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第三章 攻略対象三人目 第二王子は曲者です。取扱い注意。
備えあれば憂いなし
しおりを挟むレティエル、そろそろ動き出します。
◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇
ある日の昼下がり。
小休憩中の俺の元に侍女が知らせを齎した。
「お母様がこちらにお戻りに?」
「はい。お嬢様。先程知らせが届きました。既に王都は出立なさったようです」
「わかりました。ありがとう」
王都からこの領地までゆっくり休憩しながらだと2日~3日ほどで着く。
めっちゃ急げば1日で着く。母さんなら2日後か。
戻ったら今後の話し合いだ。
第二王子のこと相談しなきゃな。帝国での彼奴の評判も聞いておきたい。
もしかしたら弱点が見つかるかも。あんまり期待できないけどなー。
それに帝国のじいちゃんからそろそろ返事が届きそうだし。
使えるネタがあったらいいな~
俺は保険で第二王子に関するネタを集めている。
主に学院内の出来事だ。特に王子の人間関係だ。
母さんも掴んでいるはずだから後で情報の擦り合わせをしょう。
義兄には知られないようにしたい。あいつ等妙に繋がってるからな。
第二王子と第三王子のポジションを入れ替えたから攻略対象とは一学年差がある。第二王子が一つ上の学年だ。だが他国の王族だ。
帝国側の皇族‥‥皇子皇女のどちらかがホストとして付いていたはずだ。おそらく攻略対象者やヒロインとも面識はあるだろうがゲームシナリオは崩壊している。ヒロインの攻略対象者ではないからそう易々とヒロインも近付かないだろう。
逆に近付くものなら手打ちにされそう。帝国皇族に。
今はシナリオを無視して第二王子と公爵家の今後の関係性で考えている。
親父が第二王子に次代の王として忠誠を誓ったのなら俺は何も手を出さない。だが脅迫紛いな関係であれば俺は王子を追い詰める。
そして俺と母さんは帝国に逃げる。
親父はどうするかな。
俺の希望は親父も帝国に来てもらいたい。逃亡貴族になっちゃうけどね。
でないと俺たち家族はバラバラのままだ。
それは俺が嫌、嫌なんだ。
前世の俺が死んだ頃ってまだ若いと言えたと思う。
老人ではなかったはずだ。だからきっと親より先立ったんだと思う。
確信はないけどね。多分親不孝したんだろう。
実はそれが気がかりだったんだ。記憶はないけどそう感じるんだ。
だからかもしれない。
今世の‥…レティエルの両親も幸せでいて欲しいんだ。
母さんは帝国で生活をしている。
理由を教えてくれなかったけど恐らく政治絡みと辺りを付けている。
母さんは王国を‥‥陛下と王妃を嫌っている感じだし。
きっと母さんを利用しようとしたんだろう。
だから親父も母さんを療養を理由に実家に帰省させている。
あーくそだな王国。
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