65 / 71
目覚めの前に 【別視点】
しおりを挟む
やっと更新ができました。遅くなりすみませんでした。
今回は、アイナが目を覚ます前の出来事です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コンコンと眠り続ける少女に語り掛ける。
夢の世界で共に過ごし苦難を乗り越えた‥‥友達。
『あーちゃん‥‥あーちゃん‥‥起きないわね』
声を掛けると言っても実際は脳内で語るだけ。本人の意識が底深く落ちている今、意思の疎通は無理かと理解した。アイナを起こすのを止め、現状把握に努めると気持ちを切り替えた。
眠っていたアイナがゆっくりと目を開ける。だが、ソレに気が付く者は誰もいない。ここはしんと静まり返った深夜の寝室、音を立てなければ誰も気付かない。
(さて、ここはどこかしら?)
ゆっくりと体を起こすも、動きが緩慢で鈍い。何故だか身体に力が入らなくて心許ない。この身体、えらく脆弱ではなかろうか? ふと心配になる。
(アイナの身体だと思うのだけれど、これは意外だったわ。まさか幼女だったなんて。話した限り成人女性かと思ったのに、当てが外れたかしら?)
取り敢えずの身体チェック。予想外だったが気後れすることなく受け入れた。
所詮自分の身体ではない。大した問題ではないかと開き直る。
(さて‥‥微かだけど感じるわ)
僅かな魔力残滓を嗅ぎ分け、お目当ての人物を探る。
ベットから起き上がっても身体がふらつく。これでは危なくて歩けないなと、出だしを挫かれた心境だ。どうしたものか。
(あっ、魔力は多いわね、この身体。ふふ、僥倖、僥倖)
早速、魔力を体表に纏わせ、内部魔力も動かす。体中隅々まで満ちた魔力に満足し、対外魔力を漲らせる。
(ふふ、これなら大丈夫そうね)
魔力でコーティング。身体強化を行った。
(さぁ、時間が無いわ、さっさと探しましょうか)
心の中で誰に聞かすともなく呟く。応えてくれたら嬉しいのにと。
✿
(やっと見つけた。魔力の波動が弱くてうっかり見過ごすところだったわ)
目の前には生きているのが不思議に思える枯れ木のような老婆が横たわっている。
(このままだと数日で息絶えるわね。さて、どうしたものかしら。困ったわ)
知りたい事があるのだ。出来るだけ感じ取った魔力残滓を辿り状況を聞き出したい。そう思って意識のないアイナを使って動いているのだ。目の前の老婆に語る気力があるのか悩ましい。
(残りは二人。一人は…殆ど消えかけてるわね。まぁこの老婆と変わらないか)
また探し回る労力も時間も、魔力も惜しい。この老婆で手を打とう。
そう考えを変え、老婆の延命を決めた。
(はぁ、何年ぶりかしら。それにしても、媒体なしでおまけに小さい身体だけれど、力を使えるかしらねぇ。まぁ悩んでも仕方ないわね)
人気がないと確認した室内で室内灯を頼りに老婆に向って力を使う。媒体がない以上、言上で底上げするしかないか。
「癒しの女神、フリララよ。御身の御力を分け給え。捧げるは我が祈り。生を受けた喜びと、日々の糧への感謝の心。癒しの女神フリララよ。我が魔力を捧げます。どうかこの者を癒し給え」
ファっと身体強化で使用していた魔力が動く。
淡い光となった魔力が老婆に流れる。
「はー、久ぶりに使ったわ。ふふ、でも上手くいったわね。これもあーちゃんの魔力のおかげね」
若干、老婆が若返った気がしなくもないが、年寄りの若返りは分かり難い。
それよりも消えかかっていた気力が満ち出した。これで生き長らえると安堵した。
(さぁ、元気になったようだし聞き取りしなきゃね)
✿
(さっきの老婆は譫言ばかりで会話にならなかったわ。時間の無駄ね)
お目当てが外れで、ちょっと気落ちしたが時間が迫っているのだ、次に期待だ。
(次は‥‥あっ、この部屋ね。…この人も殆ど消えかかってる)
同じように室内灯で照らされた部屋には顔に布を掛けられた人がベットに置かれていた。その姿は弔い仕様。亡くなっていたのかと残念に思う。
(この人の魔力、僅かだけど、あの女性のだわ。赤いモヤを作り出した。そうだったのね、既に亡くなってたの。多分、術を発動させるために自ら犠牲になったのね)
命を犠牲にして叶えたかったのかと、何とも言えない気持ちになる。
思い詰める程の情が自分には理解できないなと冷めた感情で永い眠りについた女性を見つめる。
術は不完全だった。完成していればアイナが、自分が、あのループから抜け出る事は叶わなかっただろう。あの術は震撼ものだ。今更だが身震いが止まらない。
(この女性も外れか。最後の一人に期待するしかないわね)
未だ事情を掴めないでいる。少々焦りが出た。
(あら? ここってお邸よね? どうして誰もいないのかしら? 不寝番もいない? 人手がないのかしら?)
邸の大きさから貴族家で間違いない。なのに不寝番や護衛を見かけない。何故だか胸騒ぎがする。
(ちょっと急いだほうが良さそうね)
魔力的に問題はないとみた。なら多少の無理は効くか。再度、感知するために魔力を薄く薄く広範囲に広げる。これが魔力感知になるのだが魔力量の多いアイナである。結構な範囲を巡らせた。
(えっ? 何この魔力?!)
感知していた魔力とは違う魔力を感知した。強力で嫌な気配まで着いている。
(この魔力‥‥とても嫌な感じがするわ。このまま近寄るのは危険な気がする)
アイナの置かれた境遇が不明なこともあって迂闊な行動は自粛すべきかと思いやる。とても貴族令嬢には見えなかったのだ。慎重すぎるぐらい慎重を期していいだろう。
(あっ!?)
今まで感じていた魔力が急に揺らいだのだ。ドキリと胸が打つ。嫌な予感が。
気は焦るも未だ嫌な魔力が蔓延ている。動けなくて歯痒い。
暫く待てば、あの嫌な魔力が消えた。そう、一瞬でだ。
移動したとしても経路に魔力を感知できそうなものだが、それすらも感じない。
(なにこれ? まさに瞬間で消えたみたい)
嫌な魔力の持ち主が消えたのだ。急いだほうが良いだろう。慌てて地下へと向かった。
「あぁ‥‥遅かった‥‥」
辿り着いた先に男の死体が。
「また、ハズレだったわ…‥」
これで、あの術の事情を知る者がいなくなった。ガックリと落胆が隠せない幼女の姿。
男は地下牢に入れられていた。罪人なのか? それにしては二人いる牢番が眠りこけている姿は異常ではなかろうか。
(どうやら手を回した者がいたのね。それにしても手練れな感じがするわ、これ以上、探るのは難しそうね。今夜はここまでかしら)
地下牢の前で佇む幼女はいただけない。とぼとぼと部屋に戻る姿に覇気はない。
(はぁ、無駄骨ってやつね。残念。部屋に戻って休むしかないか。あーちゃんが起きれば何かわかるかしら?)
今回は、アイナが目を覚ます前の出来事です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コンコンと眠り続ける少女に語り掛ける。
夢の世界で共に過ごし苦難を乗り越えた‥‥友達。
『あーちゃん‥‥あーちゃん‥‥起きないわね』
声を掛けると言っても実際は脳内で語るだけ。本人の意識が底深く落ちている今、意思の疎通は無理かと理解した。アイナを起こすのを止め、現状把握に努めると気持ちを切り替えた。
眠っていたアイナがゆっくりと目を開ける。だが、ソレに気が付く者は誰もいない。ここはしんと静まり返った深夜の寝室、音を立てなければ誰も気付かない。
(さて、ここはどこかしら?)
ゆっくりと体を起こすも、動きが緩慢で鈍い。何故だか身体に力が入らなくて心許ない。この身体、えらく脆弱ではなかろうか? ふと心配になる。
(アイナの身体だと思うのだけれど、これは意外だったわ。まさか幼女だったなんて。話した限り成人女性かと思ったのに、当てが外れたかしら?)
取り敢えずの身体チェック。予想外だったが気後れすることなく受け入れた。
所詮自分の身体ではない。大した問題ではないかと開き直る。
(さて‥‥微かだけど感じるわ)
僅かな魔力残滓を嗅ぎ分け、お目当ての人物を探る。
ベットから起き上がっても身体がふらつく。これでは危なくて歩けないなと、出だしを挫かれた心境だ。どうしたものか。
(あっ、魔力は多いわね、この身体。ふふ、僥倖、僥倖)
早速、魔力を体表に纏わせ、内部魔力も動かす。体中隅々まで満ちた魔力に満足し、対外魔力を漲らせる。
(ふふ、これなら大丈夫そうね)
魔力でコーティング。身体強化を行った。
(さぁ、時間が無いわ、さっさと探しましょうか)
心の中で誰に聞かすともなく呟く。応えてくれたら嬉しいのにと。
✿
(やっと見つけた。魔力の波動が弱くてうっかり見過ごすところだったわ)
目の前には生きているのが不思議に思える枯れ木のような老婆が横たわっている。
(このままだと数日で息絶えるわね。さて、どうしたものかしら。困ったわ)
知りたい事があるのだ。出来るだけ感じ取った魔力残滓を辿り状況を聞き出したい。そう思って意識のないアイナを使って動いているのだ。目の前の老婆に語る気力があるのか悩ましい。
(残りは二人。一人は…殆ど消えかけてるわね。まぁこの老婆と変わらないか)
また探し回る労力も時間も、魔力も惜しい。この老婆で手を打とう。
そう考えを変え、老婆の延命を決めた。
(はぁ、何年ぶりかしら。それにしても、媒体なしでおまけに小さい身体だけれど、力を使えるかしらねぇ。まぁ悩んでも仕方ないわね)
人気がないと確認した室内で室内灯を頼りに老婆に向って力を使う。媒体がない以上、言上で底上げするしかないか。
「癒しの女神、フリララよ。御身の御力を分け給え。捧げるは我が祈り。生を受けた喜びと、日々の糧への感謝の心。癒しの女神フリララよ。我が魔力を捧げます。どうかこの者を癒し給え」
ファっと身体強化で使用していた魔力が動く。
淡い光となった魔力が老婆に流れる。
「はー、久ぶりに使ったわ。ふふ、でも上手くいったわね。これもあーちゃんの魔力のおかげね」
若干、老婆が若返った気がしなくもないが、年寄りの若返りは分かり難い。
それよりも消えかかっていた気力が満ち出した。これで生き長らえると安堵した。
(さぁ、元気になったようだし聞き取りしなきゃね)
✿
(さっきの老婆は譫言ばかりで会話にならなかったわ。時間の無駄ね)
お目当てが外れで、ちょっと気落ちしたが時間が迫っているのだ、次に期待だ。
(次は‥‥あっ、この部屋ね。…この人も殆ど消えかかってる)
同じように室内灯で照らされた部屋には顔に布を掛けられた人がベットに置かれていた。その姿は弔い仕様。亡くなっていたのかと残念に思う。
(この人の魔力、僅かだけど、あの女性のだわ。赤いモヤを作り出した。そうだったのね、既に亡くなってたの。多分、術を発動させるために自ら犠牲になったのね)
命を犠牲にして叶えたかったのかと、何とも言えない気持ちになる。
思い詰める程の情が自分には理解できないなと冷めた感情で永い眠りについた女性を見つめる。
術は不完全だった。完成していればアイナが、自分が、あのループから抜け出る事は叶わなかっただろう。あの術は震撼ものだ。今更だが身震いが止まらない。
(この女性も外れか。最後の一人に期待するしかないわね)
未だ事情を掴めないでいる。少々焦りが出た。
(あら? ここってお邸よね? どうして誰もいないのかしら? 不寝番もいない? 人手がないのかしら?)
邸の大きさから貴族家で間違いない。なのに不寝番や護衛を見かけない。何故だか胸騒ぎがする。
(ちょっと急いだほうが良さそうね)
魔力的に問題はないとみた。なら多少の無理は効くか。再度、感知するために魔力を薄く薄く広範囲に広げる。これが魔力感知になるのだが魔力量の多いアイナである。結構な範囲を巡らせた。
(えっ? 何この魔力?!)
感知していた魔力とは違う魔力を感知した。強力で嫌な気配まで着いている。
(この魔力‥‥とても嫌な感じがするわ。このまま近寄るのは危険な気がする)
アイナの置かれた境遇が不明なこともあって迂闊な行動は自粛すべきかと思いやる。とても貴族令嬢には見えなかったのだ。慎重すぎるぐらい慎重を期していいだろう。
(あっ!?)
今まで感じていた魔力が急に揺らいだのだ。ドキリと胸が打つ。嫌な予感が。
気は焦るも未だ嫌な魔力が蔓延ている。動けなくて歯痒い。
暫く待てば、あの嫌な魔力が消えた。そう、一瞬でだ。
移動したとしても経路に魔力を感知できそうなものだが、それすらも感じない。
(なにこれ? まさに瞬間で消えたみたい)
嫌な魔力の持ち主が消えたのだ。急いだほうが良いだろう。慌てて地下へと向かった。
「あぁ‥‥遅かった‥‥」
辿り着いた先に男の死体が。
「また、ハズレだったわ…‥」
これで、あの術の事情を知る者がいなくなった。ガックリと落胆が隠せない幼女の姿。
男は地下牢に入れられていた。罪人なのか? それにしては二人いる牢番が眠りこけている姿は異常ではなかろうか。
(どうやら手を回した者がいたのね。それにしても手練れな感じがするわ、これ以上、探るのは難しそうね。今夜はここまでかしら)
地下牢の前で佇む幼女はいただけない。とぼとぼと部屋に戻る姿に覇気はない。
(はぁ、無駄骨ってやつね。残念。部屋に戻って休むしかないか。あーちゃんが起きれば何かわかるかしら?)
0
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。

転生しても山あり谷あり!
tukisirokou
ファンタジー
「転生前も山あり谷ありの人生だったのに転生しても山あり谷ありの人生なんて!!」
兎にも角にも今世は
“おばあちゃんになったら縁側で日向ぼっこしながら猫とたわむる!”
を最終目標に主人公が行く先々の困難を負けずに頑張る物語・・・?

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?
山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。
2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。
異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。
唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

おばさん、異世界転生して無双する(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆オラオラオラオラ
Crosis
ファンタジー
新たな世界で新たな人生を_(:3 」∠)_
【残酷な描写タグ等は一応保険の為です】
後悔ばかりの人生だった高柳美里(40歳)は、ある日突然唯一の趣味と言って良いVRMMOのゲームデータを引き継いだ状態で異世界へと転移する。
目の前には心血とお金と時間を捧げて作り育てたCPUキャラクター達。
そして若返った自分の身体。
美男美女、様々な種族の|子供達《CPUキャラクター》とアイテムに天空城。
これでワクワクしない方が嘘である。
そして転移した世界が異世界であると気付いた高柳美里は今度こそ後悔しない人生を謳歌すると決意するのであった。

器用貧乏の底辺冒険者~俺だけ使える『ステータスボード』で最強になる!~
夢・風魔
ファンタジー
*タイトル少し変更しました。
全ての能力が平均的で、これと言って突出したところもない主人公。
適正職も見つからず、未だに見習いから職業を決められずにいる。
パーティーでは荷物持ち兼、交代要員。
全ての見習い職業の「初期スキル」を使えるがそれだけ。
ある日、新しく発見されたダンジョンにパーティーメンバーと潜るとモンスターハウスに遭遇してパーティー決壊の危機に。
パーティーリーダーの裏切りによって囮にされたロイドは、仲間たちにも見捨てられひとりダンジョン内を必死に逃げ惑う。
突然地面が陥没し、そこでロイドは『ステータスボード』を手に入れた。
ロイドのステータスはオール25。
彼にはユニークスキルが備わっていた。
ステータスが強制的に平均化される、ユニークスキルが……。
ステータスボードを手に入れてからロイドの人生は一変する。
LVUPで付与されるポイントを使ってステータスUP、スキル獲得。
不器用大富豪と蔑まれてきたロイドは、ひとりで前衛後衛支援の全てをこなす
最強の冒険者として称えられるようになる・・・かも?
【過度なざまぁはありませんが、結果的にはそうなる・・みたいな?】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる