博学英才の【太子】と、【日御子】の超常能力を受け継いだ【刀自古姫御子】

第５章 【豊日大王】が、世間では沈静化しつつあった【疾疫】に罹り崩御される！！

〔５８〕消えた女官の家族が住んでいたと思われる【竪穴式住居】が火事となり、住人は皆焼け死んだ、と思われる！？

　　【刀自古姫】と舎人達は【王宮】の【女官人別帳】を調べ、親元の在所である、都の郊外北西部の村に出かけた。

「この村に、あの失踪した女官の家族が住んでいるはずです。」

「皆は手分けして、女官の家族の情報を集めて来なさい！」


　　しばらくして、舎人の一人が戻ってきた。

「【姫君】に、ご報告申し上げます。」

「【王宮】に出仕していた女官の家族が住んでいた、という住居は、先日、火事となり住人は皆焼け死んだ、とのことです。」


更に、舎人の一人が戻って来て、報告した。

「焼け死んだ、家族の遺骸は、村の【無縁墓地】に埋葬されているそうです。」


３人目の舎人も、報告した。

「【王宮】に出仕していた女官本人も、事故死したとかで、火事の翌日、家族と一緒に埋葬されたそうです。」

「詳細はこの村の村長ムラオサから聞いて下さい。」

「二人の舎人仲間が村長をお連れする手筈テハズとなっております。」


　　暫時ザンジ経過後、二人の舎人が村長を【姫】の前に連れて来た。

「こちらにおわす御方は、都の【蘇我大臣】の御令嬢にて【刀自古姫御子】であらせられる。」


「そなたがこの村の村長であるか？」


「ハハハーッ」

と、村長は地面に額をこすりつけて土下座した。