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第1章 古代イト国女王【日輪の御子】崩御・昇天して、【日輪の女神】となる!!
〔2〕本家イト国王位を譲位する
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物語は、この日食の30日前に、遡る。
王家の館の大広間にて、老婆の女王が上座に鎮座し、王家の一族五十余人を前に、年老いた老婆の外見とは似ても似つかず、矍鑠とした元気な声で熱弁をふるっていた。
「妾の命脈は残り30日である。」
「我が一族の行く末に関わる重大事について、言霊を残す。」
その場のざわめきが徐々に高まるのを制した男子が発言した。
「私は陛下の【空前絶後の超常霊能力】を、一瞬たりとも疑ったことはござりませぬが、そんなにお元気なのに、何故、天に召されるのでしようか?」
「キヨヒコか!?」
「鋭い点をつきよるのォー!」
「妾は齢百をとぉーに超えておる。」
「いくら頭と口が比較的達者でも、身体がいうことを聞いてくれぬ!」
「心の臓も徐々に弱まってもう限界なのじゃよ!」
「そうとは知らず、失礼なことを申しました。」
「かまわぬよ。」
「キヨヒコゃ・・・そなたは妾の曾孫であり、ここにいる王家の一族の最長老としても、イト国執政としても、期待以上の働きをしておる。」
「妾亡き後の本家の当主、次期イト国王位をそなたに任せる。」
「ハハーッ!」
「勅命、謹んでお受けいたします!」
キヨヒコは床に額を付けて拝命した。
この時代、国境などというものはなく、点在している集落が寄り集まって、国家を形成していた。
前世紀に栄華を誇っていた、隣国のナ国は凋落し、その支配下にあった多数の集落を傘下におさめたイト国は南は筑後川から、北は対馬に至るまで、その勢力圏を拡大していった。
王家の館の大広間にて、老婆の女王が上座に鎮座し、王家の一族五十余人を前に、年老いた老婆の外見とは似ても似つかず、矍鑠とした元気な声で熱弁をふるっていた。
「妾の命脈は残り30日である。」
「我が一族の行く末に関わる重大事について、言霊を残す。」
その場のざわめきが徐々に高まるのを制した男子が発言した。
「私は陛下の【空前絶後の超常霊能力】を、一瞬たりとも疑ったことはござりませぬが、そんなにお元気なのに、何故、天に召されるのでしようか?」
「キヨヒコか!?」
「鋭い点をつきよるのォー!」
「妾は齢百をとぉーに超えておる。」
「いくら頭と口が比較的達者でも、身体がいうことを聞いてくれぬ!」
「心の臓も徐々に弱まってもう限界なのじゃよ!」
「そうとは知らず、失礼なことを申しました。」
「かまわぬよ。」
「キヨヒコゃ・・・そなたは妾の曾孫であり、ここにいる王家の一族の最長老としても、イト国執政としても、期待以上の働きをしておる。」
「妾亡き後の本家の当主、次期イト国王位をそなたに任せる。」
「ハハーッ!」
「勅命、謹んでお受けいたします!」
キヨヒコは床に額を付けて拝命した。
この時代、国境などというものはなく、点在している集落が寄り集まって、国家を形成していた。
前世紀に栄華を誇っていた、隣国のナ国は凋落し、その支配下にあった多数の集落を傘下におさめたイト国は南は筑後川から、北は対馬に至るまで、その勢力圏を拡大していった。
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