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  第3章 【金官伽耶国《クムグァンガヤコク》】における【ミカ】と【ハヤテ】

 〔29〕漢語と剣の師匠・リャンニャン

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  まさに、その刹那セツナ、空中で剣を防いでくれた女人ニョニンがいた。


「殿下、大丈夫ですか!?」

その女人ニョニンは【漢国人の商館員】であり、【ハヤテの漢語と剣の師匠のリャンニャン】であった。

いつもの稽古では、【地に足をつけて】剣技を教わっていたが、この少年とは空中で全部剣を交えていた。

そして、五度目の剣の打ち合いで、剣を弾き飛ばされた少年は、力尽きて気絶したまま、落下したように思われた。



リャンニャンは一回転して着地し、剣をサヤに納めて、


「殿下、おケガはありませんか?」


「ハイ、大丈夫です。」

「それにしても、スゴい男の子ですね!」


「男の子ではありません。」
「身なりは少年の格好をしていますが、【正統派越女剣】の流れをむ女の子です。」
「【越女剣】は空中で剣を交えるがゆえに、落下した時の【受け身】は必要不可欠です。」
「さりながら、この子は空中で気絶したまま、無意識下で【受け身】の態勢をっているのです。」
「実に、恐るべき、天性の素質と云えましょう。」


  
  そして、リャンニャンは自ら弾き飛ばした少女の剣を拾って来て、

「殿下、この剣をご覧下さい。」
「普通の鋼鉄剣より、やや短く、剣幅も剣厚も細く薄く、やや軽い。」
「それでいて、弾力があり、半月形にユガんでも、すぐに元通りになります。」
「それに、何よりも、この剣柄ケンツカに埋め込まれている紅玉ルビーは我が【正統派越女剣】の証でもあります。」
「今は、まだ未熟で修練不足ですが、天性の女流剣士としての資質はかなりのものがあります。」
「いかがでしょう?」
「私とは同門ですし、是非とも私の弟子にしたいのですが?」


「そういうことなら、是非弟子にしてあげてください!」
「その前に、風呂に入れて、食事の用意もお願いします。」
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