転生先は小説の‥…。

kei

文字の大きさ
上 下
72 / 359
第三章 攻略対象三人目 第二王子は曲者です。取扱い注意。

心配事

しおりを挟む


ありゃりゃ。雨か。

これなら母さんの到着が遅れるだろうな。

母さんは無理はしないからどこかで休憩するだろうな。

今頃は領地に入ったか?

若しかしたらまだ王領地?

領地内に入っていたら安心なんだけどね。


王都から南西に向かって俺達公爵家の領地がある。

そして帝国に隣接している。

帝国へ赴くルートは公爵領を抜けないと行けないのだ。

道だけではない。商取引も一手に引き受けている。

領内に商業ギルドを作って卸業者の元締めみたいなことをさせている。
納税?抜かりないよ。

勿論、街道設備をして宿泊街と市場(ショッピングモールもどきの商業施設)を作って警備隊(警察みたいなもの)を設立して安全性と利便性を高めた。それで見返り分をちょびっと上乗せした通行税を頂いている。

お陰で行商人たちからは好評を得ている。国内の一部の貴族からは反感ありだけど。儲かってるから公爵領。いろいろと上手くいってんのよ。だからやっかみ受けてるわけだ。
まあ、領民も恩恵を受けてるけど税金ちょっと高めなんだ。
賛否両論ありあり。
だけど備えあれば患いなしだからね。俺達公爵家が不当に巻き上げているわけではない。領内の維持費や福祉関連、防衛費など多岐に渡る。あとは農業、産業に関係する研究開発費など使いどころは全て領地と領民に還元されるのだ。
災害も普通にあるし飢饉も疫病もよく起こる。
油断できないのだ。

領地内だけには留まらないよ。国にも還元している。

だから公爵家は立場が強い。

親父は母さんと結婚したから帝国の皇族貴族との繋がりも太い。

本来なら王家は公爵家を蔑ろには出来ないのだ。

だがしかし。今回元王子がやっちゃったけどね。

おそらく母さんは帝国貴族として陛下に何らかの交渉をしたはずだ。
俺と元王子の婚約は王子の立太子への近道だっただろう。王妃にとっては。
陛下は別な考えで元王子の次に第二王子か弟王子の誰かと俺と婚姻を結ばせようと企んでいたと言う。
それを義兄が潰した。義兄グッジョブ!



話がそれちゃった。

母さん無事に戻ってくるかな‥…。
何だか心配になって来た。
考えすぎならいいのだけど、どうにも色々なことがあり過ぎていちいち不安になる。最近ナーバスになるんだ。

やっぱ心配。

執事呼んでくれる? 侍女さん。



「お嬢様。お呼びでしょうか」

「ええ、頼みたいことがあるの。お母様が戻られる予定だけど生憎の天候でしょう。心配なの。今どこにいるのか確かめてくれるかしら。お願い」

「予定であれば本日でしょう。遅滞の一報はございません」

「そう‥‥。でもこの天候よ。お母様雨の中馬車を走らせるかしら」

「左様でございますね。確認の早馬を出させましょう」

「そうね。よろしく頼むわ」



俺は一抹の不安を抱いたまま執事に手筈をお願いをした。

待つ身は辛いな‥‥。

スマホあったらいいのに。はぁ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

もう死んでしまった私へ

ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。 幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか? 今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!! ゆるゆる設定です。

五歳の時から、側にいた

田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。 それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。 グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。 前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。

転生した元悪役令嬢は地味な人生を望んでいる

花見 有
恋愛
前世、悪役令嬢だったカーラはその罪を償う為、処刑され人生を終えた。転生して中流貴族家の令嬢として生まれ変わったカーラは、今度は地味で穏やかな人生を過ごそうと思っているのに、そんなカーラの元に自国の王子、アーロンのお妃候補の話が来てしまった。

村娘になった悪役令嬢

枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。 ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。 村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。 ※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります) アルファポリスのみ後日談投稿しております。

悪役令嬢?いま忙しいので後でやります

みおな
恋愛
転生したその世界は、かつて自分がゲームクリエーターとして作成した乙女ゲームの世界だった! しかも、すべての愛を詰め込んだヒロインではなく、悪役令嬢? 私はヒロイン推しなんです。悪役令嬢?忙しいので、後にしてください。

悪役令嬢の独壇場

あくび。
ファンタジー
子爵令嬢のララリーは、学園の卒業パーティーの中心部を遠巻きに見ていた。 彼女は転生者で、この世界が乙女ゲームの舞台だということを知っている。 自分はモブ令嬢という位置づけではあるけれど、入学してからは、ゲームの記憶を掘り起こして各イベントだって散々覗き見してきた。 正直に言えば、登場人物の性格やイベントの内容がゲームと違う気がするけれど、大筋はゲームの通りに進んでいると思う。 ということは、今日はクライマックスの婚約破棄が行われるはずなのだ。 そう思って卒業パーティーの様子を傍から眺めていたのだけど。 あら?これは、何かがおかしいですね。

【完結】リクエストにお答えして、今から『悪役令嬢』です。

野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
恋愛
「断罪……? いいえ、ただの事実確認ですよ。」 *** ただ求められるままに生きてきた私は、ある日王子との婚約解消と極刑を突きつけられる。 しかし王子から「お前は『悪』だ」と言われ、周りから冷たい視線に晒されて、私は気づいてしまったのだ。 ――あぁ、今私に求められているのは『悪役』なのだ、と。  今まで溜まっていた鬱憤も、ずっとしてきた我慢も。  それら全てを吐き出して私は今、「彼らが望む『悪役』」へと変貌する。  これは従順だった公爵令嬢が一転、異色の『悪役』として王族達を相手取り、様々な真実を紐解き果たす。  そんな復讐と解放と恋の物語。 ◇ ◆ ◇ ※カクヨムではさっぱり断罪版を、アルファポリスでは恋愛色強めで書いています。  さっぱり断罪が好み、または読み比べたいという方は、カクヨムへお越しください。  カクヨムへのリンクは画面下部に貼ってあります。 ※カクヨム版が『カクヨムWeb小説短編賞2020』中間選考作品に選ばれました。  選考結果如何では、こちらの作品を削除する可能性もありますので悪しからず。 ※表紙絵はフリー素材を拝借しました。

冷たかった夫が別人のように豹変した

京佳
恋愛
常に無表情で表情を崩さない事で有名な公爵子息ジョゼフと政略結婚で結ばれた妻ケイティ。義務的に初夜を終わらせたジョゼフはその後ケイティに触れる事は無くなった。自分に無関心なジョゼフとの結婚生活に寂しさと不満を感じながらも簡単に離縁出来ないしがらみにケイティは全てを諦めていた。そんなある時、公爵家の裏庭に弱った雄猫が迷い込みケイティはその猫を保護して飼うことにした。 ざまぁ。ゆるゆる設定

処理中です...