20 / 25
第1章 無法
疑いと信頼
しおりを挟む
疑いたくない。でも、疑うしかない。そう直感的に感じる。
ーー昨年の12月ーー
「優奈、お前は人生が2ついると思うか?」
「え、なに急に~、こわいこわい」
「俺は、この世界は不公平だと思うんだよ」
「でも、お兄ちゃんは勝ち組じゃないの?私なんて、どっちの人生もそこそこって感じだし」
「急に重い話だったな。気にするな」
「疲れてるんじゃないの?」
「大丈夫大丈夫!なんか変に心配かけちゃったな。ほんと忘れてくれ」
去年、お兄ちゃんが言っていたことをついつい思い出しちゃった。もし、もしもお兄ちゃんが間違った方向に進んでいるのなら、止めるのは私しかいないと思う。
「お兄ちゃん~前借りてた漫画の続き貸してよー」
「あー良いけど、お前勉強は?」
「するけど、勉強の息抜きに読みたいのー!」
「全くしょうがないなー」
「あ!じゃあ、お兄ちゃんの部屋で勉強しよーかなー。そしたら、人に見られてるからより勉強が捗る気がする!漫画もあるし!良いー?」
「えーなんだよ今日は甘えちゃんかー?」
「たまには良いじゃない?」
「まあ良いけどさ」
「ありがと!」
長時間お兄ちゃんの部屋にいれば、トイレに行くタイミングがあるはず!その時に携帯を置いていったら、すぐに携帯を開いてお兄ちゃんのもう1つの人生が誰なのかを見る。どれだけお兄ちゃんに不審がられないように接するかがこの作戦の重要部分。お兄ちゃんを信じたい、信じているからこそ、疑いは私が晴らす……!
「お茶持ってきたよー」
「おーありがとなー」
「最近、仕事忙しい?」
「今ちょうど色々プロジェクトを進めてて、まあまあ忙しいかな」
「そっかー」
1時間後。
「ちょっとトイレ行ってくるわー」
「行ってらー」
よし、チャンス。携帯も置いてってるわね。ふー。確か暗証番号は、これのはず。あれ?!開かない!いつの間に暗証番号変えたのよ!これじゃあ、お兄ちゃんのもう1つの人生が誰なのか分からないじゃない。疑いを晴らせない……!やばっ、戻ってきちゃう。もう一度作戦を練り直すしかないか。
「お、勉強進んでるかー?」
「うん、ボチボチ」
「そうか。良いところで寝ろよー」
「はーい」
綾人に相談してみよう。暗証番号を変更したのもなんとなく怪しい。認めたくないけど、覚悟する必要があるのかも。
ーー昨年の12月ーー
「優奈、お前は人生が2ついると思うか?」
「え、なに急に~、こわいこわい」
「俺は、この世界は不公平だと思うんだよ」
「でも、お兄ちゃんは勝ち組じゃないの?私なんて、どっちの人生もそこそこって感じだし」
「急に重い話だったな。気にするな」
「疲れてるんじゃないの?」
「大丈夫大丈夫!なんか変に心配かけちゃったな。ほんと忘れてくれ」
去年、お兄ちゃんが言っていたことをついつい思い出しちゃった。もし、もしもお兄ちゃんが間違った方向に進んでいるのなら、止めるのは私しかいないと思う。
「お兄ちゃん~前借りてた漫画の続き貸してよー」
「あー良いけど、お前勉強は?」
「するけど、勉強の息抜きに読みたいのー!」
「全くしょうがないなー」
「あ!じゃあ、お兄ちゃんの部屋で勉強しよーかなー。そしたら、人に見られてるからより勉強が捗る気がする!漫画もあるし!良いー?」
「えーなんだよ今日は甘えちゃんかー?」
「たまには良いじゃない?」
「まあ良いけどさ」
「ありがと!」
長時間お兄ちゃんの部屋にいれば、トイレに行くタイミングがあるはず!その時に携帯を置いていったら、すぐに携帯を開いてお兄ちゃんのもう1つの人生が誰なのかを見る。どれだけお兄ちゃんに不審がられないように接するかがこの作戦の重要部分。お兄ちゃんを信じたい、信じているからこそ、疑いは私が晴らす……!
「お茶持ってきたよー」
「おーありがとなー」
「最近、仕事忙しい?」
「今ちょうど色々プロジェクトを進めてて、まあまあ忙しいかな」
「そっかー」
1時間後。
「ちょっとトイレ行ってくるわー」
「行ってらー」
よし、チャンス。携帯も置いてってるわね。ふー。確か暗証番号は、これのはず。あれ?!開かない!いつの間に暗証番号変えたのよ!これじゃあ、お兄ちゃんのもう1つの人生が誰なのか分からないじゃない。疑いを晴らせない……!やばっ、戻ってきちゃう。もう一度作戦を練り直すしかないか。
「お、勉強進んでるかー?」
「うん、ボチボチ」
「そうか。良いところで寝ろよー」
「はーい」
綾人に相談してみよう。暗証番号を変更したのもなんとなく怪しい。認めたくないけど、覚悟する必要があるのかも。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる