58 / 449
第7章 【王太子ハヤテ】が【ミカ】を同伴し、凱旋帰国!
〔58〕【ハヤテ】と【ミカ】の砂浜での、毎日の逢瀬!
しおりを挟む
韓半島南東部の【倭国商館】近くの砂浜に、夕方になるとミカがやって来て、南東の水平線の彼方を眺めていた。
この砂浜に漂着して以来、かれこれ2年余が経過していた。
難破する船に乗る前までの、あやふやだった記憶も、今では鮮明に蘇っていた。
しかしながら、乗船直前からここに漂着するまでの記憶が、すっかり消失していた。
思いだそうとすると、頭痛がして、今日に至っているのである。
倭国人の両親の下で、漢国の天津生まれの天津育ちであったので、倭国語は勿論漢国語まで、流暢に喋っていたのである。
しかも、この2年間で、朝鮮語を完璧に習得していた。
朝鮮語はハヤテから教わり、逆にハヤテはミカから漢国語を教わると、いうように、2人はほとんど毎日、特に約束した訳ではないが、どちらからともかく、この砂浜で逢瀬を重ねるようになったのである。
ミカの年齢は、【記憶喪失期間】の長短によって、やや不明ではあるが、清楚な気品と清々しい色気漂う女人であり、14~15歳位と思われる。
その上、相当な博識で、【打てば響く】というか、【一を聞いて、十を知る】が如く、
ハヤテの【稚拙な説明】にも、その本質を素早く理解した。
この砂浜に漂着して以来、かれこれ2年余が経過していた。
難破する船に乗る前までの、あやふやだった記憶も、今では鮮明に蘇っていた。
しかしながら、乗船直前からここに漂着するまでの記憶が、すっかり消失していた。
思いだそうとすると、頭痛がして、今日に至っているのである。
倭国人の両親の下で、漢国の天津生まれの天津育ちであったので、倭国語は勿論漢国語まで、流暢に喋っていたのである。
しかも、この2年間で、朝鮮語を完璧に習得していた。
朝鮮語はハヤテから教わり、逆にハヤテはミカから漢国語を教わると、いうように、2人はほとんど毎日、特に約束した訳ではないが、どちらからともかく、この砂浜で逢瀬を重ねるようになったのである。
ミカの年齢は、【記憶喪失期間】の長短によって、やや不明ではあるが、清楚な気品と清々しい色気漂う女人であり、14~15歳位と思われる。
その上、相当な博識で、【打てば響く】というか、【一を聞いて、十を知る】が如く、
ハヤテの【稚拙な説明】にも、その本質を素早く理解した。
0
お気に入りに追加
228
あなたにおすすめの小説
信忠 ~“奇妙”と呼ばれた男~
佐倉伸哉
歴史・時代
その男は、幼名を“奇妙丸”という。人の名前につけるような単語ではないが、名付けた父親が父親だけに仕方がないと思われた。
父親の名前は、織田信長。その男の名は――織田信忠。
稀代の英邁を父に持ち、その父から『天下の儀も御与奪なさるべき旨』と認められた。しかし、彼は父と同じ日に命を落としてしまう。
明智勢が本能寺に殺到し、信忠は京から脱出する事も可能だった。それなのに、どうして彼はそれを選ばなかったのか? その決断の裏には、彼の辿って来た道が関係していた――。
◇この作品は『小説家になろう(https://ncode.syosetu.com/n9394ie/)』『カクヨム(https://kakuyomu.jp/works/16818093085367901420)』でも同時掲載しています◇
曹操桜【曹操孟徳の伝記 彼はなぜ天下を統一できなかったのか】
みらいつりびと
歴史・時代
赤壁の戦いには謎があります。
曹操軍は、周瑜率いる孫権軍の火攻めにより、大敗北を喫したとされています。
しかし、曹操はおろか、主な武将は誰も死んでいません。どうして?
これを解き明かす新釈三国志をめざして、筆を執りました。
曹操の徐州大虐殺、官渡の捕虜虐殺についても考察します。
劉備は流浪しつづけたのに、なぜ関羽と張飛は離れなかったのか。
呂布と孫堅はどちらの方が強かったのか。
荀彧、荀攸、陳宮、程昱、郭嘉、賈詡、司馬懿はどのような軍師だったのか。
そんな謎について考えながら描いた物語です。
主人公は曹操孟徳。全46話。
クロワッサン物語
コダーマ
歴史・時代
1683年、城塞都市ウィーンはオスマン帝国の大軍に包囲されていた。
第二次ウィーン包囲である。
戦況厳しいウィーンからは皇帝も逃げ出し、市壁の中には守備隊の兵士と市民軍、避難できなかった市民ら一万人弱が立て籠もった。
彼らをまとめ、指揮するウィーン防衛司令官、その名をシュターレンベルクという。
敵の数は三十万。
戦況は絶望的に想えるものの、シュターレンベルクには策があった。
ドナウ河の水運に恵まれたウィーンは、ドナウ艦隊を蔵している。
内陸に位置するオーストリア唯一の海軍だ。
彼らをウィーンの切り札とするのだ。
戦闘には参加させず、外界との唯一の道として、連絡も補給も彼等に依る。
そのうち、ウィーンには厳しい冬が訪れる。
オスマン帝国軍は野営には耐えられまい。
そんなシュターレンベルクの元に届いた報は『ドナウ艦隊の全滅』であった。
もはや、市壁の中にこもって救援を待つしかないウィーンだが、敵軍のシャーヒー砲は、連日、市に降り注いだ。
戦闘、策略、裏切り、絶望──。
シュターレンベルクはウィーンを守り抜けるのか。
第二次ウィーン包囲の二か月間を描いた歴史小説です。
北宮純 ~祖国無き戦士~
水城洋臣
歴史・時代
三国時代を統一によって終わらせた晋(西晋)は、八王の乱と呼ばれる内紛で内部から腐り、異民族である匈奴によって滅ぼされた。
そんな匈奴が漢王朝の正統後継を名乗って建国した漢(匈奴漢)もまた、僅か十年で崩壊の時を迎える。
そんな時代に、ただ戦場を駆けて死ぬ事を望みながらも、二つの王朝の滅亡を見届けた数奇な運命の将がいた。
その名は北宮純。
漢民族消滅の危機とまで言われた五胡十六国時代の始まりを告げる戦いを、そんな彼の視点から描く。
混血の守護神
篠崎流
歴史・時代
まだ歴史の記録すら曖昧な時代の日本に生まれた少女「円(まどか)」事故から偶然、大陸へ流される。
皇帝の不死の秘薬の実験体にされ、猛毒を飲まされ死にかけた彼女を救ったのは神様を自称する子供だった、交換条件で半不死者と成った彼女の、決して人の記録に残らない永久の物語。 一応世界史ベースですが完全に史実ではないです
新撰組のものがたり
琉莉派
歴史・時代
近藤・土方ら試衛館一門は、もともと尊王攘夷の志を胸に京へ上った。
ところが京の政治状況に巻き込まれ、翻弄され、いつしか尊王攘夷派から敵対視される立場に追いやられる。
近藤は弱気に陥り、何度も「新撰組をやめたい」とお上に申し出るが、聞き入れてもらえない――。
町田市小野路町の小島邸に残る近藤勇が出した手紙の数々には、一般に鬼の局長として知られる近藤の姿とは真逆の、弱々しい一面が克明にあらわれている。
近藤はずっと、新撰組を解散して多摩に帰りたいと思っていたのだ。
最新の歴史研究で明らかになった新撰組の実相を、真正面から描きます。
主人公は土方歳三。
彼の恋と戦いの日々がメインとなります。
要塞少女
水城洋臣
歴史・時代
蛮族に包囲され孤立した城を守り抜いた指揮官は、十四歳の少女であった。
三国時代を統一によって終わらせた西晋王朝の末期。
かつて南中と呼ばれた寧州で、蛮族の反乱によって孤立した州城。今は国中が内紛の只中にあり援軍も望めない。絶体絶命と思われた城を救ったのは、名将である父から兵法・武芸を学んだ弱冠十四歳の少女・李秀であった……。
かの『三國志』で、劉備たちが治めた蜀の地。そんな蜀漢が滅びた後、蜀がどんな歴史を辿ったのか。
東晋時代に編纂された史書『華陽國志』(巴蜀の地方史)に記された史実を元にした伝奇フィクションです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる