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第9章 二種の神器【御神鏡】と【御神剣】
〔107〕【アキ王家】のお家騒動・身内の謀叛!≪4≫
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「母上!」
「【鷹の爪】が裏切ったにしろ、【謀叛の首謀者】は誰なのか、その規模はどの程度か、一切分かっていません。」
「この際、【御神鏡】で【王太后】様に、連絡してみては如何でしょうか?」
「そうですね!」
「それで、はっきりするでしょう!」
カリン妃は息子の提案に従い、手荷物から【御神鏡】を取り出した。
「母上!」
「こちらはカリンです。」
「聞こえまするか?」
「はい、大変よく聞こえますよ!」
「今、港の波止場にいるのですが、出迎えの者が誰一人として、来ていないのですが?・・・」
「それは妙ですね?」
「義弟のハリム殿が既に出迎えに行っているはずですが!?・・・」
「ハリムの叔父上どころか、身内の【鷹の爪】に襲われました!?」
「エエーッ!?何としたことじゃ!!」
「【鷹の爪】の指揮官は、確か、義弟の息子のはず!?」
「して、死人やケガ人はいかほど出た!?」
「幸いにも、本家の【御神剣】のお陰で、助かりました。」
この時、偵察に出ていたミカ姫が走り込んで来て、
「殿下!」
「敵陣から、白旗を掲げた一団が、やって来ます。」
「殿下の【御神剣】に恐れをなして、降伏しに来たのでは?」
「どーれ!?」
「見てみよう!」
「ややッ!」
「あれは【ハリム丞相(宰相の古称)】ではないか!?」
ハヤテの声を耳にしたカリン妃は、
「母上! 今、ハリムの叔父上が現れた故、これにて【御神鏡通信】を切り上げまする。」
「では、後ほど、【王家の館】にて!」
ハリム丞相(宰相)と3名の随員及び3名の若者達は波止場に着くや否や、丞相は3名の若者を前に引きずり出し、土下座をさせて、
「これはこれは、御本家の王妃陛下、王太子殿下に姫君、キビ王家の王妃陛下、その姫君、おケガが無くて何よりです!」
「此奴らは【鷹の爪】の指揮官共で、特に此奴は不肖私の倅で、【敵ツモ国】の先鋒隊が、港に上陸したとの偽情報に踊らされたる間抜け共でござる。」
「尚且つ、皆様方に、弓矢を向けて、射てしまったる不忠、万死に値しますれば、何とぞ、首を跳ねて下さりますようお願い申し上げまする!」
「併せて、監督不行き届きの罰で、私の首も差し上げまする!」
「【鷹の爪】が裏切ったにしろ、【謀叛の首謀者】は誰なのか、その規模はどの程度か、一切分かっていません。」
「この際、【御神鏡】で【王太后】様に、連絡してみては如何でしょうか?」
「そうですね!」
「それで、はっきりするでしょう!」
カリン妃は息子の提案に従い、手荷物から【御神鏡】を取り出した。
「母上!」
「こちらはカリンです。」
「聞こえまするか?」
「はい、大変よく聞こえますよ!」
「今、港の波止場にいるのですが、出迎えの者が誰一人として、来ていないのですが?・・・」
「それは妙ですね?」
「義弟のハリム殿が既に出迎えに行っているはずですが!?・・・」
「ハリムの叔父上どころか、身内の【鷹の爪】に襲われました!?」
「エエーッ!?何としたことじゃ!!」
「【鷹の爪】の指揮官は、確か、義弟の息子のはず!?」
「して、死人やケガ人はいかほど出た!?」
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この時、偵察に出ていたミカ姫が走り込んで来て、
「殿下!」
「敵陣から、白旗を掲げた一団が、やって来ます。」
「殿下の【御神剣】に恐れをなして、降伏しに来たのでは?」
「どーれ!?」
「見てみよう!」
「ややッ!」
「あれは【ハリム丞相(宰相の古称)】ではないか!?」
ハヤテの声を耳にしたカリン妃は、
「母上! 今、ハリムの叔父上が現れた故、これにて【御神鏡通信】を切り上げまする。」
「では、後ほど、【王家の館】にて!」
ハリム丞相(宰相)と3名の随員及び3名の若者達は波止場に着くや否や、丞相は3名の若者を前に引きずり出し、土下座をさせて、
「これはこれは、御本家の王妃陛下、王太子殿下に姫君、キビ王家の王妃陛下、その姫君、おケガが無くて何よりです!」
「此奴らは【鷹の爪】の指揮官共で、特に此奴は不肖私の倅で、【敵ツモ国】の先鋒隊が、港に上陸したとの偽情報に踊らされたる間抜け共でござる。」
「尚且つ、皆様方に、弓矢を向けて、射てしまったる不忠、万死に値しますれば、何とぞ、首を跳ねて下さりますようお願い申し上げまする!」
「併せて、監督不行き届きの罰で、私の首も差し上げまする!」
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