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  第9章 二種の神器【御神鏡】と【御神剣】

 〔109〕【アキ王家】のお家騒動・身内の謀叛!≪6≫

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  一行が【アキ王家の館】に向かって、出発し出した頃、丞相はハヤテに、

「確たる証拠を持参して、必ず、|【王家の館】に参ります。」


「いいでしょう。」
「できる限り、早くお願いします。」

ハヤテは【カムイ親衛隊長】に何やら耳打ちした。

カムイ隊長は2人の部下に、密かに丞相の後を尾行せしめ、自らは10人の部下を引き連れて、港に戻って行った。



  ハヤテ達一行が【王家の館】に到着するのを待ちかねていたかのように、【カムラ王太后】【ナツミ王妃】【カンナ王女】がソロって出迎えた。


【王太后】は本家王室の【ハヤテ王太子】【カリン王妃】【ミカ姫】【ユリ姫】、キビ王家の【マリン王妃】【キララ姫】の6人を【国王寝所】に招き入れた。


ハヤテは一同を代表して、見舞いの挨拶をした後、ミカ姫に何やら耳打ちをして、退出して行った。


やつれて、オトロえた国王の姿を見て、カリン妃は、

「兄上、早く目覚めて下さい!」
「あの颯爽サッソウとした、凛々リリしい兄上はどこに行かれたのですか!?」


また、マリン妃も、
「兄上!いつまて寝ているのですか?」
「【鷹の爪の鬼姫】が帰って来ましたよ!」


ナツミ王妃は悲嘆の面もちで、症状説明をした。

「陛下は二十日前に、お倒れになり、眠ったように意識を喪失されました。」
「そして、日毎に意識の回復・喪失の繰り返しで、食事もカユに味噌汁だけで、それも徐々に摂取量が減っていきました。」


カリン妃も、沈痛な表情で応じた。

「【日輪の女神】によると、このまま推移すれば、明後日には逝去されるようです。」
「されど、そうはさせません!」
「母上!」
「神殿から【御神鏡】を持って来させて下さい。」
「マリン妃も持参した【キビ王家の御神鏡】を出して下さい。」
「【本家の御神鏡】はここに、用意してあります。」

「では、病床にある兄上の周りを取り囲むように座り直します。」
「枕元に、【母上】がお座り下さい。」、
「次に、兄上の右手側に【マリン妃】左手側に【私】が座します。」

その時に、【ナツミ王妃】が神殿から【御神鏡】を手にして戻って来て、カリン妃の指示で【王太后】の右隣に座し、【御神鏡】を【王太后】に手渡した。
【ナツミ妃】の右隣に【カンナ王女】が座し、【マリン妃】の右隣に【キララ姫】が座し、【カリン妃】の右隣に
【ミカ姫】その右隣に【ユリ姫】が座した。



  【カリン妃】は、オゴソかに、始めた。

「まず、3面の【御神鏡】の鏡面を兄上に向けて下さい。」
「ここに集いし、我ら8名は畏れ多くも【日輪の女神】の貴き血を受け継ぐ【直系女人ニョニン】であります!」
「我ら8名は多かれ少なかれ【霊能力】が備わっております。」
「その【霊能力】をこの3面の【御神鏡】が、十数倍にしてくれます。」
「但し、余計なことを考えると、効果は薄れます。」
「集中して、陛下の症状回復のみ、心の中で祈って下さい!」
「では、始めます!!」



  あたりはシーンと静まり返り、シバラく、経過した。


その内、比較的、霊能力の強い【カリン妃】【マリン妃】【ミカ姫】の表情が曇り出し、苦悶の表情と化した!

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