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  第9章 二種の神器【御神鏡】と【御神剣】

 〔110〕【アキ王家】のお家騒動・身内の謀叛!≪7≫

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  あまりの苦衷に堪えきれず、ミカは祈念を断念して、叫んだ!

義母上ハハウエ!」
「毒です!」
「毒に阻まれて、祈祷の集中力が途切れます!」


マリン妃も、

「そうです!」
「おそらく、毎日極微量の毒が盛られ、薄く広く、兄上の体全体に広がっています!」
「もう、これで、黒幕は叔父上で決まりです!」


「犯人の詮索よりも、今は兄上の【解毒】を優先すべきでしょう。」
「病状回復の祈祷を中断し、只今から【解毒】の祈祷に切り替えます!」
「では、皆様方、これより【解毒】に専心して、黙祷を始めましょう!」



  再び、シーンと静まり返って、暫時経過後、三面の【御神鏡】から、柔和で清浄な【御神光】が国王の身体全てをくまなく照射した。


すると、国王の身体から、黒い霧のような、湯気が立ち昇った。


その黒い霧のようなものが出尽くすや否や、青白かった顔までもが、ほんのりと暖色を帯び、生気がヨミガエって来た。


カリン妃も安堵の表情で述べた。

「もう大丈夫でしょう。」
「これにて、兄王陛下の解毒・症状回復の祈祷を終了させて頂きます。」
「皆様方、御苦労様でした。」


ナツミ妃は嬉し涙を流しながら、

「カリン殿、マリン殿、そして姫君方、此度コタビは誠にありがとうございまする!」

その涙の一滴ヒトシズクが陛下の頬に落ち、国王は覚醒し、眼を開いた。

「おォーッ!」
「王妃に、カンナ姫!」
「その上、カリン妃に、マリン妃、その姫君方!」
「遠路はるばる、よー参られた!」


この場の最年少のカンナ姫も、涙ぐみながらも、訴えた。

「父上!」
「カンナもね、父上が、【黄泉の国】に連れて行かれないよう、一生懸命にお祈りしましたのよ、!」


「そうか!」
「【黄泉の国】の門をくぐろうとした時、姫の『かないでーッ』という声に引き戻されたんだったね!」
「ありがとうね!」
「それにしても,何故か、おナカいたなァーッ!?」


「すぐに、夕餉の仕度をさせますね!」

とは、ナツミ妃。


「待ちゃ!!」

と、いう大声が、部屋中に響いた!

王太后の声である!


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