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カップル成立大作戦
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今日は、待ちに待った大切か日。気合いを入れて臨むべし。と言っても私のことじゃないんだけど、なんだかこっちが緊張してきたわ!
「おはよー、一ノ瀬くん」
「うっす」
「今日は付き合ってくれてありがとね!」
「役に立てるか分かんないけど、よろしくな」
一ノ瀬と林菜さんのデート開始!2人はまず、ショッピングモールで服屋さんをたくさん周り、一応目的となっている男性の服を中心に周った。そして、休憩がてら昼食を食べる流れになっている。そこで、レストランの席がカップルっぽい席と1人席、4人掛けの席が空いていた。林菜さんたち、私(変装中)、1人で来ている他の人の順番で並んでいた為、一ノ瀬たちが4人掛けの席に案内されそうだった。しかし、ここはカップル席に座って欲しいところ!
「すみません、私広い席が良いんですけど」
恥ずかしさを捨てて、2番目にも関わらず、店員さんにそう話しかける。店員さんはすごく困っている様子だったが、そこで林菜さんが一言!
「私たち、こっちの席で大丈夫です」
カップル席の方を指差す。店員さんも了承し、2人はカップル席へ座った。恥ずかしさを捨てられた私ナイス!そして、林菜さんとのコンビ、意外と相性良いわね。
席を譲ってくれたお礼なのか、2人の飲み物に可愛い飾り付けがされていた。色々と上手くいっている。このまま上手くいけば、一ノ瀬も少しずつ意識するようになるはず!
「この飾り可愛い」
「良かったな」
「うん!」
こうして見るとすごく素敵なカップルなんじゃない?良い感じよね。良いな。
2人は食事を終え、席を離れる。私も怪しまれないように食事を終わらせ、店を離れる。
「そろそろ行こうか」
「うん」
「次はどこに行くんだ?」
「次は、一緒に映画を見たくて……」
「映画かー、もうずっと見てないな」
「そう、なんだ」
「行ってみるか。林菜の見たいやつ見よう」
「良いの?」
「もちろん、今日はお前の願いを叶える日だしな」
「ありがとう……//」
ますます良い感じね!あとは、その映画の内容が鍵になるわね!今回、見ようと計画していたのは、めちゃくちゃラブラブな恋愛映画よ!これを見てキュンキュンして、頭を錯覚させて、林菜さんとの距離を一気に縮める!
映画館に到着。さて、恋愛映画見て、心臓バックバク作戦開始!ってあれ?なんか全然違う看板見てない?
「一ノ瀬くん、その映画興味あるの?」
「あ、いやそういうわけじゃねぇんだけどさ」
「……私もこれ見てみたい」
「え、いや林菜はあっち見たいんだろ?」
「どっちも興味あるし、2人とも興味ある方見た方が楽しいからこっち見よ?」
「良いのか?悪いな」
「ううん!行こ!」
なんか、理想のカップルって感じね。これ以上私が何かする必要はなさそうね。このままいて、もし私の存在を一ノ瀬が気づいたらせっかくの最高のデートが台無しになってしまう。そうならない為にも今のうちに帰ろうかな。
私は林菜さんに帰るというジェスチャーを送った。林菜さんは驚いてすごく不安そうな顔をしていたが、これ以上2人のデートを盗み見るのもなんだか良くない気がするし、LINEで帰る理由を送って、邪魔者は退散することにした。
なんとなく、カラオケに行きたくなり、1人で行くことにした。2人が今何をしているのかだったり色々気になって仕方ないけれど、とりあえず歌いまくることにした。なんとなく、心が重たい。それを解消する手段がカラオケだった。
理由もなく、しばらく歌いまくり、気がついたら意外と遅い時間になっていた。
やばい、早く帰らないと!今日お姉ちゃん早く帰ってくるんだった。夜ご飯作らないと。私は急いで店を飛び出し、帰ろうとしたところ、急に名前を呼ばれる。
「緑ちゃん?」
後ろを振り向くと、嫌な顔がそこにはいた。それは、私の最初の彼氏。つまり、おさがり彼氏を始めた最初の人物ということだ。
「緑ちゃん、元気してた?あれ?1人?じゃあさ、俺たちと遊びに行かない?」
「ちょっ、辞めてよ、離して!」
「そんな怒らなくても良いじゃん。久しぶりに会えたんだし、積もる話もあるだろ?あ、そういえばまだあれやってんの?」
「……」
「あれ~?だんまり?」
この人の名前は、桃瀬倫太(ももせ りんた)。私が付き合っていたときは、20歳大学生でいわゆる性欲の塊。付き合ってからのデート初日で誘ってきて、拒否すると速攻別れることになった。付き合う前は、結構紳士的な感じだったから、色々相談になってもらっていた。その時に、おさがり彼氏のことを話してしまったのだ。まあ、話したというか、彼氏がいたことないと言うと、俺の彼女にならない?と言われて、承諾した。
そのときに桃瀬が「姉のおさがりでも良いんじゃない?経験として俺と付き合ってみない?」と言ってきた。姉におさがり彼氏制度をやりたいと話した直後の話だったため、桃瀬が同じことを言ってきて少し驚いたが、そういう経緯で1人目のおさがり彼氏となった人物。一ノ瀬意外で真実を知っている唯一の人物だ。
桃瀬には、もう一つ問題があり、姉に一番酷い振られ方をしたかもしれない人物である。それは、体の相性が合わないという理由だった。桃瀬にとってそれは、下手だと言われているようなもので、今まで桃瀬は色々な女性と関係を持ってきたが、満足させてきたと自負していた為、別れる理由がそれだったことにとてもプライドを傷つけられたと感じたのだと思う。
とにかく、一番会いたくない元彼である。
「ま、良いや。それより早く行こうや」
「本当に辞めて!」
「お前の周りの奴らにバラしてやってもいいんだぜ?」
桃瀬は、小声で私にそう言ってきた。何も言えずにもう諦めて付いていくしかないかなと思った瞬間だった。
「緑!」
「……一ノ瀬?」
「俺の彼女に手出してんじゃねぇよ。離せクズ」
「ちっ。めんどくせえ、いらねえよそんなクソ女」
「あ?てめえ今何つった?」
あ、やばい、一ノ瀬が本気でキレた。これは誰にも止められない。どうしよう……!うわ、殴っちゃった。
「痛ってー!何すんだてめえ!このやろっ」
桃瀬が一ノ瀬に殴りかかったが、簡単に避けられ、壁に自分からぶち当たる。
「ははっ倫太何やってんだよ」
桃瀬の仲間たちが笑いながらそう言う。桃瀬は余計イラ立ち、暴れ出してしまう。
しかし、喧嘩慣れしている一ノ瀬に桃瀬が勝てるわけもなく、呆気なく床に伏すことになった。
「緑に二度と近づくな」
一ノ瀬は、渾身の睨みを効かせ、私の手を引いてその場から離れる。一ノ瀬の横顔が本気で怒っていて、怖かったはずなのにすごく嬉しかった。
「森川、大丈夫か?」
「う、うん。大丈夫。ほんとありがとう」
「怪我とかしてないか?」
「うん、ほんと大丈夫だよ!あれ、林菜さんは?」
「もう帰ったよ」
「そ、そうなんだ」
「俺も帰ろうと思ってたら、森川の姿が見えて」
「いやー、一ノ瀬が来てくれて良かったー!もうどうしようかと思って。これは付いて行くしかないかーって思ったら」
「森川?」
私が話している途中に一ノ瀬が驚いた表情をしていることに、なぜだろうと思った途端、自分の視界がぼやけた。いつの間にか目から涙が溢れ出てきていたのだ。
「ご、ごめん、なんか目にゴミ入って」
涙を拭き取ろうとすると、急に何かに体が包み込まれた。それは、一ノ瀬だった。たぶん、私のことを安心させようとしてくれたのだと思う。すっごく温かくて、心に刺さっていた棘みたいなのがスッと抜けるような安心感が私の中に入り込んできた。
「もう、大丈夫だから」
一ノ瀬がそう言った。さっきの怖い表情からは全く想像できないくらい優しくて温かい声で、そう言った。
それから少しして、一ノ瀬は照れた感じで私から離れた。
「よ、よし、落ち着いたな。家まで送るよ」
「うん!ありがとう」
一ノ瀬の色々な一面が今日は見れた日だなとなんだか嬉しかった。
「おはよー、一ノ瀬くん」
「うっす」
「今日は付き合ってくれてありがとね!」
「役に立てるか分かんないけど、よろしくな」
一ノ瀬と林菜さんのデート開始!2人はまず、ショッピングモールで服屋さんをたくさん周り、一応目的となっている男性の服を中心に周った。そして、休憩がてら昼食を食べる流れになっている。そこで、レストランの席がカップルっぽい席と1人席、4人掛けの席が空いていた。林菜さんたち、私(変装中)、1人で来ている他の人の順番で並んでいた為、一ノ瀬たちが4人掛けの席に案内されそうだった。しかし、ここはカップル席に座って欲しいところ!
「すみません、私広い席が良いんですけど」
恥ずかしさを捨てて、2番目にも関わらず、店員さんにそう話しかける。店員さんはすごく困っている様子だったが、そこで林菜さんが一言!
「私たち、こっちの席で大丈夫です」
カップル席の方を指差す。店員さんも了承し、2人はカップル席へ座った。恥ずかしさを捨てられた私ナイス!そして、林菜さんとのコンビ、意外と相性良いわね。
席を譲ってくれたお礼なのか、2人の飲み物に可愛い飾り付けがされていた。色々と上手くいっている。このまま上手くいけば、一ノ瀬も少しずつ意識するようになるはず!
「この飾り可愛い」
「良かったな」
「うん!」
こうして見るとすごく素敵なカップルなんじゃない?良い感じよね。良いな。
2人は食事を終え、席を離れる。私も怪しまれないように食事を終わらせ、店を離れる。
「そろそろ行こうか」
「うん」
「次はどこに行くんだ?」
「次は、一緒に映画を見たくて……」
「映画かー、もうずっと見てないな」
「そう、なんだ」
「行ってみるか。林菜の見たいやつ見よう」
「良いの?」
「もちろん、今日はお前の願いを叶える日だしな」
「ありがとう……//」
ますます良い感じね!あとは、その映画の内容が鍵になるわね!今回、見ようと計画していたのは、めちゃくちゃラブラブな恋愛映画よ!これを見てキュンキュンして、頭を錯覚させて、林菜さんとの距離を一気に縮める!
映画館に到着。さて、恋愛映画見て、心臓バックバク作戦開始!ってあれ?なんか全然違う看板見てない?
「一ノ瀬くん、その映画興味あるの?」
「あ、いやそういうわけじゃねぇんだけどさ」
「……私もこれ見てみたい」
「え、いや林菜はあっち見たいんだろ?」
「どっちも興味あるし、2人とも興味ある方見た方が楽しいからこっち見よ?」
「良いのか?悪いな」
「ううん!行こ!」
なんか、理想のカップルって感じね。これ以上私が何かする必要はなさそうね。このままいて、もし私の存在を一ノ瀬が気づいたらせっかくの最高のデートが台無しになってしまう。そうならない為にも今のうちに帰ろうかな。
私は林菜さんに帰るというジェスチャーを送った。林菜さんは驚いてすごく不安そうな顔をしていたが、これ以上2人のデートを盗み見るのもなんだか良くない気がするし、LINEで帰る理由を送って、邪魔者は退散することにした。
なんとなく、カラオケに行きたくなり、1人で行くことにした。2人が今何をしているのかだったり色々気になって仕方ないけれど、とりあえず歌いまくることにした。なんとなく、心が重たい。それを解消する手段がカラオケだった。
理由もなく、しばらく歌いまくり、気がついたら意外と遅い時間になっていた。
やばい、早く帰らないと!今日お姉ちゃん早く帰ってくるんだった。夜ご飯作らないと。私は急いで店を飛び出し、帰ろうとしたところ、急に名前を呼ばれる。
「緑ちゃん?」
後ろを振り向くと、嫌な顔がそこにはいた。それは、私の最初の彼氏。つまり、おさがり彼氏を始めた最初の人物ということだ。
「緑ちゃん、元気してた?あれ?1人?じゃあさ、俺たちと遊びに行かない?」
「ちょっ、辞めてよ、離して!」
「そんな怒らなくても良いじゃん。久しぶりに会えたんだし、積もる話もあるだろ?あ、そういえばまだあれやってんの?」
「……」
「あれ~?だんまり?」
この人の名前は、桃瀬倫太(ももせ りんた)。私が付き合っていたときは、20歳大学生でいわゆる性欲の塊。付き合ってからのデート初日で誘ってきて、拒否すると速攻別れることになった。付き合う前は、結構紳士的な感じだったから、色々相談になってもらっていた。その時に、おさがり彼氏のことを話してしまったのだ。まあ、話したというか、彼氏がいたことないと言うと、俺の彼女にならない?と言われて、承諾した。
そのときに桃瀬が「姉のおさがりでも良いんじゃない?経験として俺と付き合ってみない?」と言ってきた。姉におさがり彼氏制度をやりたいと話した直後の話だったため、桃瀬が同じことを言ってきて少し驚いたが、そういう経緯で1人目のおさがり彼氏となった人物。一ノ瀬意外で真実を知っている唯一の人物だ。
桃瀬には、もう一つ問題があり、姉に一番酷い振られ方をしたかもしれない人物である。それは、体の相性が合わないという理由だった。桃瀬にとってそれは、下手だと言われているようなもので、今まで桃瀬は色々な女性と関係を持ってきたが、満足させてきたと自負していた為、別れる理由がそれだったことにとてもプライドを傷つけられたと感じたのだと思う。
とにかく、一番会いたくない元彼である。
「ま、良いや。それより早く行こうや」
「本当に辞めて!」
「お前の周りの奴らにバラしてやってもいいんだぜ?」
桃瀬は、小声で私にそう言ってきた。何も言えずにもう諦めて付いていくしかないかなと思った瞬間だった。
「緑!」
「……一ノ瀬?」
「俺の彼女に手出してんじゃねぇよ。離せクズ」
「ちっ。めんどくせえ、いらねえよそんなクソ女」
「あ?てめえ今何つった?」
あ、やばい、一ノ瀬が本気でキレた。これは誰にも止められない。どうしよう……!うわ、殴っちゃった。
「痛ってー!何すんだてめえ!このやろっ」
桃瀬が一ノ瀬に殴りかかったが、簡単に避けられ、壁に自分からぶち当たる。
「ははっ倫太何やってんだよ」
桃瀬の仲間たちが笑いながらそう言う。桃瀬は余計イラ立ち、暴れ出してしまう。
しかし、喧嘩慣れしている一ノ瀬に桃瀬が勝てるわけもなく、呆気なく床に伏すことになった。
「緑に二度と近づくな」
一ノ瀬は、渾身の睨みを効かせ、私の手を引いてその場から離れる。一ノ瀬の横顔が本気で怒っていて、怖かったはずなのにすごく嬉しかった。
「森川、大丈夫か?」
「う、うん。大丈夫。ほんとありがとう」
「怪我とかしてないか?」
「うん、ほんと大丈夫だよ!あれ、林菜さんは?」
「もう帰ったよ」
「そ、そうなんだ」
「俺も帰ろうと思ってたら、森川の姿が見えて」
「いやー、一ノ瀬が来てくれて良かったー!もうどうしようかと思って。これは付いて行くしかないかーって思ったら」
「森川?」
私が話している途中に一ノ瀬が驚いた表情をしていることに、なぜだろうと思った途端、自分の視界がぼやけた。いつの間にか目から涙が溢れ出てきていたのだ。
「ご、ごめん、なんか目にゴミ入って」
涙を拭き取ろうとすると、急に何かに体が包み込まれた。それは、一ノ瀬だった。たぶん、私のことを安心させようとしてくれたのだと思う。すっごく温かくて、心に刺さっていた棘みたいなのがスッと抜けるような安心感が私の中に入り込んできた。
「もう、大丈夫だから」
一ノ瀬がそう言った。さっきの怖い表情からは全く想像できないくらい優しくて温かい声で、そう言った。
それから少しして、一ノ瀬は照れた感じで私から離れた。
「よ、よし、落ち着いたな。家まで送るよ」
「うん!ありがとう」
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