倭国女王・日御子の波乱万丈の生涯

第２０章 【第２次タニハの戦い】において【ヤマト軍団】と【タニハ軍】が【クヌ国軍】に大敗す！！

〔２５８〕軍事国家【クヌ国】の【ヒミヒコ国王】の更なる野心！

　　【クヌ国】の【キクチヒコ大将軍】の【ヤマト軍団】を壊滅させた大勝利の噂は、瞬く間に、濃尾平野一帯から、東海地方にまで広まっていった。



　　元々、【クヌ国】は濃尾平野に点在した数十の弱小国家の一つでしかなかったが、【ヒミヒコ国王】の祖父の代から、民政用国費を犠牲に、【軍備拡大】に努め、年々【領土】を拡張させ続けた【軍事国家】である。


本来なら、国力の遥かに勝る【タニハ国】の方が、【クヌ国】に敗れるはずはなかったのである。

国土の広さは１０数倍、人口にしても、【タニハ国】は【クヌ国】の数倍以上はあるが、唯一【軍事力】だけは敵わなかった。

仮に、【タニハ国】が【倭国】の構成国でなかった、としたら、とっくに滅亡していたことであろう！

古今東西の歴史において、軍事力に秀でた発展途上の小国が、先進大国を討ち滅ぼした事例は、枚挙に暇イトマがない程てあった。



　　【第２次タニハの戦い】から半年後、【ヒミヒコ国王】は【キクチヒコ大将軍】を呼び出して、下命した。
「先の【タニハの戦い】から、身体を休めているところ、誠に心苦しい限りではあるが、東方の【東海地方】遠征に出達せよ！」


「何の！【陛下】の御下命とあらば、喜んで、出征いたしまする！」