転生先は小説の‥…。

kei

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第三章 攻略対象三人目 第二王子は曲者です。取扱い注意。

王都にてー②

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エリックは手筈を整えるため退出していった。



これは彼の特筆すべき優秀さです。まあ私の次の次ぐらいの優秀さです。
彼は私の意を組んで先に行動をします。ふふ。得難い部下ですね。

彼を与えて下さった義父上には頭が下がります。流石は義父上です。
彼の働きは公爵家の文官の立場というよりほぼ私のプライベートに関してです。
滅私奉公は美徳でしょうが。こう言ってはアレですね‥‥ククク。下僕に近いでしょうか。
欲しかったんです。顎で使える頭の良い下僕。ふふ。


そんな彼ですがレティとの面識はありません。当たり前です。
不用意に異性を近づけるなどそんな愚行を義父上はなさいません。
お眼鏡に叶った者だけが側に許されるのですよ。ふふ。私の様に。


‥…ですがまだレティへの接近禁止の罰が続いています。艱難辛苦です。
ああ、私は許される日を一日千秋の思いで耐えています。忸怩たる思いで過ごしていますが未だ許されません。

‥…本当に我が義父上は容赦無さ過ぎです。血も涙もありません。
ああそうでした鬼畜でしたね義父上は。



それはさておき、恐らくレティは知らないでしょうね。

私以外に養子候補がいたなんて。勿論、私は教えませんよ。当たり前です。
何が悲しくてレティに野郎の話をしなければならないのですか。耳が穢れるではありませんか!しかもこの私が穢すなど! 言語道断!

はっ! ついつい力が籠りました。
いけませんいけません。反省しきりです。



‥‥いつものことながら彼の迅速な行動に助けられますね。

優秀な男なのでしょう。彼といい家令といいこの公爵家は多士済済です。義父上や私が領地不在でも彼等が居れば安心できます。まあ、政治的手腕は期待できないでしょうが。



私はここで思考を切り替えるようお茶を飲んだ。

‥‥冷めてますね。




‥…あの者が言っていたことが起こりつつあるのでしょうか。

荒唐無稽な話をしていただけでなく厚顔無恥でもありました。
ただの痴れ者として唾棄すべきではないのでしょうか。
俄には信じられませんでしたがこうも予測が当たるとなると。少々複雑怪奇に思えます。



私は記憶にあるその人物との会話を反芻してみた。

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