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呪夢ー⑥・続き

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「しょ、証拠は‥‥証拠はなくても間違いないわ! お義姉様は我が家の落ち零れですの。良い成績が採れるはずありません!」
 「そうだ、×××嬢の証言で充分ではないか。試験だけ高得点はおかしいぞ」
 「それが君達の言い分か。まさかこれほど愚かだとは。全く以て由々しき問題ではないか」
 「そうだろう、そうだろう。わかったなら今すぐこいつに罰を与えろ」

 証拠もないのに怯まず主張を繰り返す義妹の、ど厚かましさに感嘆する。そして教師に対しマウントを取り続ける王子。厚顔無恥な二人はお似合いだ。

 呆れた表情の先生。美形はどんな顔でも美形だね。零す吐息が桃色吐息…あれ? 青色吐息? 
 女生徒の声なき悲鳴が聞こえてきそう…


 「証拠が無いのだな。であれば不正を行った証明でよい。立証出来るのであればそれを示しなさい」
 「だからお義姉様は悪い事を平気でする人なの。わたくし何時だって虐められて‥‥うっうう」
 「君は何を言っている? 今は不正の証明について話をしている。君の私的な話など興味ない。話を摺り変えるな」
 「な、なな…‥」
 「全く話が進まないではないか。恐ろしく君達は理解力が欠如している。よいか、私は不正の事実を立証しろと言っているのだ。わかるか?」

 先生的には嘲りの顔なのだろう‥‥多分。でも義妹には微笑まれたと勘違いしたみたい。ポポポッと頬を赤らめモジモジ。男子にとっては可愛い素振りかも知れないが‥…先生、中身女性だよ。ざんねーん!
 
 王子とお馬鹿な仲間は悔しさで歯軋りしてる。その悔しさは義妹のデレ顔か、不正の証明が出来ないからか。どちらにしろ分が悪い。早く気が付けよ。


 「君達では立証不可と見た。全く時間の無駄ではあるがその残念なおつむに免じ教授してやろう。よいか、学園の試験は不正行為が出来ない監視体制を執っているのは、他でもない試験を受けた自分がわかっているだろう」

 そう言った先生の言葉を肯定するのは周囲の生徒達だ。銘々「そうだ」「あの教室では無理だ」「そうね出来ないわ」と言った声が上がる。

 なるほど?
 試験会場となる講堂に持ち込めるのは筆記用具のみ。それ以外は許されない。
 持ち物チェックもあるし監視の目を絶やさず不正出来ない体制を築き上げてあるそうだ。不正を行う者が後を絶たない経験から不可能な状況を作り上げた。そこ迄する学園側の本気度が怖い。 
 
 将来、国の中枢を担う子息子女を預かる学園で間違いがあれば責任を追及されるのは学園理事である王弟殿下なんだって。学園の意地と矜持とプライドか。そりゃ力も入るね。

 その絶対防壁を誇る学園サイドに真っ向から喧嘩を吹っかけたのが、王子とお馬鹿トリオ。だから先生も立証できるのかと何度も確認した。


 これで学園主任と学園理事に報告され厳罰が下されること間違いなし。
 勿論、フローレンスちゃんはお咎めなしだ。先生が手を打つからね。

 
 これにてテスト発表ヘイトイベントは終了? でよい?



 あっ、場面が変わり始めた。
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