転生先は小説の‥…。

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第二章 攻略対象二人目 ちょっと義兄は保留でお願いします。

義兄の面を被った何か・・・

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意識を取りもどした俺に義兄は、どこかいけない子を見るような目で俺に語り掛ける。



俺が素直に義兄との婚姻を了承しなかったから仕方なかったって。

‥‥なんでだよ。意味がわからない。

えっ?俺のためだって?

‥‥だからなんでだよ!説明しろよ!納得できなかったら泣くからな!

号泣するぞ?!



‥…義兄よ。

どうでもいいが義兄よ。

俺を膝の上に載せて頭撫でるな!闇がうつる!



‥‥お前誰だよ?

義兄はこんなキャラなはずがない!



義兄の攻撃あたまなでなでは止まることなく連続攻撃だ。

俺のライフはゴリゴリ削られていく‥‥



(‥‥俺は生きてここから出られるのか)



「だからねレティ。前にも言ったようにね。私の大事なレティにハイエナ達が群がり出したんだよ。我が公爵家と繋がりを求めてね。あの塵屑おうじのことがあっても君と結婚を望む不届き者が多くてね。レティは魅力的だから仕方がない。それは理解しているよ。でもねレティ。私がね。‥‥私が許せないんだよ!君の魅力に引き寄せられる蛾共の存在が!!ああ忌まわしい!一族諸共屠ろうとしたんだよ。不届き者は根から成敗しないとね。だが、流石に不味いと義父上に止められてしまって困ったよ。酷いと思わないかい?義父上も煩わしいと感じられているのにだ。私は我慢できないな。だけど義父上はお考えがあってのことだろうし。義父上の邪魔をするのは憚られるよ。ならば後継の者達を全員不能にすれば私のレティを汚すことはないだろう?流行り病を装えば問題ないよ。義父上にそう進言したんだ。義父上も妙案だと笑っていられたのに。残念ながら貴族の数が減るから止めなさいって。ちょっとがっかりしたよ。私の落胆姿が哀れだったのか義父上が慰めてくださったんだ。やはり義父上は私の扱いが上手いね。感激したよ。義父上は素晴らしいお方だ。義理とはいえあのお方の息子になれたのは僥倖だね」



怒涛の如く語られる義兄の言葉に俺は戦慄が走る。



こわい‥‥

ええ~と、コレダレ? 

ああこれは俺の知らない人だ。義兄の面を被った何かだ。きっとそうだ。

ああ、誰か、早く助けに来てくれよ。

俺いい子にするから‥…







義兄の話はまだまだ続く。







「‥…でねレティ。君は死亡したよ」





ああ義兄って顔良いよね。性格アレだけど。

ちょっと逃避しちゃったよ。



「はい?」



「ああやはりレティは物分かりが良いね。そうだよ。はい。君の死亡届」

蕩けるような笑顔で一枚の書面を見せてくれた。



(いや義兄よ。肯定の返事じゃないからな。あとナニコレ?シボウトドケ?)

もう俺はいっぱいいっぱいだ。

何をどう突っ込んでいいのかわからない。



‥‥義兄よ。義兄よ。

‥‥俺いつの間に死んだんだよ。

‥‥それって社会的に?それとも物理的に?

‥‥それともこれから実行するの?!





―――助けはまだ来ない‥…

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