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第四章 金蘭の契~きんらんのちぎり~
第三十二話
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時は少し遡る。
滋葵の術で、分断された世羅は紅音と対峙していた。場所はどこだかわからないものの、広くて長い廊下だった。周囲に人の姿は無い。
(陽と和泉ちゃんを、まとめて連れてくつもりか。早々に陽がやられることは無いと思うけど。
もう凛が犀破の元へ戻らない以上、今奪われるのは…まずいな。)
僅かな間の思考だったが、赤い絨毯から黒いも帯状のものがずるっと這いずり、世羅目掛けて迫る。
「全く…人の念ほど穢らわしいものはないね。」
世羅はなんてことの無いと言うように這い出てきた黒いものを狐火を纏った腕で殴りつける。
(結果、私だけが分断されたわけだけど。却って好都合かな。心置きなく、紅音を殺せる。)
世羅は、殴りつけた黒い帯をそのまま引っ張る。それは紅音の腕に繋がっていたようで、勢いそのまま壁へと叩きつけた。しかし、屋敷の壁に叩きつけたはずの華奢な紅音の身体は無傷のまま、ゆらりと立ち上がる。
「さて、どうしようかな。君もとんだ女狐だったわけだ。」
正直世羅自身は、紅音の命などどうでもよかった。腐っても陰陽師の端くれ。そこまで愚かではないと信じたかったが、世羅自身もまた少し人間に毒されて甘くなったのやもしれないと反省する。
髪鬼の件で、今後火種にしかならないのであれば早いところ消してしまうのが懸命だったのだろう。さっさと片して、陽たちへの援護へまわる。世羅がそう決意すると同時に、狐火の火力が上がり炎は燃え盛る。
「うるさいわね、あなただって何考えてるかわかんないくせに。本当に陽のこと考えてるか怪しいもんだわ。」
紅音の手から出てくる、黒い液体がばしゃっと音をたてて、世羅の狐火を消す。それは、黒く澱んだ水だった。
「少なくとも、君よりははるかにマシだと思うけれどね。」
(紅音は、蛇か。こないだから、どうもそんなのばっかと当たるなぁ…)
うねる黒い動き、その手の模様に、澱んだ水。
犀破のよくやる手だ。蟲を媒介して己の力を流し込み、相手を妖へと堕とす。その蟲によって、使える力が異なってくる。
世羅は、かつて自分も、そうやって堕とされたことを思い起こし僅かに顔を歪める。
火の行が得意だった紅音。その身に宿したのは水の力を持つ大蛇。相性としてよくはなかった。一方で、狐火をメインとして扱う世羅にとっても、不利な相手である。
(そんなものは戦いようなわけだけども。)
不利であっても、水量を超える火力で水を枯らしてしまえばいい。広範囲に炎が拡散していく。
(さっきの滋葵の言葉からして、どうせこの屋敷は今、妖なんだから、被害を気にする必要も無い。思いっきりいこうか。)
人の身体であればひとたまりもないほどの業火が周囲を包む。紅音は腕から滲出する黒い蛇をまるで鞭のようにしならせて炎を振り払い、世羅へと接近する。
左手に黒い水を纏い、右手で金の行を武器に持ち、世羅へと殺意を向けて突進してくる。
「それは、私が陽に教えたことだよ。」
範囲的な攻撃をしてくる相手には、まず懐へ。けれどそれは、間合いを詰めても問題ない相手のみ。そして今は、あえて炎を一部弱めておいて、紅音がそこをめがけてくるように誘導した。
「中途半端に力を得て、なんでも手に入った気になるんじゃないよ小娘が。」
「!?」
鳩尾に蹴りを叩き込む。世羅がピンポイントで誘い込んだ結果、いい位置に入ったのが感覚で分かった。
紅音が意識を失い、その場に倒れ込むと、澱んだ水も黒くうねる蛇も、金の行もまるで初めからなかったかのように空間に溶けて消える。
顔を含め、命を奪いかねない急所を狙わなかったのは世羅の中にほんの少しだけ残った同情の気持ちからなのか。はたまた、紅音が死んで悲しむであろう陽を思ってのことか。
どちらなのかは、世羅自身にも分かっていなかった。
「付け焼刃の力で勝とうなんて、100年早いよ。」
せっかく手加減をしてやった紅音を拘束しようと近づいたが、紅音の倒れ伏した床から、黒い蛇がまるで縄のように紅音の体を縛る。そしてそのまま、覆い隠すほどになった蛇たちが紅音を床へと溶け込ませていく。
(逃げた、か。)
「世羅。」
先程まで紅音の身体が確かにあったその場所を見つめる世羅の背に、凛の声が投げかけられる。
「凛、和泉ちゃんは。」
「滋葵をやってそのまま大広間へ戻ったわよ、そっちで何かあったみたい。…あの小娘は?倒したの?」
「……じゃあ大広間へ急ごう。」
「ちょっと、まさか逃がしたの?」
世羅は沈黙を肯定としたまま、大広間の方へ走り出した。
*****
大広間。
陽の祓詞が、犀破を呑み込もうとする。正直、陽の心身はとっくに限界だったが、やるしかなかった。このまま祓いきるために叩き込んだはずだった。
「なァにやってるんすか。」
毒気の抜けるような明るい声の主、髪を後ろで括った少年…依織。陽の全身全霊の力は、無情にもあと一歩届かなかったことを裏付ける声。
「今助けたんで、こないだの失敗、チャラでお願いしますよ。
で?どうしますこの人間、もう限界っぽいけど、やっていいんですかね。」
依織の持つ対の大きな刃物が鈍い光を放つ。犀破を抱えた状態であるがそれでも、今の陽を殺めることなど容易だ。白鹿が嘶いて陽の前に立ちはだかるものの、その白い体躯は依織の無慈悲な刃が両断する。
同じような衝撃が、陽の体にも起きるのは必然に思えたが、それは起きなかった。依織の武器は、振り下ろされていない。
否、鈍い金属の音を響かせて何かに防がれていた。
「全く、少しは見所があるんじゃなかったのかしら、この人間は。」
「見所しかないでしょ、いきなり1人で放り込んで、よく耐えたと思うよ。」
世羅と凛、金と銀の双璧が並び立つ。二人に防がれた依織は小さく舌打ちして距離をとる。
「あら、尻尾まいてさっさと逃げたらいいのに。」
「こないだ俺を無理やり帰らせたアンタがそれ言うわけ??」
「ええ、私は自分の目的のために動いているから。アンタたちの駒じゃない。これまでちゃんと欺けてたようでなにより、でもそれも今日でおしまい。」
青白い炎が折り重なるように、依織と犀破めがけて畳みかけられる。
「ふん…そうやって息巻いていろ。
そこで無様な姿を晒してる人間。お前が憎むべき相手は誰なのか、よくよく考えることだな。」
陽は、さっきの祓詞にすべてを載せたつもりだった。しかし、載せたばっかりに、まともに動けなくなってしまい、世羅と凛が間に合っていなければ今頃死んでいた。
状況把握、陽自身のペース配分、思考が増えて明らかにミスをしていたことを思い知らされる。
「なんだ帰るんすか。そこの人間くらいなら殺しておけるのに。」
依織はまだ戦う意欲がありそうだったが、犀破がそれを制止するやいなや、その背後がぐにゃりと歪む。逃げられると悟った陽がなおも追いかけようとするのを世羅が止めた。そんなことをしている間に、犀破と依織の姿はもうなかった。
「…く、そが…!…っ、和泉…!?」
陽は、視界に入る黒い物体で我に返る。和泉が、怪我を負ったままであることを思い返す。
慌てて陽がそれに手を触れると、その黒い塊はまるで氷が解けるように消えていく。中には血だまりの中に倒れ伏している和泉の姿があった。
「っ、…よ…う?」
脇腹を貫通したはずの和泉は意識があり、身体はどこも怪我はしていなかった。しかし血の跡は残っている。まるで、この一瞬で癒えたように見えた。
「馬鹿、お前…!死ぬ気か!?」
「し、死ななかったよ…やっぱり、犀破の言ったこと、正しかったから…それで。」
「痛いのに変わりねえだろ、馬鹿…!」
「い、痛いけど、あのままだったら陽が…!」
「二人とも、そのへんにして。出るよ。屋敷が崩れる。」
散々に荒らされ燃やされた屋敷はすでに限界だった。あちこちで嫌な音を立てて崩れている。
滋葵の術で、分断された世羅は紅音と対峙していた。場所はどこだかわからないものの、広くて長い廊下だった。周囲に人の姿は無い。
(陽と和泉ちゃんを、まとめて連れてくつもりか。早々に陽がやられることは無いと思うけど。
もう凛が犀破の元へ戻らない以上、今奪われるのは…まずいな。)
僅かな間の思考だったが、赤い絨毯から黒いも帯状のものがずるっと這いずり、世羅目掛けて迫る。
「全く…人の念ほど穢らわしいものはないね。」
世羅はなんてことの無いと言うように這い出てきた黒いものを狐火を纏った腕で殴りつける。
(結果、私だけが分断されたわけだけど。却って好都合かな。心置きなく、紅音を殺せる。)
世羅は、殴りつけた黒い帯をそのまま引っ張る。それは紅音の腕に繋がっていたようで、勢いそのまま壁へと叩きつけた。しかし、屋敷の壁に叩きつけたはずの華奢な紅音の身体は無傷のまま、ゆらりと立ち上がる。
「さて、どうしようかな。君もとんだ女狐だったわけだ。」
正直世羅自身は、紅音の命などどうでもよかった。腐っても陰陽師の端くれ。そこまで愚かではないと信じたかったが、世羅自身もまた少し人間に毒されて甘くなったのやもしれないと反省する。
髪鬼の件で、今後火種にしかならないのであれば早いところ消してしまうのが懸命だったのだろう。さっさと片して、陽たちへの援護へまわる。世羅がそう決意すると同時に、狐火の火力が上がり炎は燃え盛る。
「うるさいわね、あなただって何考えてるかわかんないくせに。本当に陽のこと考えてるか怪しいもんだわ。」
紅音の手から出てくる、黒い液体がばしゃっと音をたてて、世羅の狐火を消す。それは、黒く澱んだ水だった。
「少なくとも、君よりははるかにマシだと思うけれどね。」
(紅音は、蛇か。こないだから、どうもそんなのばっかと当たるなぁ…)
うねる黒い動き、その手の模様に、澱んだ水。
犀破のよくやる手だ。蟲を媒介して己の力を流し込み、相手を妖へと堕とす。その蟲によって、使える力が異なってくる。
世羅は、かつて自分も、そうやって堕とされたことを思い起こし僅かに顔を歪める。
火の行が得意だった紅音。その身に宿したのは水の力を持つ大蛇。相性としてよくはなかった。一方で、狐火をメインとして扱う世羅にとっても、不利な相手である。
(そんなものは戦いようなわけだけども。)
不利であっても、水量を超える火力で水を枯らしてしまえばいい。広範囲に炎が拡散していく。
(さっきの滋葵の言葉からして、どうせこの屋敷は今、妖なんだから、被害を気にする必要も無い。思いっきりいこうか。)
人の身体であればひとたまりもないほどの業火が周囲を包む。紅音は腕から滲出する黒い蛇をまるで鞭のようにしならせて炎を振り払い、世羅へと接近する。
左手に黒い水を纏い、右手で金の行を武器に持ち、世羅へと殺意を向けて突進してくる。
「それは、私が陽に教えたことだよ。」
範囲的な攻撃をしてくる相手には、まず懐へ。けれどそれは、間合いを詰めても問題ない相手のみ。そして今は、あえて炎を一部弱めておいて、紅音がそこをめがけてくるように誘導した。
「中途半端に力を得て、なんでも手に入った気になるんじゃないよ小娘が。」
「!?」
鳩尾に蹴りを叩き込む。世羅がピンポイントで誘い込んだ結果、いい位置に入ったのが感覚で分かった。
紅音が意識を失い、その場に倒れ込むと、澱んだ水も黒くうねる蛇も、金の行もまるで初めからなかったかのように空間に溶けて消える。
顔を含め、命を奪いかねない急所を狙わなかったのは世羅の中にほんの少しだけ残った同情の気持ちからなのか。はたまた、紅音が死んで悲しむであろう陽を思ってのことか。
どちらなのかは、世羅自身にも分かっていなかった。
「付け焼刃の力で勝とうなんて、100年早いよ。」
せっかく手加減をしてやった紅音を拘束しようと近づいたが、紅音の倒れ伏した床から、黒い蛇がまるで縄のように紅音の体を縛る。そしてそのまま、覆い隠すほどになった蛇たちが紅音を床へと溶け込ませていく。
(逃げた、か。)
「世羅。」
先程まで紅音の身体が確かにあったその場所を見つめる世羅の背に、凛の声が投げかけられる。
「凛、和泉ちゃんは。」
「滋葵をやってそのまま大広間へ戻ったわよ、そっちで何かあったみたい。…あの小娘は?倒したの?」
「……じゃあ大広間へ急ごう。」
「ちょっと、まさか逃がしたの?」
世羅は沈黙を肯定としたまま、大広間の方へ走り出した。
*****
大広間。
陽の祓詞が、犀破を呑み込もうとする。正直、陽の心身はとっくに限界だったが、やるしかなかった。このまま祓いきるために叩き込んだはずだった。
「なァにやってるんすか。」
毒気の抜けるような明るい声の主、髪を後ろで括った少年…依織。陽の全身全霊の力は、無情にもあと一歩届かなかったことを裏付ける声。
「今助けたんで、こないだの失敗、チャラでお願いしますよ。
で?どうしますこの人間、もう限界っぽいけど、やっていいんですかね。」
依織の持つ対の大きな刃物が鈍い光を放つ。犀破を抱えた状態であるがそれでも、今の陽を殺めることなど容易だ。白鹿が嘶いて陽の前に立ちはだかるものの、その白い体躯は依織の無慈悲な刃が両断する。
同じような衝撃が、陽の体にも起きるのは必然に思えたが、それは起きなかった。依織の武器は、振り下ろされていない。
否、鈍い金属の音を響かせて何かに防がれていた。
「全く、少しは見所があるんじゃなかったのかしら、この人間は。」
「見所しかないでしょ、いきなり1人で放り込んで、よく耐えたと思うよ。」
世羅と凛、金と銀の双璧が並び立つ。二人に防がれた依織は小さく舌打ちして距離をとる。
「あら、尻尾まいてさっさと逃げたらいいのに。」
「こないだ俺を無理やり帰らせたアンタがそれ言うわけ??」
「ええ、私は自分の目的のために動いているから。アンタたちの駒じゃない。これまでちゃんと欺けてたようでなにより、でもそれも今日でおしまい。」
青白い炎が折り重なるように、依織と犀破めがけて畳みかけられる。
「ふん…そうやって息巻いていろ。
そこで無様な姿を晒してる人間。お前が憎むべき相手は誰なのか、よくよく考えることだな。」
陽は、さっきの祓詞にすべてを載せたつもりだった。しかし、載せたばっかりに、まともに動けなくなってしまい、世羅と凛が間に合っていなければ今頃死んでいた。
状況把握、陽自身のペース配分、思考が増えて明らかにミスをしていたことを思い知らされる。
「なんだ帰るんすか。そこの人間くらいなら殺しておけるのに。」
依織はまだ戦う意欲がありそうだったが、犀破がそれを制止するやいなや、その背後がぐにゃりと歪む。逃げられると悟った陽がなおも追いかけようとするのを世羅が止めた。そんなことをしている間に、犀破と依織の姿はもうなかった。
「…く、そが…!…っ、和泉…!?」
陽は、視界に入る黒い物体で我に返る。和泉が、怪我を負ったままであることを思い返す。
慌てて陽がそれに手を触れると、その黒い塊はまるで氷が解けるように消えていく。中には血だまりの中に倒れ伏している和泉の姿があった。
「っ、…よ…う?」
脇腹を貫通したはずの和泉は意識があり、身体はどこも怪我はしていなかった。しかし血の跡は残っている。まるで、この一瞬で癒えたように見えた。
「馬鹿、お前…!死ぬ気か!?」
「し、死ななかったよ…やっぱり、犀破の言ったこと、正しかったから…それで。」
「痛いのに変わりねえだろ、馬鹿…!」
「い、痛いけど、あのままだったら陽が…!」
「二人とも、そのへんにして。出るよ。屋敷が崩れる。」
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