博学英才の【太子】と、【日御子】の超常能力を受け継いだ【刀自古姫御子】

第１章 【日御子（卑弥呼）】の直系女人【刀自古姫】の誕生！！

〔２〕【馬子】の正室【鎌姫】は【物部本宗家】の嫡流嫡女であり、本宗家に強大な発言力を有していた！

　　本来、【物部氏】は饒速日尊ニギハヤヒノミコトを始祖とし、祖神は布留大神である。

それを祀る神社は【石上イソノカミ神宮】であり、その斉宮司は【物部氏】の一族の子女が代々務めているのである。

つまり、【物部氏】は昔から【大王家】に次いで、強大な権力を有していたのであり、永年、軍事と祭祀を一手に握って来たのである。


　　ところが，６世紀になって 【蘇我氏】が配下に先進技術を持った外来人を多数抱えるに及んで、急激に台頭して来て、ついには【物部大連】に並び立つ【蘇我大臣】として、拮抗するようになった。

中でも、３００年前の【日御子】の時代からの念願であった、鉄鉱石や砂鉄から、純度の高い【鉄】を生産出来る【大規模製鉄所】を築造するに及んで、【蘇我氏】は莫大な富を手中にするようになり、国家も大いに潤って来た。


　　しかしながら、【物部氏】にとっては、『両雄並び立たず』で、権力闘争が勃発した。

この頃、宮中に出仕していた【鎌姫】は【物部】対【蘇我】の対立を苦々しく思っていた。

・・・男共の権力闘争なんて、百害有って一利なしだわ！・・・

・・・宮中の【馬子殿】にしても、どこから視ても清廉潔白としか思えない！・・・

・・・ここは一つ、私が一肌脱いで、両家の橋渡しをしなければ・・・

・・・両親に、この縁談をお願いしても、怒って、怒鳴られるに如かず！・・・

・・・そうだわ！！王后陛下にお願いして、『鶴の一声』で有無を言わさず、【勅命】よ！！・・・