モブなわたしの輝き方

凛ちゃん

文字の大きさ
上 下
4 / 15

早速ですが、大事件です、、、トホホ

しおりを挟む
 そう、わたし、、、の、クララの身体は、生まれながらの婚約者によって、奪われた。それも、長い時間をかけて。
それは、一瞬で奪われるよりも、尚一層、許し難く、人として、既に終わっていると言うか、クララの気持ちがわかる様に思うのだ。


物心ついた時には、既にわたくしには、このアーバン王国の王太子であると言う10歳年長の婚約者がいた。リチャード・キング・アーバン。
わたくしが物心ついた頃、それは彼にとっては、思春期真っ只中の頃である。
ひとは、育つ過程において形成される性格や思考回路に家庭環境がかなり影響するように思う。
それは、彼の場合も例外ではない。
彼の父である国王陛下は、歴代王の中でも賢王と名高く、慈悲と理性と正義の人であり、わたくしも幼少の頃より、とても尊敬している。
が、何故に?と、首を傾げたくなる程彼は愚かだった。
それは、恐らく彼の母である、ルンバ側妃に似てしまったのだと誰もが溜め息をつくほどだった。
彼の母、ルンバ側妃は、プードルール伯爵家の出身だ。政略結婚と言うよりは、この方の策略結婚だそうで。
毎年恒例の秋の狩猟大会の最終日の宴会で、畏れ多くも陛下に媚薬を盛って誘惑し、リチャード殿下を孕んだと言う方である。
故に、側妃にはなれたが、以降一度も陛下からのお召もお渡りもなく、8年前亡くなられた。
それも、、、子宮外妊娠。彼女は、宮廷医と懇ろだったと言う。
当然、この件が発覚後、男性器を切断され、爵位、土地財産の全てを返上させられ、一族郎党迄国外に追われた。所謂ルンバ事件。王家のセンセーショナルなスキャンダルだった。
それなのに、何故、彼は王太子のままかと言えば、只一人の男子に他ならぬから。と、言うか、、、
ルンバ側妃が、彼の弟達を、7人も、わたしと同じ薬でこの世から葬ったのだ。
故に、彼女の実家は、縁戚に至るまでギロチン台の露と消えた。
彼女が手に掛けた生命は100を超えるとすら言われている。稀代の悪女だ。
何時も、同じ薬を使う。
ヒ素。長い時をかけ、じっくり、ゆっくり殺すのだ。
とても、気の長い享楽殺人者。

わたくしのもとには、年若いハミーと言う17歳の侍女を我が公爵家に潜りこませ、10年と言う歳月を掛け、わたくしの生命を奪ったのだ。
彼は、知っていたのだ。
否、彼が強請ったのかも知れない。
白日の下に、総てを明らかにし、贖わせる。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

赤ずきんちゃんと狼獣人の甘々な初夜

真木
ファンタジー
純真な赤ずきんちゃんが狼獣人にみつかって、ぱくっと食べられちゃう、そんな甘々な初夜の物語。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方

ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。 注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。

処理中です...