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  第4章 【ヤマト軍団】と【タニハ王家】

 〔33〕ヤマト国王太子・ヤマト

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  ヤマト国王妃、つまり、ヤマトの母親は、懐妊の自覚症状がまだない頃、生前の【日輪の御子】(崩御・昇天して【日輪の女神】)に呼ばれ、

「この子は将来、イクサの天才となり、【新生倭国建国の最高功労者】となるであろう。」
ワラワが名付け親じゃ!」
「【ヤマト】と名乗らせよ!」


  ヤマトの両親は、この話をだれにもしていない。

『新生倭国建国までは絶対に死なない』と本人が知れば、どんなに無謀なこと、無茶なことをもしかねない。

死なないまでも、半身不随等の重傷を負うかもしれない、と考えたからだが、結果論からいえば同じことだ。


【予言】とは本来、そういうものであろう。


【予言者】が話すことによって、事態が悪化すると予知すれば、話さなければ、いいだけのこと。


逆に、『話さずにそのまま放置すれば、事態が悪化する』と予知したればこそ、【天壌無窮の神勅】という空前にして、絶後の【勅命】を、最後に下したのである。



  ヤマトの祖父や父親が【商団】のオサとして、【天孫族の国家樹立】に多大なる貢献をしてきたが、
ヤマトがオサになって以来、この【商団】は最強無敵の【移動軍事国家】たる【ヤマト軍団】として、
豊葦原瑞穂国トヨアシハラミズホノクニ(日本の古称)】の西半分【淡海の湖アフミノウミ(琵琶湖の古称)】以西の津々浦々にまで、
その威名が轟き渡っていった。

筑後川流域に、祖父と父王が樹立した【ヤマ国】までもが、いつしか【ヤマトの国】さらには【ヤマト国】と呼ばれるに至り、
遂には父王の英断で、正式に【ヤマト国】と改称したほどである。
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