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第三章 攻略対象三人目 第二王子は曲者です。取扱い注意。
王子の思惑
しおりを挟む第二王子の胸の中。
独り語っています。
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「これは魔石ですね。しかもとても貴重な種類です。やはり魔封じでしたか」
そう言って私はレティエルの表情を伺ってみました。
彼女の顔には困惑と警戒が見て取れます。
‥…ふむ。今日はここまでですね。
これ以上追及して彼女に警戒されるのは困ります。
ましてや逃亡などされてしまっては父上を笑えません。
そんな愚かなことは出来ません。
さて、彼女を手中に収めるには。
最も効果的な方法は何がありましたか。
周囲に気取られることなく事を進めるために動かす駒は。
(一体誰が適任でしょう‥‥)
最も手っ取り早いのは力業でしょうか。
しかしこれでは公爵家の恨みを買います。
流石にそれは不味いです。
‥‥力を付け過ぎた公爵家をどうにかするのが先でしょうか。
それとも彼女を攻落するのが先でしょうか。
悩ましい。最適解が中々出せません。
それはそうと公式では彼女は鬼籍扱いです。
我が国の身分がありません。
今はどうしているのでしょう。
ああ、そうでした。
つい忘れがちになりますが彼女には帝国貴族籍がありました。
これを私用しているのでしょう。
万が一、レティエルの存在が明るみに出た場合にもこの身分を利用するのでしょうか。
そうでしょうね。
我が国より力のある帝国の皇族関係者の地位を使うのが最も効果的ですから。
いいですね。虎の威を借る狐。私は好きですこのやり方。
ですが帝国からの訪問者の立場を執っているなら国境での入国許可印の押印が必須なはずです。
彼女は所持しているのでしょうか。
不所持であれば密入国者ですよ。クスクス。それだったら面白いです。
‥‥ふ、公爵家のことです抜かりはありませんね。愚問でした。
(いえ。レティエルは帝国からの入国者として処理されたはず。母君と同行の形式でしょう。であれば誰かが彼女の代わりをしたのでしょう。帝国から‥‥母君の関係者か?)
私は部下に帝国からの入国者リストを用意するよう指示を出した。
さて、上手く行くと好いのですが。
私はニタリと下卑た笑みを浮かべながら今後を算段した。
(レティエル。貴女には私の夢を壊した責任を取っていただきますよ。クスクス)
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