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第二章 攻略対象二人目 ちょっと義兄は保留でお願いします。
母は強しー①
しおりを挟む今、俺は親父と共にソファに座りながら身を縮駒せている。
俺達の目の前には怒れる美女が。
「これはどういうことですの? 旦那様」
「むぅぅぅ…‥‥‥…」
親父が微かに唸ってる。
わかるわかる。母さんオコデスネ。こわわ
因みに義兄は出禁だ。主に俺の付近を。
そう出禁だ。俺がいる建物内や庭園など立ち入りを禁止だ。
可哀想とは思わないぞ。俺だって我が身が可愛いんだから。
「‥‥‥‥…うぅむぅ…‥‥」
親父は表情は取り繕っているが冷や汗かいてるな。
俺もだけど。貰い事故だよこれ。
実は別荘で俺は母親に会いたいと言って駄々を捏ねた。
そうみっともなく捏ねたよ。わるいか?
親父も俺を連れて行けば少しは母親の気が和らぐと思ったのだろう。
二つ返事だ。
うん? 義兄? さぁだれそれ?
折角会えたけど‥‥アレは無理だ。
怖すぎる。
俺には怒れる美人の相手なんて百年早いよ~
こんなことなら大人しく別荘にいれば良かった。今更か!
美女に睨まれること数十分。
俺達から質の良い脂あぶらがダラダラと。
いつまで続くんだ? この拷問!
「寡黙は旦那様の美徳でございましょうが、どうやら今は沈黙で押し通そうとお考えのようですわね‥‥‥」
(お、親父ー! 何でもいいから喋ってよー! た、頼むよー)
俺は心の中で親父の足元に縋りついてお願いしていた。泣き入ってます。
「そう‥‥。旦那様あれほどティのことをお願いしますと申し上げましたのに。このようなことに。これは旦那様の過失かしらねぇ。政敵など取るに足らぬと侮り油断あそばしましたの? それとも故意かしら? それで旦那様。獲物は打ち取りまして? ティを犠牲にしたのですから嘸かしご大層な手絡話をお聞かせ下さるのかしら。まあまあそれは楽しみだこと。一体何時お話下さるのかしらねぇ。まさか未だ仕留めるどころか尻尾も掴んでいない。相手に翻弄されたなどと。そのような醜態、勿論晒してはいらっしゃいませんわね。ねぇ旦那様?」
(お、親父ちょこちょこバレてるぞー! 俺知らねー!)
「おおぅ‥‥むぅぅ‥‥」
お、親父ガンバレー! 力込んで手汗でるわ。
「それからティ。貴女もですよ。王子に纏わりつく虫などさっさと追い払わないからです。何故今に至るまで放置していたの? 貴女ならこの程度赤子の手をひねるようなものでしょうに。母は残念でなりません。貴女に非はなくともこの騒ぎです。貴女にも落ち度があったのでしょう」
おおぅぅ、とばっちり?!
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