モブなわたしの輝き方

凛ちゃん

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クララ・フォン・レイモンド公爵令嬢

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それが、現在のわたしだ。
わたしは、転生するどころか、死にゆくひとに魂だけ乗り移った様だ。
正確には、彼女本人によって、召喚された様だけど。
わたしには、わからない。
何が?
毎日少しずつ毒を盛られ続ける現実の中で、他人の魂に身体を譲っても生きていたい、理由なんて、、


それは、貴女!
悔しくて許せない!忸怩じくじたる思いを抱えているからに決まっていますわ!
わたくしは、必ずその者に報復を、そうわたくしが苦しんだ10倍いいえ!1000倍の苦しみを与えるのです!


え、、、
それ、やるのは、わたしってことですよね?
わたし、自慢じゃないですが、ヘタレですよ?
それに、モブでしたし、、!


貴女ねえ、!
わたくしを誰だと思っていますの?
クララ・フォン・レイモンド。このアーバン王国の、名門中の名門レイモンド公爵家の令嬢にして、この国の王太子であるリチャード・キング・アーバン殿下の生まれながらの婚約者ですのよ!


えっ!!
婚約者迄いはりますの?何故か、意味不明の京都弁になったやないの!いややわあ!いけず!
あ!もしかして、死んでも死に切れない程その殿下とやらに執着してはるんですか?いややわあ!


当たり前です!!
わたくしを、好きな女が出来たなどと言うくだらない理由で殺した、低脳で残忍なあの鬼畜野郎に報復をせずに、わたくしの安眠はあり得ません!
彼女の唇が震えた。
そうして、片方の瞳から涙が一筋零れた。
わたしは、黙って彼女を抱きしめた。
正確には、彼女と言う魂が具現化した時に見せる幻影を、、

わたしの、キャラじゃないのに。
そんな、復讐とか復讐とか復讐とか、報復とか?
でも、幸せになりなさいと初めて会った時言ってくれた言葉は嘘ではないと思う。本気で今度は幸せを、それは自分の幸せを願いながら、割り切れない、割り切れる筈のない憎しみや怒りにやり場無い思いを抱えているのだ。
理屈や、善悪、是非では、ないのだ。
ああ、わたしは、もう、彼女なのだ。言葉ではなく、解ってしまうのだ。



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