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  第3章 【金官伽耶国《クムグァンガヤコク》】における【ミカ】と【ハヤテ】

 〔32〕年下の少女に剣の対戦で敗れた【王太子・ハヤテ】の衝撃

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  ミカとの対戦で、木剣を弾き飛ばされたハヤテの両手はシビれてしまった。

そして、前のめりになったハヤテの背中は軽く打ち据えられたのであった。


「ハイ、それまで!!」


前のめりになって、両手をついたハヤテには、師匠の声が無慈悲に脳裡に響き渡った。

人もウラヤむ【イト国王太子・ハヤテ】にとって、生来15年、初めての痛恨の【挫折】でもあった。

極めて当然の事ながら、自分よりも年少で、身長・体格で劣る女の子に【敗北】を喫したという事実!

しかも、その【女の子】は思春期のハヤテには、あまりにも目がクラむ程の清々しい絶世の美少女であるという事実!

つまり、現代風に云うと、【思春期における異性の存在価値】に、【人生史上初の衝撃的挫折】をミックス・ブレンドすると【片想いの初恋】となるのである!

この不完全燃焼の膨大なエネルギーは、ハヤテにして、毎日千本の【真剣による素振り】と【製鉄所の無遅刻・無欠勤】を帰国するまでの2年半に渡って、続行せしめたのである。




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  真剣の太刀は、剣道の竹刀よりも、遥かに重い。

剣道の経験者なら、わかると思いますが、竹刀を片手に持って、時代劇の剣のように自由自在に振り回すことは、まず不可能です。


その竹刀より、重い太刀を右手に、竹刀とほぼ同じ重さの小刀(江戸時代の【脇差し】より長い)を左手に持って戦った剣豪【宮本武蔵】!

その【武蔵】は『二刀流』を天下無敵の【神技】の域にまで高めた【二天一流】としました。


  【巌流島】での【佐々木小次郎】との決闘において、【武蔵】は【二天一流】を封印してまで、【船のカイ】を削った木剣で戦ったのはなぜでしょうか?

剣の腕が互角なら、【物干し竿】の異名を持つ長剣での、下段から上段への【燕返し】の剣速より、速くするには
ジャンプして落下する時のスピードが加速された上段からの振り下ろし、加えて【小次郎】の長剣よりも、やや長い木剣で万全の勝利を期したと云われております。

  長剣を除けば、まさに【ミカ】の【越女剣】そのものであります。
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