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  第5章 【タニハ王家】の【宝玉】 

 〔46〕タニハ王家の輝ける緑玉《エメラルド》【サヤカ王女】

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  【御所】を辞し、王家の広大な庭園を歩きながら、ヤマトは考えた。

・・・女子オナゴを一瞬にして、術にかけて我がものとなす、か!?・・・
・・・どこかで、聞いたことがあるぞ・・・
・・・帯方郡だったかな!?・・・
・・・えーと、何といってたかなァー!?・・・
・・・そうだ!確か【催眠術】とか、何とか!?・・・
・・・眼から眼へ、一瞬にして強烈な念波を送り込む、とか!?・・・

・・・キビトの野郎なら、『長年、その道の武勲では首位を独走して来たんだ』・・・
・・・『たまには首位を明け渡して、休憩していろ!』・・・
・・・とか、何とか、かすだろうが、冗談じゃない!・・・

・・・俺の道は正道であり、女子オナゴに【術】をかけるなど、彼奴キャツのは邪道だ・・・




  13年前、【タニハ王家の輝ける緑玉エメラルド】とタタえられ、ヤマトを含む、全国の多くの貴公子からの求婚を断り続けた【サヤカ姫】ではあったが、ヤマトの熱意たるや、スサまじいものがあった。


【筑紫】から【タニハ国】までの度重なる来訪・・・その内5回までも、船の難破や座礁にクジけることなく、会いに来たことに対し、少なからず心が動き始めていた。


そして、【運命の15回目】、【淡海の湖アフミノウミ(琵琶湖の古称)】で大嵐に遭遇し、6回目の難破で、泳いで、岸まで、辿タドり着いた。


知らせを受けた姫は、深夜の大雨に、ずぶ濡れになりながらも駆けつけた。


ヤマトは姫に出会うや、開口一番、

「姫に一目会えるなら、このまま死んでもいい・・・」

そのまま、いびきをかきながら、一昼夜眠りについた。


この時、姫は【王太子妃】になる決断をしたのであった。
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