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第1章 無法
深まる仲
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裕斗が引っ越してきて、1ヶ月程経ち、だいぶクラスにも馴染み、それに加えて裕斗のイケメンが噂になり、先輩後輩問わず、見物に来る人が増えていた。
「あれ?あの人?やっばっ!ちょーイケメンじゃん!」
「あれでめっちゃ紳士らしいよ!」
「え、もう王子様じゃん~」
「きゃー!!(黄色い歓声)」
もう、アイドル状態である。裕斗も人が良いから、たまに人集りの方を見て、ニコッとしたりしている。その度にあの黄色い歓声が生まれる。最近、裕斗が疲れを感じたとき、私にサインで知らせてくる。私はそのサインに反応して、タイミング良く裕斗を教室から連れ出す。毎回私が教室から裕斗を連れ出す為、変な噂も立てられている。私と裕斗が付き合っているだのなんだの。全く困ったものだ。
「千郷、いつもありがとうね」
「良いの良いの~」
「申し訳ないなー」
「思ってないでしょ!」
「いや、思ってるよー!千郷には甘えっぱなしだなって」
「ほんと甘えすぎー!」
私は、なんて返せば良いのか分からず、そう言ってその場を不自然に離れてしまった。
「千郷?どうしたの?」
「いや、別に何でもないよー!そろそろ教室落ち着いたんじゃない?」
「そうだね。もうちょっと2人でいたかったけど(小声)」
「ん?何か言った?」
「いや、何も言ってないよー」
私たちは教室へ戻ってきた。
ガラッ!
「お!帰ってきたー」
「葵!先生との話は終わったのー?」
「うん終わったよー!進路の話を色々と」
「そっかー!もう定まった感じ?」
「うん、だいぶね!」
「そっかー。葵はさすがだなー。私なんてまだまだ決まりそうにないよー。ね?優奈」
「私は、だいたい定まってきたよ」
「え!あ、そうなんだ」
「うん」
「どんな感じにしたのー?」
「決まってから言うね」
「そ、そっか、分かった」
なんか、優奈怒ってる?全然目合わせてくれないし。私なんかしたかなー。うーなんか気まずい。
「ちさとんは迷い中か~」
「うん、そうなのよねー」
「千郷は、責任感強いから学校の先生とかも良いよねー」
「学校の先生かー」
「裕斗くん、ちさとんのことよく見てるもんね~」
「桜庭さん、なんかその言い方悪意を感じるんだが」
「え!全然そんなつもりじゃないよー!」
思わず優奈の方を見てしまった。なんか、やっぱり機嫌が悪い気がする。
「優奈~。一緒にお昼買いに行かない?」
「あ、良い」
優奈が言い終わる前に裕斗が話に割り込んできた。
「あ、俺も一緒に行っていい?」
「私はいいや。行ってらっしゃい」
うわ、裕斗タイミングわるっ!さらに不機嫌になっちゃったよ。どうしよ。
「ゆ、優奈も一緒に行こーよー!」
「え、いや私は今日あんまりお腹空いてないし」
「良いじゃん!一緒に付いてきてよ」
「はあ、分かった」
強引に誘ってしまった。怒ってるよね。チラッ。優奈の方を見る。あれ?意外と怒ってない?かな?良かった。
「千郷はいつもの焼きそばパン?」
「あ、うん」
「成田さんは?」
「私は千郷に付いてきただけだから大丈夫」
「そう?じゃあ俺も今日は焼きそばパンにしようかな」
「じゃ、私トイレ寄るから先行くね」
「え、わ、分かった……」
どうしよー。なんであんなに怒ってるのかな。あんな感じの優奈初めてだから、何をどうしたら良いのか全然分かんない。
「成田さん、何か怒っちゃったのかな?」
「いや、今日はなんか疲れてるんじゃない?」
「そっか」
「じゃあさ、天気も良いし、屋上行かない?」
「え、でも」
言いかけたところで裕斗に手を引っ張られて、屋上へと連れ出される。
「やっぱり天気が良い日は外で食べないとねー!」
「ははっ!気持ち良いねー」
「うん!良かった」
「え?何が?」
「いや、さっきちょっと暗い顔してたからさ」
「全然大丈夫だよ!」
「なら良いんだけどさ~」
「お昼食べますか」
「うん!」
優奈、私のこと嫌いになっちゃったのかな。岬の方でもこんな感じの態度取られたら私、辛すぎるよー。何が原因なんだろう。
あー考えれば考えるほど頭おかしくなりそー!
「千郷、千郷~!」
「わっ!ごめん!ぼーっとしてた!」
「大丈夫?熱でもあるんじゃ」
急に額に手を当てられる。思わず身体を後ろへとのけぞってしまった。
「ちょっ、え?うわーーっ!?」
「危ない!」
スッ。
「大丈夫?!」
「ご、ごめん大丈夫!」
裕斗に抱き寄せられて、なんとか頭を打たないで済んだ。
「俺が急に触れたりしたからだよね、ごめんね」
「いや、ちょっとびっくりして、こちらこそごめん、ありがとう」
「あのさ、千郷は俺に触れられるの嫌?」
「え、いやそういう訳では……」
「ごめん!急に変なこと聞いて!よし、そろそろ教室戻ろっか!」
「そ、そうだね!」
うわー絶対顔赤くなってたんだけど、、。めっちゃ恥ずいー。裕斗に絶対変なふうに思われたよね。最悪。
「お!お2人さん!次、移動教室だよ!早くしないとー!」
「わ!そっか!そうだった!ありがと茜!」
「うん!ほら2人とも、走るよー!」
なんか、裕斗ともちょっと気まずいなー。何も解決してないのに明日からはあっちの人生かー。不安すぎるー。事件の件もあるし、問題ばかりだなー。
「あれ?あの人?やっばっ!ちょーイケメンじゃん!」
「あれでめっちゃ紳士らしいよ!」
「え、もう王子様じゃん~」
「きゃー!!(黄色い歓声)」
もう、アイドル状態である。裕斗も人が良いから、たまに人集りの方を見て、ニコッとしたりしている。その度にあの黄色い歓声が生まれる。最近、裕斗が疲れを感じたとき、私にサインで知らせてくる。私はそのサインに反応して、タイミング良く裕斗を教室から連れ出す。毎回私が教室から裕斗を連れ出す為、変な噂も立てられている。私と裕斗が付き合っているだのなんだの。全く困ったものだ。
「千郷、いつもありがとうね」
「良いの良いの~」
「申し訳ないなー」
「思ってないでしょ!」
「いや、思ってるよー!千郷には甘えっぱなしだなって」
「ほんと甘えすぎー!」
私は、なんて返せば良いのか分からず、そう言ってその場を不自然に離れてしまった。
「千郷?どうしたの?」
「いや、別に何でもないよー!そろそろ教室落ち着いたんじゃない?」
「そうだね。もうちょっと2人でいたかったけど(小声)」
「ん?何か言った?」
「いや、何も言ってないよー」
私たちは教室へ戻ってきた。
ガラッ!
「お!帰ってきたー」
「葵!先生との話は終わったのー?」
「うん終わったよー!進路の話を色々と」
「そっかー!もう定まった感じ?」
「うん、だいぶね!」
「そっかー。葵はさすがだなー。私なんてまだまだ決まりそうにないよー。ね?優奈」
「私は、だいたい定まってきたよ」
「え!あ、そうなんだ」
「うん」
「どんな感じにしたのー?」
「決まってから言うね」
「そ、そっか、分かった」
なんか、優奈怒ってる?全然目合わせてくれないし。私なんかしたかなー。うーなんか気まずい。
「ちさとんは迷い中か~」
「うん、そうなのよねー」
「千郷は、責任感強いから学校の先生とかも良いよねー」
「学校の先生かー」
「裕斗くん、ちさとんのことよく見てるもんね~」
「桜庭さん、なんかその言い方悪意を感じるんだが」
「え!全然そんなつもりじゃないよー!」
思わず優奈の方を見てしまった。なんか、やっぱり機嫌が悪い気がする。
「優奈~。一緒にお昼買いに行かない?」
「あ、良い」
優奈が言い終わる前に裕斗が話に割り込んできた。
「あ、俺も一緒に行っていい?」
「私はいいや。行ってらっしゃい」
うわ、裕斗タイミングわるっ!さらに不機嫌になっちゃったよ。どうしよ。
「ゆ、優奈も一緒に行こーよー!」
「え、いや私は今日あんまりお腹空いてないし」
「良いじゃん!一緒に付いてきてよ」
「はあ、分かった」
強引に誘ってしまった。怒ってるよね。チラッ。優奈の方を見る。あれ?意外と怒ってない?かな?良かった。
「千郷はいつもの焼きそばパン?」
「あ、うん」
「成田さんは?」
「私は千郷に付いてきただけだから大丈夫」
「そう?じゃあ俺も今日は焼きそばパンにしようかな」
「じゃ、私トイレ寄るから先行くね」
「え、わ、分かった……」
どうしよー。なんであんなに怒ってるのかな。あんな感じの優奈初めてだから、何をどうしたら良いのか全然分かんない。
「成田さん、何か怒っちゃったのかな?」
「いや、今日はなんか疲れてるんじゃない?」
「そっか」
「じゃあさ、天気も良いし、屋上行かない?」
「え、でも」
言いかけたところで裕斗に手を引っ張られて、屋上へと連れ出される。
「やっぱり天気が良い日は外で食べないとねー!」
「ははっ!気持ち良いねー」
「うん!良かった」
「え?何が?」
「いや、さっきちょっと暗い顔してたからさ」
「全然大丈夫だよ!」
「なら良いんだけどさ~」
「お昼食べますか」
「うん!」
優奈、私のこと嫌いになっちゃったのかな。岬の方でもこんな感じの態度取られたら私、辛すぎるよー。何が原因なんだろう。
あー考えれば考えるほど頭おかしくなりそー!
「千郷、千郷~!」
「わっ!ごめん!ぼーっとしてた!」
「大丈夫?熱でもあるんじゃ」
急に額に手を当てられる。思わず身体を後ろへとのけぞってしまった。
「ちょっ、え?うわーーっ!?」
「危ない!」
スッ。
「大丈夫?!」
「ご、ごめん大丈夫!」
裕斗に抱き寄せられて、なんとか頭を打たないで済んだ。
「俺が急に触れたりしたからだよね、ごめんね」
「いや、ちょっとびっくりして、こちらこそごめん、ありがとう」
「あのさ、千郷は俺に触れられるの嫌?」
「え、いやそういう訳では……」
「ごめん!急に変なこと聞いて!よし、そろそろ教室戻ろっか!」
「そ、そうだね!」
うわー絶対顔赤くなってたんだけど、、。めっちゃ恥ずいー。裕斗に絶対変なふうに思われたよね。最悪。
「お!お2人さん!次、移動教室だよ!早くしないとー!」
「わ!そっか!そうだった!ありがと茜!」
「うん!ほら2人とも、走るよー!」
なんか、裕斗ともちょっと気まずいなー。何も解決してないのに明日からはあっちの人生かー。不安すぎるー。事件の件もあるし、問題ばかりだなー。
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