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フォーエバーフォールインラブ
コトの始まり②
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◆◆◆
吉岡に突き放されたのは久し振りだった。
そしてそれは自分でも意外なほどに、胸にズシンと響いている。
朱美は呆然としながら、次の目的地に向かっていた。考え事をしながら過ごす時間はあっという間で、地下鉄に乗ったはずなのに、それはワープをしたように一瞬の出来事に感じられた。時間よりも早くきたはずなのに、目的地には既に待ち合わせ相手が到着していた。彼は帽子に黒いマスクを装着する出で立ちで 大荷物を抱えている。長身とその防備の下に見え隠れするイケメンオーラと相まって、逆に街では目立つ存在になっていた。
「神宮寺先生、ご無沙汰してます 」
「中野さん、すみません、遅れて 」
「いえ、まだ待ち合わせの時間になってないですから。あの、先日連絡がきまして。恋リセの豊役に自分が決まったって。先生と吉岡さんが推してくれたって聞いて、めっちゃ嬉しかったです 」
「いえいえ。私たちの意見は、全然大した影響力もないんですけどね。でも中野さんのお芝居は私たちの豊のイメージにピッタリだったんで、決まったときいて嬉しかったです 」
「先生の期待に沿えるように頑張ります。大事なキャラクターを託してもらって感謝です。本当、代表作にする勢いで頑張るんで 」
中野は変装の下からニコリと笑みを浮かべると、こっちですと案内をしながら道を歩きだした。
朱美は 先日ひょんなことで連絡先を交換した中野葵と、食事に行く約束をしていた。 プライベートかつ完徹同盟ではない人間、そして珍しいことに男性と待ち合わせとは 漫画の連載を持つようになってからは滅多にないことだった。
「この辺りには、よく来るんですか? 」
「いえ、すごく久しぶりに来ました。けっこう街並みが変わってるんですね 」
朱美は物珍しそうに、今回の待ち合わせ場所の神楽坂の街並みを眺めながら歩いていた。
そういえば吉岡も学生時代からこの辺りの共同アパートに住んでいると言ってたっけ。寝に帰るだけだから十分だとは言っていたけど、そうさせてるのは私のせいか……
中野は暫く歩いたところにある、落ち着いた雰囲気の店に朱美を案内した。そこは普段ならば絶対に足を踏み入れないような佇まいで、店内は間接照明で薄暗い。店員は中野の顔を見るなり奥にある半個室に二人を通した。
「飲み物は、何を頼みますか? 」
「えっと、梅酒を水割りで…… 」
「わかりました。お勧めをアラカルトで頼んじゃっていいですか? 何か苦手なものとかは? 」
「いえ。特には 」
中野は常連なのか、お品書きをあまり見ることなく、適当に注文を始めた。そのチョイスは料理名を聞いただけでワクワクするような、創作料理ばかりだった。
「実は今日ご連絡したのは、先生に絵を見ていただきたくて持ってきたんです 」
「ああ、あのときの? 」
「ええ…… 」
中野はそう答えると、大きな荷物から風呂敷に包まれた紙を取り出し、朱美に手渡した。そこには地球を成層圏の横から見たような、不思議な空間が描かれていた。
「素敵ですね…… 」
朱美は静かにその絵を眺めた。
そこには海とも空にも見える、青の世界が広がっていた。そしてこの絵を送りたい相手は、彼にとても愛されていると感じた。
「あのアドバイスとか…… よかったら…… 」
「そんな、アドバイスなんて。今のまま渡すのが、きっと一番思いは伝わりますよ 」
「もう少し経験を重ねて上手くなったら、絵を贈りたいとは考えてるんですけどね。なかなか決心が固まらなくて 」
「……大切な人なんですね 」
「ええ…… 大切…… そうですね。どちらかと言うと、同士みたいな感じです 」
「同士? 」
朱美は顔を上げて、中野を見た。
同士……という単語が、いまの自分には何だかとてもズシリと感じたのだ。
「彼女とは、同じ養成所の出身なんです。自分は何とか声の仕事で食えるようになったんですけど、彼女は これからってときに耳の病気を患って。日常生活は何とかなるみたいなんですけど、自分の声が正常に聞こえないみたいなんですよね。声優は 周りの演技と自分の呼吸を合わせて 演技をするんです。だからどうしても 音がきちんと聞き取れないと、演技がとても難しくなってくる。経験の浅い彼女は、まだその領域には達してなかったみたいで 」
「そうですか。それは辛いでしょうね 」
「辛いと思います。彼女は唯一無二の役者ですから。自分よりも才能があるし、何にでもなれる魔法使いのようだった。今は事務所の裏方をしてるんですけど、やっぱり耳が本調子じゃないから、大変なことも沢山あるみたいで 」
中野はニコニコしているように見えた。だけどその奥には彼女の才能を邪魔する障害物に対しての悔しい気持ちが混在しているのが、朱美には手に取るように感じられた。
「だから絵を描こうと? 」
「新しいことを始める…… その感覚が自分にはよくわからなかったんです。自分は声優の仕事はやりたくて好きで始めたことだから。
でも、そうじゃないことを始めたり、新しいことにチャレンジせざるを得ない心境が分からないのは嫌だった。 彼女の気持ちに寄り添えないのが悔しかったんです 」
「絵を描いてみた感想は……? 」
「……思ってたより面白かったです。彼女の苦労も少しはわかった気がしますし 」
中野はそう言うと、冷酒をチビりと口に運んだ。彼は恋人の話をするときは、相変わらずスッキリとした表情は見せない。その理由はアイドルとその同級生のラブコメを描いている朱美には、何となくわかるような気もしていた。
「でも…… 」
「……? 」
「自分はまだ未熟者です。若さという特権と、頂いたキャラクターたちに生かされている。応援してくださる方にも応えたい。だから自分はまだ彼女と一緒になるわけにはいきません。でも彼女が離れていくのも怖い 」
「だから……絵を? 」
「はい。自分が思い付いた中ではこれ以上がなくて 」
「伝わるといいですね 」
「ええ…… 」
「神宮寺先生、すみません、お忙しいのに……付き合って頂いちゃって 」
「いいえ、仕事もちょうど行き詰まってて。担当にも怒られちゃって。今日は声かけてもらって良かったです 」
「先生もそういうことが、あるんですね。意外です 」
「……毎回毎回、苦労の連続ですよ。担当に毎回おしりを叩かれながら、なんとかって感じで 」
「吉岡さんは温厚そうなのに、厳しいところあるんですね。それも意外です 」
「えっ、吉岡が温厚だなんて…… そんなことはないです。彼は常に怒ってますから 」
「へー、自分は仕事柄原作者の方とかと話す機会もありますけど、そういう話はあんまり聞かないですね。それって二人に信頼関係があるからこそですよ。作品作りをする上で、漫画家さんと編集さんが遠慮しない間柄なのは強みだと思いますよ 」
「そう…… なんですかね……? 」
朱美はうーんと唸りながら、薄くなった梅酒に手を伸ばした。確かに前の担当はここまでは言ってこなかった。
もし自分と吉岡の関係性が中野の言う通りならば、現状の自分は吉岡との約束を守れずにいる。
…………
朱美は意を決すると、中野に悩みを相談した。
「……好きじゃない人に主人公がキスされて、彼女は押しに弱いからなびきそうになってるんですけどね、私にはその心理がわからなくて。そんな話、中野さんにしてもピンとこないでしょうけど。それで吉岡と揉めてまして 」
「……確かに最近の海蘊ちゃんは、不穏な感じですね。先生はそういう経験あるんですか? 」
「いや、私は……そういうのはないとゆうか…… ってゆうか、好きな人も最近はずっといないし」
朱美はムズムズしながら、中野の問いに返答した。ラブコメを描いているのに、自分の干物具合を露呈するのは恥ずかしかったが、朱美はとにかくヒントを欲していた。
「じゃあもし僕が仮に先生にキスをしたら、先生は僕に興味持ったりします?」
「えっ? 」
「自分じゃなくてもいいです。例えば吉岡さんでもいいし、恋リセの監督たちでもいいです。コンパで知り合った人でもいいですし、置き換えてみたらどうです? 」
「……なっ 」
言葉に詰まった。
吉岡にキスをされたら……どんな気持ちになるかなんて、考えたこともなかった。そもそもこの話は吉岡が自分を好きであるという前提がなければ成立はしない。朱美は自分の顔が赤くなっていくのを自覚した。
「そしたらどんな気持ちになるか、わかるかもしれませんよ。僕が直接先生の力になれないのはちょっと残念ではありますが 」
中野は急に悪い表情を浮かべると、今度はゴクリと冷酒を含んでニヤリと笑った。そこには初対面のときのような、少しイタズラな彼の一面があるような気がした。
吉岡に突き放されたのは久し振りだった。
そしてそれは自分でも意外なほどに、胸にズシンと響いている。
朱美は呆然としながら、次の目的地に向かっていた。考え事をしながら過ごす時間はあっという間で、地下鉄に乗ったはずなのに、それはワープをしたように一瞬の出来事に感じられた。時間よりも早くきたはずなのに、目的地には既に待ち合わせ相手が到着していた。彼は帽子に黒いマスクを装着する出で立ちで 大荷物を抱えている。長身とその防備の下に見え隠れするイケメンオーラと相まって、逆に街では目立つ存在になっていた。
「神宮寺先生、ご無沙汰してます 」
「中野さん、すみません、遅れて 」
「いえ、まだ待ち合わせの時間になってないですから。あの、先日連絡がきまして。恋リセの豊役に自分が決まったって。先生と吉岡さんが推してくれたって聞いて、めっちゃ嬉しかったです 」
「いえいえ。私たちの意見は、全然大した影響力もないんですけどね。でも中野さんのお芝居は私たちの豊のイメージにピッタリだったんで、決まったときいて嬉しかったです 」
「先生の期待に沿えるように頑張ります。大事なキャラクターを託してもらって感謝です。本当、代表作にする勢いで頑張るんで 」
中野は変装の下からニコリと笑みを浮かべると、こっちですと案内をしながら道を歩きだした。
朱美は 先日ひょんなことで連絡先を交換した中野葵と、食事に行く約束をしていた。 プライベートかつ完徹同盟ではない人間、そして珍しいことに男性と待ち合わせとは 漫画の連載を持つようになってからは滅多にないことだった。
「この辺りには、よく来るんですか? 」
「いえ、すごく久しぶりに来ました。けっこう街並みが変わってるんですね 」
朱美は物珍しそうに、今回の待ち合わせ場所の神楽坂の街並みを眺めながら歩いていた。
そういえば吉岡も学生時代からこの辺りの共同アパートに住んでいると言ってたっけ。寝に帰るだけだから十分だとは言っていたけど、そうさせてるのは私のせいか……
中野は暫く歩いたところにある、落ち着いた雰囲気の店に朱美を案内した。そこは普段ならば絶対に足を踏み入れないような佇まいで、店内は間接照明で薄暗い。店員は中野の顔を見るなり奥にある半個室に二人を通した。
「飲み物は、何を頼みますか? 」
「えっと、梅酒を水割りで…… 」
「わかりました。お勧めをアラカルトで頼んじゃっていいですか? 何か苦手なものとかは? 」
「いえ。特には 」
中野は常連なのか、お品書きをあまり見ることなく、適当に注文を始めた。そのチョイスは料理名を聞いただけでワクワクするような、創作料理ばかりだった。
「実は今日ご連絡したのは、先生に絵を見ていただきたくて持ってきたんです 」
「ああ、あのときの? 」
「ええ…… 」
中野はそう答えると、大きな荷物から風呂敷に包まれた紙を取り出し、朱美に手渡した。そこには地球を成層圏の横から見たような、不思議な空間が描かれていた。
「素敵ですね…… 」
朱美は静かにその絵を眺めた。
そこには海とも空にも見える、青の世界が広がっていた。そしてこの絵を送りたい相手は、彼にとても愛されていると感じた。
「あのアドバイスとか…… よかったら…… 」
「そんな、アドバイスなんて。今のまま渡すのが、きっと一番思いは伝わりますよ 」
「もう少し経験を重ねて上手くなったら、絵を贈りたいとは考えてるんですけどね。なかなか決心が固まらなくて 」
「……大切な人なんですね 」
「ええ…… 大切…… そうですね。どちらかと言うと、同士みたいな感じです 」
「同士? 」
朱美は顔を上げて、中野を見た。
同士……という単語が、いまの自分には何だかとてもズシリと感じたのだ。
「彼女とは、同じ養成所の出身なんです。自分は何とか声の仕事で食えるようになったんですけど、彼女は これからってときに耳の病気を患って。日常生活は何とかなるみたいなんですけど、自分の声が正常に聞こえないみたいなんですよね。声優は 周りの演技と自分の呼吸を合わせて 演技をするんです。だからどうしても 音がきちんと聞き取れないと、演技がとても難しくなってくる。経験の浅い彼女は、まだその領域には達してなかったみたいで 」
「そうですか。それは辛いでしょうね 」
「辛いと思います。彼女は唯一無二の役者ですから。自分よりも才能があるし、何にでもなれる魔法使いのようだった。今は事務所の裏方をしてるんですけど、やっぱり耳が本調子じゃないから、大変なことも沢山あるみたいで 」
中野はニコニコしているように見えた。だけどその奥には彼女の才能を邪魔する障害物に対しての悔しい気持ちが混在しているのが、朱美には手に取るように感じられた。
「だから絵を描こうと? 」
「新しいことを始める…… その感覚が自分にはよくわからなかったんです。自分は声優の仕事はやりたくて好きで始めたことだから。
でも、そうじゃないことを始めたり、新しいことにチャレンジせざるを得ない心境が分からないのは嫌だった。 彼女の気持ちに寄り添えないのが悔しかったんです 」
「絵を描いてみた感想は……? 」
「……思ってたより面白かったです。彼女の苦労も少しはわかった気がしますし 」
中野はそう言うと、冷酒をチビりと口に運んだ。彼は恋人の話をするときは、相変わらずスッキリとした表情は見せない。その理由はアイドルとその同級生のラブコメを描いている朱美には、何となくわかるような気もしていた。
「でも…… 」
「……? 」
「自分はまだ未熟者です。若さという特権と、頂いたキャラクターたちに生かされている。応援してくださる方にも応えたい。だから自分はまだ彼女と一緒になるわけにはいきません。でも彼女が離れていくのも怖い 」
「だから……絵を? 」
「はい。自分が思い付いた中ではこれ以上がなくて 」
「伝わるといいですね 」
「ええ…… 」
「神宮寺先生、すみません、お忙しいのに……付き合って頂いちゃって 」
「いいえ、仕事もちょうど行き詰まってて。担当にも怒られちゃって。今日は声かけてもらって良かったです 」
「先生もそういうことが、あるんですね。意外です 」
「……毎回毎回、苦労の連続ですよ。担当に毎回おしりを叩かれながら、なんとかって感じで 」
「吉岡さんは温厚そうなのに、厳しいところあるんですね。それも意外です 」
「えっ、吉岡が温厚だなんて…… そんなことはないです。彼は常に怒ってますから 」
「へー、自分は仕事柄原作者の方とかと話す機会もありますけど、そういう話はあんまり聞かないですね。それって二人に信頼関係があるからこそですよ。作品作りをする上で、漫画家さんと編集さんが遠慮しない間柄なのは強みだと思いますよ 」
「そう…… なんですかね……? 」
朱美はうーんと唸りながら、薄くなった梅酒に手を伸ばした。確かに前の担当はここまでは言ってこなかった。
もし自分と吉岡の関係性が中野の言う通りならば、現状の自分は吉岡との約束を守れずにいる。
…………
朱美は意を決すると、中野に悩みを相談した。
「……好きじゃない人に主人公がキスされて、彼女は押しに弱いからなびきそうになってるんですけどね、私にはその心理がわからなくて。そんな話、中野さんにしてもピンとこないでしょうけど。それで吉岡と揉めてまして 」
「……確かに最近の海蘊ちゃんは、不穏な感じですね。先生はそういう経験あるんですか? 」
「いや、私は……そういうのはないとゆうか…… ってゆうか、好きな人も最近はずっといないし」
朱美はムズムズしながら、中野の問いに返答した。ラブコメを描いているのに、自分の干物具合を露呈するのは恥ずかしかったが、朱美はとにかくヒントを欲していた。
「じゃあもし僕が仮に先生にキスをしたら、先生は僕に興味持ったりします?」
「えっ? 」
「自分じゃなくてもいいです。例えば吉岡さんでもいいし、恋リセの監督たちでもいいです。コンパで知り合った人でもいいですし、置き換えてみたらどうです? 」
「……なっ 」
言葉に詰まった。
吉岡にキスをされたら……どんな気持ちになるかなんて、考えたこともなかった。そもそもこの話は吉岡が自分を好きであるという前提がなければ成立はしない。朱美は自分の顔が赤くなっていくのを自覚した。
「そしたらどんな気持ちになるか、わかるかもしれませんよ。僕が直接先生の力になれないのはちょっと残念ではありますが 」
中野は急に悪い表情を浮かべると、今度はゴクリと冷酒を含んでニヤリと笑った。そこには初対面のときのような、少しイタズラな彼の一面があるような気がした。
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