博学英才の【太子】と、【日御子】の超常能力を受け継いだ【刀自古姫御子】

第１章 【日御子（卑弥呼）】の直系女人【刀自古姫】の誕生！！

〔７〕【蘇我氏】、独力で最新鋭の【大規模製鉄所】を建造す！

　　【蘇我家】は朝鮮人等の大陸からの外来人で、手に職のある技術者を多数抱えていた。

特に、製鉄技術者は高禄で、召し抱えられていた。


　　３世紀の【日御子】の時代、始めて、小規模製鉄所が、倭国内各所に多数築造されて来た。

その時代の製鉄は、既成の鉄釜、鉄剣等を容融させて、鋼鉄剣や他の鉄製品に造り変えるもので、それでも、【製鉄】は【日御子】の絶大な権力基盤となっていた。

その時代から、３００年の時を経て、鉄鉱石や砂鉄から、純鉄を精製出来る大規模溶鉱炉を兼ね備えた【製鉄所】が【蘇我氏】の手によって造られたのである。

この【製鉄】により、【蘇我氏】は莫大なる財力を手にして、飛鳥時代の急速な発展の原動力となったのである。


　　本来なら、一氏族がこのような莫大な財力を手にすると、大王家は勿論、他の氏族までもが疑心暗鬼の目を向けてくるものである。

【馬子】はそれを見越して、利益の一部を毎年、国家に奉納することで、反発が起きないよう、機先を制したのである。


　　元々、【馬子】は、国力を高めるためには、各氏族が【税】を国家に納めるべき、という進歩的革新的な持論を持っていた。

しかし、【御前】で、それを提起しようものなら、全氏族の反発を受けかねない、というのはわかっていた。

その結果、【蘇我本宗家】が孤立するのは、火を見るよりも明らかだった。