忘れた

凛ちゃん

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ニライカナイ。
厳密に言えば、民俗学では、「あの世」を指す。
しかし、あの世が何処にあるかと言う問いの答えには、垂直思考と水平思考があり、後者にあたる。
前者は、高天ヶ原降臨説、所謂、天孫降臨説の事である。
神は、天から降りていらした。
天は、空の彼方にある。
つまり、あの世は、空の彼方にあると考える。
後者は、海の涯にこそ、あの世はあると言う考え。沖縄、奄美地方に伝わる。

母は、小学6年生を最後に、この島を訪れる事はなくなったと言う。
この島の別荘を手放したのは、母が、大好きで毎年夏休みを過ごす場所だったので、曾祖父が母の為に残していたそうだが、母がそれ以降二度と訪れないのだと
確信した時、だったのだろう。
祖父は、幼い母をおぶい、よく遠泳したのだそうだ。
きっと、母は、その思い出を辿っていたのかも知れない。
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