45 / 80
神は僕を取り巻く環境を複雑にした
神は高山で僕に勇気を出せと助言した 前編
しおりを挟む
ーーーーー
土産物も購入し、佳央理も戻ってきた頃、僕らは散策の舞台を【さんまち】に移して、ランチの代わりに食べ歩きグルメを堪能していた。
【さんまち】とは、上三之町・上二之町・上一之町の三つを【さんまち通り】と呼んでいて、ここがいわゆる高山観光では外せないメインストリートになっている。出格子が連なる軒下には、チョロチョロと水が流れる音が響いていて、造り酒屋の玄関先には杉玉が下がっている。古都情緒あふれる町家の数々は、どこをカメラで狙っても、映え写真になってしまうのだ。この黒を基調とした町家の多くは、食事処やカフェ、みやげ店が軒を連ね、日中は絶えず観光客で賑わっている。また食べ歩きスポットも充実していて、定番の【飛騨牛コロッケ】や【飛騨牛串焼き】だけでなく、お煎餅を皿代わりにした【飛騨牛にぎり寿司】などの地元独自の飛騨牛グルメが充実しているのだ。
「(これ、美味しい! やっぱり飛騨牛は最高だね!) 」
「(んっん!? 俺は肉の寿司なんて初めて食べた。これは旨いな! コウセイ、この下に敷いてあるクラッカーも食べられるのかい? )」
「(はい。それはお煎餅というもので、お米から作られているんです。普通の紙の皿だとゴミになるんで、この辺りの飛騨牛握りは大体えびせんとかお煎餅を使ってるんですよ )」
「(それは経済的だ! それにエコでナイスアイディアだな )」
僕たちは木陰を探しながら、食べ歩きグルメに舌鼓を打っていた。この通りの飲食店は、五感全てで僕らを誘惑しに掛かってくるから、なかなか前に進めない。既に飛騨牛にぎりは、何貫食べたかわからない程だ。それにプラスして、どて煮にや揚げ物と、肉ばかりに偏って、僕らは色んなグルメを堪能していた。
「ねえねえ、コーセー。あのお店、沢山の人が集まってるね 」
「……ん? 」
彼女が口をモグモグさせながら指差す先には、店先に沢山の人が溢れていた。そのお店は高山でも老舗の味噌醤油問屋で、いつも中では試食がてらの味噌汁が振る舞われている。
「ああ。あそこはお味噌屋さんだよ 」
「へー もしかして有名なお店なの? 」
「ああ。この辺りの人は味噌は調味料ってだけじゃなくて、おかずにもするからね。みんな朴葉味噌を、ご飯にかけたりして食べるだろ? だからこの辺りの人間は、お味噌は美味しいものを買いたくて、わざわざ遠方からも買いにくるんだ。うちで母さんが使ってるのも、確かここのお店のものだよ。中には大きな樽があって、味噌や醤の凄くいい香りがするんだ 」
「そうなんだ! ねえ、ねえ、お店の中に入ってもいい? 」
「いいけど…… 飲食は厳禁だから、飛騨牛にぎりは食ってからにしないと 」
「あっ、そっか 」
彼女はそう言うと、手にしていた煎餅を、僕の口元に押し込んだ。
そして
「じゃあ、ちょっと見てくるね 」
と自由奔放な発言をすると、あっさりと人混みに溶け込んでいく。僕も彼女のその珍しい振る舞いには心底驚いたが、それを見たアルバートと佳央理も目をパチクリさせていた。
これほど色々あると、目移りもするのだろう。
今回の観光はアルバートが主役なはずなのに、彼女はその後もスタスタと先陣を切って歩いている。彼女は日本に来てから下呂から殆ど出ない生活だから、今日は新しいことばかりで楽しくなっているのだろう。
そして僕はというと、そんな彼女の行動を、後方で佳央理と共に観察していた。
「そういえばさ、恒星 」
「んっ? 」
「今年の温泉まつりはどうするの? 」
「ああ。多分、今年も匡輔の旅館の屋台の手伝い。いろいろあって誓約させられたからね。地元の人間は出し物に駆り出されるから、人手が足りないんだとよ 」
「雄飛閣は、今年も屋台は何か出すの? 」
「さあ。詳しくは聞いてないけど、今年はローテーション的に飛騨牛串じゃないかな。朴葉味噌おにぎり炙りスペシャルじゃなければ、なんでもいいや。あれは旨いけど、手間がかかって大変だし 」
「恒星は、龍の出し物には興味ないの? 」
「まあ、なくはないけど…… 練習や準備もあるから、今からはちょっと間に合わないな。夏休みは部活の大会もあるから、僕は屋台で参加するのがちょうどいいよ 」
佳央理が唐突に僕に切り出したのは、毎年八月の初旬に開催される下呂温泉まつりのことだ。
この祭りは四日間ぶっ通しで行われ、龍神火まつりを筆頭に、みこしパレードや下呂おどりなどが催される。最終日※には花火ミュージカルが繰り広げられたりと、下呂温泉最大の夏のイベントだ。
佳央理が言っていた龍とは、初日の龍神火まつりのことだ。五頭の龍と椀みこしが街中を練り歩き、クライマックスには温泉街の中心にある白鷺橋(林羅山像やチャップリン像がある辺り)に集結する。
そこでは火の粉が飛び散り、爆竹の音が轟く。そして幻想的な松明の炎の中、豪快な男衆が勇しくエネルギッシュに乱舞を繰り広げる様子は、まさに圧巻という言葉がぴったりな演目だ。
「そういう佳央理はどうなんだよ? 暇とか言ってると、匡輔たちに駆り出されるぞ? 」
「あはは。私はちょうど実習が被ってるから、今年もパス。学業は優先しなきゃね。まあ、花火の時間は余力があったら、学校の子たちと ちらっと見に行こうかな 」
「そっか。まあ、今年がダメでも来年もあるしな 」
もう今年も、温泉まつりのシーズンか……
ということは、待てよ?
それはつまり、近々彼女が浴衣を着るってことだ。
だけど僕は今回はモロモロの不可抗力で、祭りの期間は匡輔の手下になるのが決定してる。そもそも、彼女が温泉まつりに参加するかもわからないし、椿が女子の出し物とか、何かに巻き込まれる可能性もある。あまり過度な期待は抱かないほうがいいと思えるのは、昨日の一連の流れから得た哲学だった。
ーーーーー
お腹も一段落してきた頃、僕らは【さんまち通り】を抜けて、高山陣屋に到着した。
高山陣屋は日本で唯一、江戸時代からの主要建物が現存する代官・郡代所跡と伝えられていて、当時の建物がそのまま残っている。陣屋を簡単な言葉で表現するなら、立派な日本建築のお屋敷といった感じだ。
その内部はとても広い。重要な年中行事などで使用された書院造りの部屋や、取り調べを行ったり判決を言い渡す、行政の機能を果たす場所がある一方、江戸から派遣された代官・郡代とその家族が居住した部屋もある。その当時の建物が、そのままに残されているのだ。
そしてさらに驚くべきことなのは、約三百年間に渡りこの建物は実際に利用されていて、しかも半世紀前までは現役で使用されていたことだ。
一応、高山のメインな観光スポットだから、案内はしてみたものの、ここがアルバートたちに刺さるかはわからない。派手さはないし、日本の歴史に精通していない彼らに、この建物の価値を強要するのは申し訳ないような気もする。だから僕は正直、一抹の不安を抱いていた。
「アルバートたち、江戸時代って言われても、あんまりピンと来ないかもね 」
「うん。まあ、そうなんだよな 」
「でも見て。二人とも、めちゃくちゃ熱心に説明文を読んでるね 」
「あっ、ほんとだ…… 」
佳央理に言われて、僕が後方にいる彼女とアルバートを確認すると、二人はハンカチで汗を拭いながら、熱心に英字の看板に目を通していた。
その眼差しは遠目からでも、真剣そのものに見える。
そもそも、あの二人はお医者さんだ。
だからどんな物事に対しても、探求心があるのかもしれない。それは医療従事者の僕の両親を見ていても、同じような心意気を感じることがある。そしてその二人の間に流れる空気感は、とてもナチュラルにも見えたのだ。
「何か、あの二人、不思議だよね 」
「そう? 」
「アルバートさんは、麻愛ちゃん追っかけて日本に来たみたいだけど、二人が並んでるのを見ると、別に恋人って感じには見えないんだよね 」
「まあ…… 二人はそういう関係じゃないみたいだし。そりゃ、当たり前だろ 」
「違うの。その名目みたいなことじゃなくて…… 」
「えっ? 」
「何かね、二人の空気感が同志って感じなんだよね 」
「同志? 」
「うん。何か、仲間って感じ。変だよね。二人は歳はだいぶ離れてるのに、そんな風に見えちゃうなんて 」
「それは…… 」
僕は佳央理の言葉に対して、何も言えなかった。
いま何かを言おうとすると、それは確実に何処かに ほころびが出るからだ。
今日だって佳央理は僕らの事情を詮索せずに、静かに手を差し伸べてくれている。
佳央理は、よく本質が見えている。その心が捉えた感想はほぼ当たっているし、鋭い観察眼はやはり看護師に向いている。
僕は佳央理に、嘘はついていない。
けれども、隠していることは沢山ある。
彼女がこの街に来てから、僕の天秤は常に動いている。それはいつも左右に大きく揺れていて、たまに可動域を振り切りそうになる。
何かを犠牲にして得たものに価値があるのか否か、このときの僕にはまだ答えがわからないでいたのだった。
ーーーーーー
※実際の下呂温泉まつりでは、例年3日目に花火が上がります。
土産物も購入し、佳央理も戻ってきた頃、僕らは散策の舞台を【さんまち】に移して、ランチの代わりに食べ歩きグルメを堪能していた。
【さんまち】とは、上三之町・上二之町・上一之町の三つを【さんまち通り】と呼んでいて、ここがいわゆる高山観光では外せないメインストリートになっている。出格子が連なる軒下には、チョロチョロと水が流れる音が響いていて、造り酒屋の玄関先には杉玉が下がっている。古都情緒あふれる町家の数々は、どこをカメラで狙っても、映え写真になってしまうのだ。この黒を基調とした町家の多くは、食事処やカフェ、みやげ店が軒を連ね、日中は絶えず観光客で賑わっている。また食べ歩きスポットも充実していて、定番の【飛騨牛コロッケ】や【飛騨牛串焼き】だけでなく、お煎餅を皿代わりにした【飛騨牛にぎり寿司】などの地元独自の飛騨牛グルメが充実しているのだ。
「(これ、美味しい! やっぱり飛騨牛は最高だね!) 」
「(んっん!? 俺は肉の寿司なんて初めて食べた。これは旨いな! コウセイ、この下に敷いてあるクラッカーも食べられるのかい? )」
「(はい。それはお煎餅というもので、お米から作られているんです。普通の紙の皿だとゴミになるんで、この辺りの飛騨牛握りは大体えびせんとかお煎餅を使ってるんですよ )」
「(それは経済的だ! それにエコでナイスアイディアだな )」
僕たちは木陰を探しながら、食べ歩きグルメに舌鼓を打っていた。この通りの飲食店は、五感全てで僕らを誘惑しに掛かってくるから、なかなか前に進めない。既に飛騨牛にぎりは、何貫食べたかわからない程だ。それにプラスして、どて煮にや揚げ物と、肉ばかりに偏って、僕らは色んなグルメを堪能していた。
「ねえねえ、コーセー。あのお店、沢山の人が集まってるね 」
「……ん? 」
彼女が口をモグモグさせながら指差す先には、店先に沢山の人が溢れていた。そのお店は高山でも老舗の味噌醤油問屋で、いつも中では試食がてらの味噌汁が振る舞われている。
「ああ。あそこはお味噌屋さんだよ 」
「へー もしかして有名なお店なの? 」
「ああ。この辺りの人は味噌は調味料ってだけじゃなくて、おかずにもするからね。みんな朴葉味噌を、ご飯にかけたりして食べるだろ? だからこの辺りの人間は、お味噌は美味しいものを買いたくて、わざわざ遠方からも買いにくるんだ。うちで母さんが使ってるのも、確かここのお店のものだよ。中には大きな樽があって、味噌や醤の凄くいい香りがするんだ 」
「そうなんだ! ねえ、ねえ、お店の中に入ってもいい? 」
「いいけど…… 飲食は厳禁だから、飛騨牛にぎりは食ってからにしないと 」
「あっ、そっか 」
彼女はそう言うと、手にしていた煎餅を、僕の口元に押し込んだ。
そして
「じゃあ、ちょっと見てくるね 」
と自由奔放な発言をすると、あっさりと人混みに溶け込んでいく。僕も彼女のその珍しい振る舞いには心底驚いたが、それを見たアルバートと佳央理も目をパチクリさせていた。
これほど色々あると、目移りもするのだろう。
今回の観光はアルバートが主役なはずなのに、彼女はその後もスタスタと先陣を切って歩いている。彼女は日本に来てから下呂から殆ど出ない生活だから、今日は新しいことばかりで楽しくなっているのだろう。
そして僕はというと、そんな彼女の行動を、後方で佳央理と共に観察していた。
「そういえばさ、恒星 」
「んっ? 」
「今年の温泉まつりはどうするの? 」
「ああ。多分、今年も匡輔の旅館の屋台の手伝い。いろいろあって誓約させられたからね。地元の人間は出し物に駆り出されるから、人手が足りないんだとよ 」
「雄飛閣は、今年も屋台は何か出すの? 」
「さあ。詳しくは聞いてないけど、今年はローテーション的に飛騨牛串じゃないかな。朴葉味噌おにぎり炙りスペシャルじゃなければ、なんでもいいや。あれは旨いけど、手間がかかって大変だし 」
「恒星は、龍の出し物には興味ないの? 」
「まあ、なくはないけど…… 練習や準備もあるから、今からはちょっと間に合わないな。夏休みは部活の大会もあるから、僕は屋台で参加するのがちょうどいいよ 」
佳央理が唐突に僕に切り出したのは、毎年八月の初旬に開催される下呂温泉まつりのことだ。
この祭りは四日間ぶっ通しで行われ、龍神火まつりを筆頭に、みこしパレードや下呂おどりなどが催される。最終日※には花火ミュージカルが繰り広げられたりと、下呂温泉最大の夏のイベントだ。
佳央理が言っていた龍とは、初日の龍神火まつりのことだ。五頭の龍と椀みこしが街中を練り歩き、クライマックスには温泉街の中心にある白鷺橋(林羅山像やチャップリン像がある辺り)に集結する。
そこでは火の粉が飛び散り、爆竹の音が轟く。そして幻想的な松明の炎の中、豪快な男衆が勇しくエネルギッシュに乱舞を繰り広げる様子は、まさに圧巻という言葉がぴったりな演目だ。
「そういう佳央理はどうなんだよ? 暇とか言ってると、匡輔たちに駆り出されるぞ? 」
「あはは。私はちょうど実習が被ってるから、今年もパス。学業は優先しなきゃね。まあ、花火の時間は余力があったら、学校の子たちと ちらっと見に行こうかな 」
「そっか。まあ、今年がダメでも来年もあるしな 」
もう今年も、温泉まつりのシーズンか……
ということは、待てよ?
それはつまり、近々彼女が浴衣を着るってことだ。
だけど僕は今回はモロモロの不可抗力で、祭りの期間は匡輔の手下になるのが決定してる。そもそも、彼女が温泉まつりに参加するかもわからないし、椿が女子の出し物とか、何かに巻き込まれる可能性もある。あまり過度な期待は抱かないほうがいいと思えるのは、昨日の一連の流れから得た哲学だった。
ーーーーー
お腹も一段落してきた頃、僕らは【さんまち通り】を抜けて、高山陣屋に到着した。
高山陣屋は日本で唯一、江戸時代からの主要建物が現存する代官・郡代所跡と伝えられていて、当時の建物がそのまま残っている。陣屋を簡単な言葉で表現するなら、立派な日本建築のお屋敷といった感じだ。
その内部はとても広い。重要な年中行事などで使用された書院造りの部屋や、取り調べを行ったり判決を言い渡す、行政の機能を果たす場所がある一方、江戸から派遣された代官・郡代とその家族が居住した部屋もある。その当時の建物が、そのままに残されているのだ。
そしてさらに驚くべきことなのは、約三百年間に渡りこの建物は実際に利用されていて、しかも半世紀前までは現役で使用されていたことだ。
一応、高山のメインな観光スポットだから、案内はしてみたものの、ここがアルバートたちに刺さるかはわからない。派手さはないし、日本の歴史に精通していない彼らに、この建物の価値を強要するのは申し訳ないような気もする。だから僕は正直、一抹の不安を抱いていた。
「アルバートたち、江戸時代って言われても、あんまりピンと来ないかもね 」
「うん。まあ、そうなんだよな 」
「でも見て。二人とも、めちゃくちゃ熱心に説明文を読んでるね 」
「あっ、ほんとだ…… 」
佳央理に言われて、僕が後方にいる彼女とアルバートを確認すると、二人はハンカチで汗を拭いながら、熱心に英字の看板に目を通していた。
その眼差しは遠目からでも、真剣そのものに見える。
そもそも、あの二人はお医者さんだ。
だからどんな物事に対しても、探求心があるのかもしれない。それは医療従事者の僕の両親を見ていても、同じような心意気を感じることがある。そしてその二人の間に流れる空気感は、とてもナチュラルにも見えたのだ。
「何か、あの二人、不思議だよね 」
「そう? 」
「アルバートさんは、麻愛ちゃん追っかけて日本に来たみたいだけど、二人が並んでるのを見ると、別に恋人って感じには見えないんだよね 」
「まあ…… 二人はそういう関係じゃないみたいだし。そりゃ、当たり前だろ 」
「違うの。その名目みたいなことじゃなくて…… 」
「えっ? 」
「何かね、二人の空気感が同志って感じなんだよね 」
「同志? 」
「うん。何か、仲間って感じ。変だよね。二人は歳はだいぶ離れてるのに、そんな風に見えちゃうなんて 」
「それは…… 」
僕は佳央理の言葉に対して、何も言えなかった。
いま何かを言おうとすると、それは確実に何処かに ほころびが出るからだ。
今日だって佳央理は僕らの事情を詮索せずに、静かに手を差し伸べてくれている。
佳央理は、よく本質が見えている。その心が捉えた感想はほぼ当たっているし、鋭い観察眼はやはり看護師に向いている。
僕は佳央理に、嘘はついていない。
けれども、隠していることは沢山ある。
彼女がこの街に来てから、僕の天秤は常に動いている。それはいつも左右に大きく揺れていて、たまに可動域を振り切りそうになる。
何かを犠牲にして得たものに価値があるのか否か、このときの僕にはまだ答えがわからないでいたのだった。
ーーーーーー
※実際の下呂温泉まつりでは、例年3日目に花火が上がります。
0
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
【完結】雨上がり、後悔を抱く
私雨
ライト文芸
夏休みの最終週、海外から日本へ帰国した田仲雄己(たなか ゆうき)。彼は雨之島(あまのじま)という離島に住んでいる。
雄己を真っ先に出迎えてくれたのは彼の幼馴染、山口夏海(やまぐち なつみ)だった。彼女が確実におかしくなっていることに、誰も気づいていない。
雨之島では、とある迷信が昔から吹聴されている。それは、雨に濡れたら狂ってしまうということ。
『信じる』彼と『信じない』彼女――
果たして、誰が正しいのだろうか……?
これは、『しなかったこと』を後悔する人たちの切ない物語。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
Bo★ccia!!―アィラビュー×コザィラビュー*
gaction9969
ライト文芸
ゴッドオブスポーツ=ボッチャ!!
ボッチャとはッ!! 白き的球を狙いて自らの手球を投擲し、相手よりも近づけた方が勝利を得るというッ!! 年齢人種性別、そして障害者/健常者の区別なく、この地球の重力を背負いし人間すべてに平等たる、完全なる球技なのであるッ!!
そしてこの物語はッ!! 人智を超えた究極競技「デフィニティボッチャ」に青春を捧げた、五人の青年のッ!! 愛と希望のヒューマンドラマであるッ!!
麗しのラシェール
真弓りの
恋愛
「僕の麗しのラシェール、君は今日も綺麗だ」
わたくしの旦那様は今日も愛の言葉を投げかける。でも、その言葉は美しい姉に捧げられるものだと知っているの。
ねえ、わたくし、貴方の子供を授かったの。……喜んで、くれる?
これは、誤解が元ですれ違った夫婦のお話です。
…………………………………………………………………………………………
短いお話ですが、珍しく冒頭鬱展開ですので、読む方はお気をつけて。
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる