ません。こうなれば直に聞きましょう! まだ指は残しているはずですから!」
えっ?! ちょっちょっと待てーーーーーー!
それって肉体に聞くやつだよね?! ミリヤが嬉しそうだ!
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