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第二章 攻略対象二人目 ちょっと義兄は保留でお願いします。
親父心・義兄心
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俺は親父から事の顛末を聞いている。
驚いたことに親父もじいやも専属侍女もこの企てを知っていた。
発案は義兄だけど。
こいつ、俺のこと殺す気満々なんじゃ‥‥‥
いや、考えたら負けだ。
うん。やめとこ俺が穏やかに過ごすためにも。
俺は狙われていた。
いや犯人は義兄じゃないよ? 疑惑ありありだけど。
親父の政敵もだが他国の貴族からも。他国の諜報員が暗躍していたようだ。
(親父はどこまで掴んで計画しているのやら)
以前は王子関連で狙われていた。だが今回は違う。
俺を拉致る計画だったそうだ。
捕らえた実行犯もただの雇われ者で詳細は聞かされていないとのことだ。
(ゲームと違ってきている。‥…これはもう別物と思わないと足元掬われるな。そもそも俺が狙われて死亡するのは王子のハッピーエンドでだ。あれ?もしかしたら死亡は偽装で攫われたのかも。いやもうゲームのことは考えるな。レティエル‥‥いやこれは俺の人生だ。ゲームとは違う。似て非なる物だ。そう考えないと柔軟に動けなくなる)
話は続く。
親父曰く『計画を利用した』
雇い主は捕らえられてはいない。まだ使い道があるからだそうだ。
‥‥あっそうですか。はい。有効活用してください。
『義兄の公爵家当主の教育』に好い教材だそうです。
先に捕らえていた実行犯は義兄が利用したらしい。
‥‥絶対聞きたくない! いやだ! 夜寝れなくなる!
なんだろうこの押し迫る罪悪感。
被害者は俺なのに。なぜだ解せぬ。
親父はニヤリと口角を上げ『ランバードはまだまだ鍛えがいがある。経験の不足は追々か』と。
‥‥親父の教育方針えげつな
そうそう俺を亡き者にした理由。
(言い方がアレなのは仕方ない。まだ拗ねてんだよ)
今回の相手はちょっと厄介なんだって。
元々帝国に移住を希望して、住み辛いこの国を捨てたのは俺の方だ。
義兄が俺を完全にこの国から逃がすために死亡扱いにしたって。
(ふうん。そう聞くとどこかの国の証人保護プログラムっぽい。違うか…)
それにしても教えてくれてもよかったのに‥…。
なんかモヤモヤする。
でも俺を守ろうとしてくれたのは事実だ。
少々やり方が強引な気もしなくもないが。
貴族なんて自分より上位の者から望まれると逆らえないからな。
‥…ということは公爵家より上位って、そりゃもう王族しか考えられないだろう。
それなら仕方がないかと思ってしまう。
親父達も奔走したんだろうな。多分。
俺はそれが嬉しかった。
事柄の内容はこの際無視して純粋に嬉しさで胸がジーンとする。
ありがとう。
あっ、でも義兄は別だ。もっと奮闘してください。
俺を殺っちゃわない方向でお願いします。
俺が内心で義兄に手を合わせてお願いしていたら。
親父の一声が。
「レティエル。お前の能力が知られた」
「はぁ?! 」
(ああしまった。間抜けな声だしちゃった。でも許して!)
「確証はないが少なくとも私はそう見ている。すまない。これは私の失態だ」
‥…驚きの余り言葉を失う。
何故バレたんだ。誰にバレたんだよ。
これってヤバくない?
俺は何とか声を絞り出す。
「お、おとうさま、それは‥‥…」
「レティエル。私がお前を守る。心配しなくても良い。いいな」
俺は首が捥げそうなほど上下に振った。
驚いたことに親父もじいやも専属侍女もこの企てを知っていた。
発案は義兄だけど。
こいつ、俺のこと殺す気満々なんじゃ‥‥‥
いや、考えたら負けだ。
うん。やめとこ俺が穏やかに過ごすためにも。
俺は狙われていた。
いや犯人は義兄じゃないよ? 疑惑ありありだけど。
親父の政敵もだが他国の貴族からも。他国の諜報員が暗躍していたようだ。
(親父はどこまで掴んで計画しているのやら)
以前は王子関連で狙われていた。だが今回は違う。
俺を拉致る計画だったそうだ。
捕らえた実行犯もただの雇われ者で詳細は聞かされていないとのことだ。
(ゲームと違ってきている。‥…これはもう別物と思わないと足元掬われるな。そもそも俺が狙われて死亡するのは王子のハッピーエンドでだ。あれ?もしかしたら死亡は偽装で攫われたのかも。いやもうゲームのことは考えるな。レティエル‥‥いやこれは俺の人生だ。ゲームとは違う。似て非なる物だ。そう考えないと柔軟に動けなくなる)
話は続く。
親父曰く『計画を利用した』
雇い主は捕らえられてはいない。まだ使い道があるからだそうだ。
‥‥あっそうですか。はい。有効活用してください。
『義兄の公爵家当主の教育』に好い教材だそうです。
先に捕らえていた実行犯は義兄が利用したらしい。
‥‥絶対聞きたくない! いやだ! 夜寝れなくなる!
なんだろうこの押し迫る罪悪感。
被害者は俺なのに。なぜだ解せぬ。
親父はニヤリと口角を上げ『ランバードはまだまだ鍛えがいがある。経験の不足は追々か』と。
‥‥親父の教育方針えげつな
そうそう俺を亡き者にした理由。
(言い方がアレなのは仕方ない。まだ拗ねてんだよ)
今回の相手はちょっと厄介なんだって。
元々帝国に移住を希望して、住み辛いこの国を捨てたのは俺の方だ。
義兄が俺を完全にこの国から逃がすために死亡扱いにしたって。
(ふうん。そう聞くとどこかの国の証人保護プログラムっぽい。違うか…)
それにしても教えてくれてもよかったのに‥…。
なんかモヤモヤする。
でも俺を守ろうとしてくれたのは事実だ。
少々やり方が強引な気もしなくもないが。
貴族なんて自分より上位の者から望まれると逆らえないからな。
‥…ということは公爵家より上位って、そりゃもう王族しか考えられないだろう。
それなら仕方がないかと思ってしまう。
親父達も奔走したんだろうな。多分。
俺はそれが嬉しかった。
事柄の内容はこの際無視して純粋に嬉しさで胸がジーンとする。
ありがとう。
あっ、でも義兄は別だ。もっと奮闘してください。
俺を殺っちゃわない方向でお願いします。
俺が内心で義兄に手を合わせてお願いしていたら。
親父の一声が。
「レティエル。お前の能力が知られた」
「はぁ?! 」
(ああしまった。間抜けな声だしちゃった。でも許して!)
「確証はないが少なくとも私はそう見ている。すまない。これは私の失態だ」
‥…驚きの余り言葉を失う。
何故バレたんだ。誰にバレたんだよ。
これってヤバくない?
俺は何とか声を絞り出す。
「お、おとうさま、それは‥‥…」
「レティエル。私がお前を守る。心配しなくても良い。いいな」
俺は首が捥げそうなほど上下に振った。
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