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ネクストワールド
彼女は隠すのが上手
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「桜ねぇと、あれから会った? 」
「あぁ、うん。何回かは お店に遊びに行ったよ 」
朱美はパンケーキに大量のシロップを掛けながら、息吹の質問に答えていた。締め切り明けのハイカロリーは、本当にたまにのご馳走だ。朱美はニヤニヤしながらナイフで真ん中に切れ目を入れると、口いっぱいにそれを頬張った。そんな朱美の様子を見た息吹は半ば呆れ気味に、静かにカクテルを口に運んだ。
「で、桜ねぇは、元気そうだった?」
「うん、まあ…… 普通だったかな。世間話しかしてないから、詳しい事情は聞いてないけど。本人からはちゃんとしたら説明するって言われたけど。何が何だか 」
アラサーでも甘いものは好きだし、夜勤生活でも流行りのパンケーキは食べたい。
朱美と息吹は久し振りに表参道の某商業施設の朝食で有名な外国のカフェまで足を運ぶと、朝からカクテルを片手に甘いものを楽しんでいた。
「気になるよね。あんな 桜ねぇは、衝撃的だったから。無反応だし、雨に打たれてるし 」
「そうだねー 」
朱美は息吹の反応を半分ぐらいで聞き流すと、サイドで頼んだチーズスパニッチオムレツを口に運んだ。そして幸せそうな表情を浮かべると、また一口二口とスプーンを進める。
「朱美、あんた気にならないの? 桜ねぇが泣いてた理由 」
「まあ、気にならないことはないけど。でもまあ、本人が言わないんだから、闇雲に抉じ開けるもんじゃないでしょ。別に全部共有するだけが、友達じゃないと思うし 」
「それは、そうだけど 」
息吹は少しだけため息をつくと、シロップまみれのパンケーキをつつき出した。自分が気にし過ぎなのか、朱美の態度がドライなのかはよくわからない。だけどあの桜の姿が衝撃的だったのは、紛れもない事実だった。
「そう。あの日は、私メチャクチャ焦ったからな。茜が来てくれて助かったケド 」
「だからそれはゴメンって 」
朱美は飢えているのか相変わらず食事に夢中で、顔も目も合わさずに目の前の食べ物を見つめていた。
なんか、ちょっとムカついてきた……
流石の息吹も堪忍袋が切れたのか、少しだけ朱美を凝視すると、電光石火の如くこう切り出した。
「吉岡さん。あの日凄かったらしいよ 」
「えっ……? 」
朱美は手を止め、思わず息吹を振り返った。吉岡に対して後ろめたい心当たりは大量にあるが、最新のやらかしはタクシー泥酔しか思い付かなかった。
「また、派手にやっちゃったんでしょ? 」
「はぁー!? なんでそれ知ってっッんのっッ 」
「うちの…… 相方が行きつけの飲み屋のマスターから聞いたんだって。血相変えて作家さんのとこ行ったって。作家って朱美のことでしょ? 」
「なっ…… 血相変えてって、そんなオーバーな。あの日はちょっとだけタクシーで寝落ちしただけだしっッ! それで助けてもらったというか、迷惑かけたというか…… 」
「もう完全にビジネスパートナー越えちゃってんじゃん。いっそのこと、付き合っちゃえばいいのに 」
「はぁー!!? 」
朱美は思わず椅子から立ち上がり、本能で反論した。自分が身を乗り出していることには時間差で気付き思わず縮こまった。周囲の客や店員の視線が痛過ぎる。息吹も想像以上の朱美のリアクションにドキリとすると、慌てて彼女に着席を促した。
「ちょ、声でかっッ! だってホントのことじゃん 」
「吉岡は、そんなんじゃないっッ。向こうもそんな風には思ってないハズだし。確かにいなくなったら困るし助けてもらってばっかりだけど、私はもっと優しく甘やかしてくれて面白い人がタイプなの! 」
「……ああ、そう。それならもっとちゃんと適切な距離感を保ちなよ。吉岡さんにだってプライベートはあるんだし、この前のパパラッチとかさ、巻き込みすぎでしょ? 毎日監視されてるって、つまりは彼は休みなく働いてるってことだよね? おまけに酔っぱらいの介抱までさせてさ 」
息吹はカクテルを含みながら正論を放った。その通りだった。
朱美は……何も言い返せなかった……
「なっ、それは 」
「吉岡さんだって、いつまで朱美の担当かわからないけど、そんな調子じゃ 彼も働き方改革で異動とかも有り得なくないかもよ 」
「それは 」
困る……
彼がいないと多分自分は漫画が描けない……
恥ずかしい限りだが それくらい世話になってるし、依存してしまっている。自分が彼の自由時間を奪っていることも気づいているが、無意識に知らない振りをしていることもわかっている。
けれども漫画家の自分は、現状では彼を手放すことも出来ないのだ。
朱美は飲み物をぐいっと煽ると、あっさりと話題を変えた。この話題からは逃げたかった。
「……私のことはもういいよ。しばらくは今まで通り仕事ちゃんとするから……
で、息吹こそ どうなの彼は? デートとかしてるの? 」
「……まあ、そんなには。彼も忙しいし。私も最近はバタバタで。連絡は取ってるけど 」
「へー? 」
朱美は息吹に疑いの目を向けた。
まあ、一応こちらも吉岡からいろいろと筒抜けなのだ。でもここでしっかりしておかないと、また息吹に吉岡のことを突っ込まれてしまう。今はそれは出来るだけ避けたかった。
「……そうね、アメコミ観に映画行った。あとは水族館とか 」
「いいなー。私もデートしたーい! トキメキも足りないもんっっ。羨ましー! 」
「朱美は私のデート聞いて、どうしたいのよ。漫画の参考? 」
「そんなんじゃないし。だいたい参考にしたら、吉岡に即バレるっしょ 」
「あはは。野上くんと吉岡さん、仲がいいみたいだしね 」
息吹は少しだけニコニコしていた。
付き合いたてだし、何だかんだでやっぱり今は楽しいのだろう。
「でさ、息吹はもうやっちゃったの? 」
息吹は飲んでいたロングカクテルを、ブッっッと勢いよく吹き出すと、顔を真っ赤にしてその場で頭を抱えた。
「朱美……? その……えっと、デリカシーっっッ! 」
「あぁ、その反応なら、そうなんだね…… 」
「なっ、どういうことっッ? 」
「……そういうことだよ。で、どうだった? 」
「……なっ、何で朱美に感想言わなきゃなのッっ。秘密だよ、秘密っッ! 全部黙秘っ! 」
息吹はおしぼりでテーブルを吹きながら、一気に不機嫌になった。油断していた自分も悪いのだが、急にブッ込まれて思わずタジタジになった。
野上は……
だいぶ自分より年下なのに、そんなことは全く感じさせない。不器用な自分をリードしてくれるし、甘え下手な自分をうまく甘えさせてもくれる。自分が言える立場でもないが、そもそも こんな朱美のこと根気強く支えてくれる吉岡の後輩なのだ。
自分には……
釣り合わないくらい素敵な人だと思う。
「なんだ…… 詰まらないのー 」
「全然、つまんなくないっ!だし、聞いてどうすんの? 」
「別に。ちょっと想像してトキメクくらいかな 」
「なっ、それ最悪じゃんっッ! 」
「えっ、だって息吹だって私に彼氏できたら、聞くでしょ 」
「それは…… 」
聞くかもしれない……
だってそんな話、考えただけで面白過ぎる。
息吹は少し想像してニヤニヤしていたが、朱美はそんな彼女を他所に、また別の話題へと切り替えた。
「そういえばさ、茜、今日から台湾らしいよ 」
「へー!台湾かぁー!羨ましいー 今頃は異国の地か…… 」
「美味しいものとか、いっぱい食べるのかな? 」
「そうね、小籠包とか?タピオカもか! 」
「弾丸スケジュールらしいから、忙しいとは思うけど。案外カッコいい王子様みたいな人と出会って、恋に落ちたりして!? 」
「またー、朱美の妄想には恐れ入るわ。そんなに運命の人にあっさり会えないでしょ、外国人だし 」
「わかんないよー、こればっかりは 」
朱美はニヤニヤしながらメニューを手に取ると、お代わりの飲み物を物色した。そして珍しくアイスティーを注文すると、また嬉しそうにパンケーキを頬張り出した。
朱美はそんな素振りは見せなかったが、締め切り明けではあるが、今日この後もきっと仕事があるのだろう……と息吹はそう思った。
もうすぐ昼時を迎える店内は少しづつ活気に溢れてきた。
息吹はスマホを取り出すと野上に、
【朱美の本音、今日も探れず】
と素早く返信を入れた。
「桜ねぇと、あれから会った? 」
「あぁ、うん。何回かは お店に遊びに行ったよ 」
朱美はパンケーキに大量のシロップを掛けながら、息吹の質問に答えていた。締め切り明けのハイカロリーは、本当にたまにのご馳走だ。朱美はニヤニヤしながらナイフで真ん中に切れ目を入れると、口いっぱいにそれを頬張った。そんな朱美の様子を見た息吹は半ば呆れ気味に、静かにカクテルを口に運んだ。
「で、桜ねぇは、元気そうだった?」
「うん、まあ…… 普通だったかな。世間話しかしてないから、詳しい事情は聞いてないけど。本人からはちゃんとしたら説明するって言われたけど。何が何だか 」
アラサーでも甘いものは好きだし、夜勤生活でも流行りのパンケーキは食べたい。
朱美と息吹は久し振りに表参道の某商業施設の朝食で有名な外国のカフェまで足を運ぶと、朝からカクテルを片手に甘いものを楽しんでいた。
「気になるよね。あんな 桜ねぇは、衝撃的だったから。無反応だし、雨に打たれてるし 」
「そうだねー 」
朱美は息吹の反応を半分ぐらいで聞き流すと、サイドで頼んだチーズスパニッチオムレツを口に運んだ。そして幸せそうな表情を浮かべると、また一口二口とスプーンを進める。
「朱美、あんた気にならないの? 桜ねぇが泣いてた理由 」
「まあ、気にならないことはないけど。でもまあ、本人が言わないんだから、闇雲に抉じ開けるもんじゃないでしょ。別に全部共有するだけが、友達じゃないと思うし 」
「それは、そうだけど 」
息吹は少しだけため息をつくと、シロップまみれのパンケーキをつつき出した。自分が気にし過ぎなのか、朱美の態度がドライなのかはよくわからない。だけどあの桜の姿が衝撃的だったのは、紛れもない事実だった。
「そう。あの日は、私メチャクチャ焦ったからな。茜が来てくれて助かったケド 」
「だからそれはゴメンって 」
朱美は飢えているのか相変わらず食事に夢中で、顔も目も合わさずに目の前の食べ物を見つめていた。
なんか、ちょっとムカついてきた……
流石の息吹も堪忍袋が切れたのか、少しだけ朱美を凝視すると、電光石火の如くこう切り出した。
「吉岡さん。あの日凄かったらしいよ 」
「えっ……? 」
朱美は手を止め、思わず息吹を振り返った。吉岡に対して後ろめたい心当たりは大量にあるが、最新のやらかしはタクシー泥酔しか思い付かなかった。
「また、派手にやっちゃったんでしょ? 」
「はぁー!? なんでそれ知ってっッんのっッ 」
「うちの…… 相方が行きつけの飲み屋のマスターから聞いたんだって。血相変えて作家さんのとこ行ったって。作家って朱美のことでしょ? 」
「なっ…… 血相変えてって、そんなオーバーな。あの日はちょっとだけタクシーで寝落ちしただけだしっッ! それで助けてもらったというか、迷惑かけたというか…… 」
「もう完全にビジネスパートナー越えちゃってんじゃん。いっそのこと、付き合っちゃえばいいのに 」
「はぁー!!? 」
朱美は思わず椅子から立ち上がり、本能で反論した。自分が身を乗り出していることには時間差で気付き思わず縮こまった。周囲の客や店員の視線が痛過ぎる。息吹も想像以上の朱美のリアクションにドキリとすると、慌てて彼女に着席を促した。
「ちょ、声でかっッ! だってホントのことじゃん 」
「吉岡は、そんなんじゃないっッ。向こうもそんな風には思ってないハズだし。確かにいなくなったら困るし助けてもらってばっかりだけど、私はもっと優しく甘やかしてくれて面白い人がタイプなの! 」
「……ああ、そう。それならもっとちゃんと適切な距離感を保ちなよ。吉岡さんにだってプライベートはあるんだし、この前のパパラッチとかさ、巻き込みすぎでしょ? 毎日監視されてるって、つまりは彼は休みなく働いてるってことだよね? おまけに酔っぱらいの介抱までさせてさ 」
息吹はカクテルを含みながら正論を放った。その通りだった。
朱美は……何も言い返せなかった……
「なっ、それは 」
「吉岡さんだって、いつまで朱美の担当かわからないけど、そんな調子じゃ 彼も働き方改革で異動とかも有り得なくないかもよ 」
「それは 」
困る……
彼がいないと多分自分は漫画が描けない……
恥ずかしい限りだが それくらい世話になってるし、依存してしまっている。自分が彼の自由時間を奪っていることも気づいているが、無意識に知らない振りをしていることもわかっている。
けれども漫画家の自分は、現状では彼を手放すことも出来ないのだ。
朱美は飲み物をぐいっと煽ると、あっさりと話題を変えた。この話題からは逃げたかった。
「……私のことはもういいよ。しばらくは今まで通り仕事ちゃんとするから……
で、息吹こそ どうなの彼は? デートとかしてるの? 」
「……まあ、そんなには。彼も忙しいし。私も最近はバタバタで。連絡は取ってるけど 」
「へー? 」
朱美は息吹に疑いの目を向けた。
まあ、一応こちらも吉岡からいろいろと筒抜けなのだ。でもここでしっかりしておかないと、また息吹に吉岡のことを突っ込まれてしまう。今はそれは出来るだけ避けたかった。
「……そうね、アメコミ観に映画行った。あとは水族館とか 」
「いいなー。私もデートしたーい! トキメキも足りないもんっっ。羨ましー! 」
「朱美は私のデート聞いて、どうしたいのよ。漫画の参考? 」
「そんなんじゃないし。だいたい参考にしたら、吉岡に即バレるっしょ 」
「あはは。野上くんと吉岡さん、仲がいいみたいだしね 」
息吹は少しだけニコニコしていた。
付き合いたてだし、何だかんだでやっぱり今は楽しいのだろう。
「でさ、息吹はもうやっちゃったの? 」
息吹は飲んでいたロングカクテルを、ブッっッと勢いよく吹き出すと、顔を真っ赤にしてその場で頭を抱えた。
「朱美……? その……えっと、デリカシーっっッ! 」
「あぁ、その反応なら、そうなんだね…… 」
「なっ、どういうことっッ? 」
「……そういうことだよ。で、どうだった? 」
「……なっ、何で朱美に感想言わなきゃなのッっ。秘密だよ、秘密っッ! 全部黙秘っ! 」
息吹はおしぼりでテーブルを吹きながら、一気に不機嫌になった。油断していた自分も悪いのだが、急にブッ込まれて思わずタジタジになった。
野上は……
だいぶ自分より年下なのに、そんなことは全く感じさせない。不器用な自分をリードしてくれるし、甘え下手な自分をうまく甘えさせてもくれる。自分が言える立場でもないが、そもそも こんな朱美のこと根気強く支えてくれる吉岡の後輩なのだ。
自分には……
釣り合わないくらい素敵な人だと思う。
「なんだ…… 詰まらないのー 」
「全然、つまんなくないっ!だし、聞いてどうすんの? 」
「別に。ちょっと想像してトキメクくらいかな 」
「なっ、それ最悪じゃんっッ! 」
「えっ、だって息吹だって私に彼氏できたら、聞くでしょ 」
「それは…… 」
聞くかもしれない……
だってそんな話、考えただけで面白過ぎる。
息吹は少し想像してニヤニヤしていたが、朱美はそんな彼女を他所に、また別の話題へと切り替えた。
「そういえばさ、茜、今日から台湾らしいよ 」
「へー!台湾かぁー!羨ましいー 今頃は異国の地か…… 」
「美味しいものとか、いっぱい食べるのかな? 」
「そうね、小籠包とか?タピオカもか! 」
「弾丸スケジュールらしいから、忙しいとは思うけど。案外カッコいい王子様みたいな人と出会って、恋に落ちたりして!? 」
「またー、朱美の妄想には恐れ入るわ。そんなに運命の人にあっさり会えないでしょ、外国人だし 」
「わかんないよー、こればっかりは 」
朱美はニヤニヤしながらメニューを手に取ると、お代わりの飲み物を物色した。そして珍しくアイスティーを注文すると、また嬉しそうにパンケーキを頬張り出した。
朱美はそんな素振りは見せなかったが、締め切り明けではあるが、今日この後もきっと仕事があるのだろう……と息吹はそう思った。
もうすぐ昼時を迎える店内は少しづつ活気に溢れてきた。
息吹はスマホを取り出すと野上に、
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