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第三章 攻略対象三人目 第二王子は曲者です。取扱い注意。
レティエルと第二王子ー①
しおりを挟むレティエルと第二王子です。
第二王子の来訪です。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「やあ。ご機嫌いかがかな。レティエル」
ニコニコと俺の前で愛想笑いをしていやがるこいつこと第二王子。
高級お菓子を手土産にフラッと来やがった。
勿論お菓子は貰った。当たり前だ。
「ご機嫌麗しゅうございます。ランフォード第二王子殿下。本日はどのような御用でございますか。生憎、父も母も義兄も不在です。王子殿下が家人不在の邸宅に訪問は如何なものかと」
(ほんと、誰もいないのに、こいつ何しに来やがった?)
ジッと俺を見る王子の目が気持ち悪い。
何というのか獲物を見る猛禽のような‥…。って俺猛禽じゃないから知らんけど。
ああ嫌だ。俺の背中にはじっとりとした嫌な汗が。不快だ。
着心地も居心地も悪い。
多分俺は無意識に顔に出していたんだろう。不愉快さを。
王子はさして気にも留めない様子で俺に語り掛ける。
「ふふ。貴女にお土産話はどうかと思って来たのです。帝国のこと聞きたくありませんか。と言っても私に話せるのは学院の内情ぐらいでしょう。興味はありませんか?」
う。興味がないと言えば嘘になる。
俺は帝国で学院に通う予定だ。近々の情報は欲しいところだ。
最終学年に転入になるはずだから、俺はバッチリ続編のキャラ達と学年が被るのだ。
俺は奴等とは関わらず、目立たずに魔法の習得を目指すことを目標に転入するのだが、こいつはどうなんだ?
‥…成程。
兄に代わって実質の第一王子か。そういや~彼奴、廃嫡だっけ。
それで留学を断念して帰国したのか。
う? ならこいつとはもう会わなくないか?
俺このまま帝国に行けば良くね?
もう第二王子ルート回避してんじゃん! なんだ心配して損した。
あービビらすなよな~お前も人が悪い。
俺は心底安堵した。
俺は気分よく王子との会話を楽しんだ。
(あー、こいつ話し易い。良い奴じゃん。攻略対象ってだけで寄せ付けなかったのは悪かったな。俺達いい関係築けるかも)
学院の授業やらイベントやら食堂のメニューとかまで。
意外だったのがこいつが魔法について詳しかったことだ。
俺はすっかり聞き上手話し上手のこいつに油断してしまった。
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