23 / 45
第三章 薄紅模様~うすべにもよう~
第十八話
しおりを挟む
黒く広がる物体。まるで髪の毛だ。その髪の毛らしきものは、人を狙うような動きをした。止めなければと考えるよりも先に和泉の身体が動く。
使える力を思案する。水や土では止められない、火は燃えてしまう。
この間、陽が使っていた、あの蔓なら。さっきは細くて頼りないものしか出なかったけど、それでもやるしかない。
一番近くで見ていたあの植物の造形、しなり、ロープのように扱える、それらを思い描いて手を伸ばす。スルスルっと細長い蔓が伸びた。ただ、やはり陽が使ってたような太さや量はなく、ごく細い植物の蔓が1本伸びているだけだ。しかし細くとも、蔓は髪の毛をしっかり捕らえる。逃れようと小さな髪の毛の塊ははもがくが、逃さないよう意識を集中させる。
「今のうちに、早く外へ!」
何とか立ち上がれた人たちはよろめくように店外へ出ていくが、数人はやはり腰が抜けて立てない。
このまま、この髪の毛をなんとかしないといけない。
でも、陽みたいに祓う方法がわからない。何か、長い詠唱を行っていたことはわかるけれど、さすがに覚えられてはいない。
嫌な気配のする髪の毛だ。蔓で手繰り寄せる。触れればやはり髪の毛のような質感が、余計嫌な気持ちに拍車をかける。
毛であれば、と蔓を持つ左手とは逆に右手に意識を集中する。
白い光が、今朝形作った刀になっていく。
「お願い、消えて…!」
髪の毛を拘束している蔓ごと、刀で斬る。髪の毛は小さな唸り声をあげて消えた。延びかけていた他の髪の毛も跡形もなくぼろぼろと崩れなくなった。
ほっとしたのもつかの間で、店の外が騒がしい。外に出ると、通路にも黒い髪の毛が蠢いている。
「まだ、他にもいるの…!?」
さっきのとは明らかに大きさも、気配も違う大きな髪の毛の塊。感じる嫌な感覚。どう見ても、人間に対して敵意のある存在だ。3人の人間が髪の毛に捕まっているようだが、全員恐怖で動けないか気絶している。
踏み込み、駆ける。
自分一人で対処できるかわからないが、それでもまずは人間の救出しなければ。
髪の毛が伸びた先端を斬り、一人また一人と解放していく。斬られたことに怒ったのか、獲物である人間を解放されたことに怒ったのか、髪の毛の塊は叫びにならないような唸り声をあげる。
髪の毛が攻撃してくる。幾重にも、四方八方にも迫ってくる。
この物量を捌きながら、人間たちをかばいながら。毛を斬っても斬っても、消えない。せっかく解放しても、意識のない人間がまた捕まってしまう。
刀でだめなら、やはり火で燃やすしかない。人間たちに危害を加えずに、火を放つ。
それも、できる気がしなかった。万が一、人を燃やしてしまっては取り返しがつかない。
誰か。
祈る気持ちで周囲を見渡すと、視線の先にも、そして上の階も、下の階も、叫び声が聞こえる。あちこちに、この髪の毛がいて、人間を襲ってる。さっと血の気が引いた。
紅音も近くにいない、やっぱり陽や世羅を呼ぶしかない。近くにはいるはずだ。
昨日、陽からもらった白い方の札を出し、空中に放つ。それは、翼を広げた大きな鳥のような姿になった。
胴体だけで人1人分の大きさはある、翼を広げればもっと大きい。足はまるで三本あるように見えた。
その大きな異形の鳥が髪の毛に触れると、毛はちりちりと消えていく。穢れが、浄化されているのがわかる。
「お願い。陽か、世羅を呼んできて…!」
鳥の姿をしたそれは、表情もなければなにか言葉も発しはしなかったが、和泉の言葉を聞くと理解したように、クルッと方向を変えて飛び立っていった。
そして、和泉は眼前の髪の毛に相対する。穢れている存在なら、消せるかもしれない、
否、消さなければ。
行を出すよりも、自分はこちらの方が早いと、こちらの方ができると分かっていた。今この目の前にいる、穢れた存在。
和泉が手に持っているのはもう刀の形ではない。それはシャン、と音が鳴る。
手に持っている鈴から、音が数回響いて、髪の毛たちは、さっきと同じような断末魔をあげて消えていった。
「消せた…」
しかし消せたのは1匹だけだ。少なくとも4匹は同じようなのが近くにいる。
次に向かおうとするが、倒れた人につまづいて倒れ伏し、持っていた鈴も手から離れると同時に掻き消えてしまった。
「い、たっ…!」
こちらの存在に気づいた他の髪の毛が向かってきてる。捕まえた人間を放置してでも、敵意がこちらに向いたことが分かる。
伸びてくる敵意。おそらく人間ではない自分は、人より頑丈なはず。間に合わないと悟って近くで倒れている人間を庇うように覆いかぶさり、ぎゅっと目をつぶった。
「…っ!」
絶対に来ると覚悟していた衝撃は来ない。空を裂く斬撃と、髪の毛が切断される音で恐る恐る振り向いた。
目の前に迫っていた髪の毛は燃えている。
その髪の毛を消滅させた鋭く尖ったその先端は炎がちらちらと燃えている。
襲ってきた髪の毛は苦しそうに悶えつつも、まだ存在自体は消えていない。それでも。
「悪ィ、遅くなった」
和泉と髪の毛の間に割って入るように、陽がふわりと降り立つ時、泣きそうなくらい胸に込み上げてくるものがあった。
和泉が放ったあの鳥が陽の肩をしっかり掴んでいる。和泉の願い通り、一気にここまで陽を連れてきたのだろう。
「なんだか知らねえけど、この毛がショッピングモール中に湧いてやがる。
式神使ってくれて助かった、紅音は?」
陽が来てくれた安堵と、身体が重いせいで、紅音はいないと首をふるので精一杯だった。
和泉の近くまで迫っていた髪の毛を斬り捨て、陽が和泉を起こした。
「何があった?」
「…ちょうど、そこのお店で試着してて外に出たら紅音さんはいなくて。目の前にこの髪の毛の妖怪?がいて、人を襲おうとしてたから…どうにか消したんだけど、お店の外にもたくさんいて…
とにかく嫌な気配がしたの、だから陽の怪我を直したのと同じように、穢れを浄化したら消えた。私にも何とかできたからどうにかしなきゃと思ったら足元つまずいちゃって。」
「この髪の毛、斬っても斬っても湧きやがる、多分本体を叩かねえとダメだ。」
「世羅は?」
「一旦こいつらを外に出さねえために、このショッピングモールの外周、結界で覆ってもらってる。あとは陰陽連への通報頼んである。」
話しながらも陽は警戒を緩めてはいなかった。ざあざあと音を立てて髪の毛が集まり出す。それは人並みの大きさに膨れ上がっていく。和泉たちへの敵意は明らかだ。
「ひょっとしてお前が本体か?探す手間が省けたな。」
陽は、持っていた長物だった武器を少し短くする。陽を連れてきてくれた鳥は、和泉を守るように旋回している。
中心にその刃を叩きつけようと、陽が身をかがめたその時だった。
「オマ…エガ」
膨れ上がった髪の塊から人の言葉が聞こえる。
「ナン…デ、ア…トナリ……!」
よく分からない言語が途切れ途切れに発せられる。警戒はしつつも、陽は後ろへ下がった。
髪の毛はなおも蠢きながら言葉を発する。
「ナンデ、アナタガ!!!!!」
悲鳴のような声がつんざく。髪の毛の塊が、その叫び声に呼応し、手前にいたはずの陽に目もくれずに和泉の元へと一直線に向かう。
だが和泉の元へは到達しない。
和泉を庇う形で後退した陽との、鍔迫り合いのような状態で膠着する。
「わ、けのわかんねえことを…!」
さらに後ろからもきていた髪の毛は、旋回していた鳥がその大きな三本の足で蹴り飛ばした。
「ナンデェ…アナタガ!!!陽ノ、トナリニ、イルノヨ…!!!!」
「お前、まさか…」
うねり、膨れ上がる憎悪と敵意。その大きな体に、キラリと光るのは、淡い黄緑色。
紅音の髪を纏めていた、あの黄緑色のヘアゴムだった。
使える力を思案する。水や土では止められない、火は燃えてしまう。
この間、陽が使っていた、あの蔓なら。さっきは細くて頼りないものしか出なかったけど、それでもやるしかない。
一番近くで見ていたあの植物の造形、しなり、ロープのように扱える、それらを思い描いて手を伸ばす。スルスルっと細長い蔓が伸びた。ただ、やはり陽が使ってたような太さや量はなく、ごく細い植物の蔓が1本伸びているだけだ。しかし細くとも、蔓は髪の毛をしっかり捕らえる。逃れようと小さな髪の毛の塊ははもがくが、逃さないよう意識を集中させる。
「今のうちに、早く外へ!」
何とか立ち上がれた人たちはよろめくように店外へ出ていくが、数人はやはり腰が抜けて立てない。
このまま、この髪の毛をなんとかしないといけない。
でも、陽みたいに祓う方法がわからない。何か、長い詠唱を行っていたことはわかるけれど、さすがに覚えられてはいない。
嫌な気配のする髪の毛だ。蔓で手繰り寄せる。触れればやはり髪の毛のような質感が、余計嫌な気持ちに拍車をかける。
毛であれば、と蔓を持つ左手とは逆に右手に意識を集中する。
白い光が、今朝形作った刀になっていく。
「お願い、消えて…!」
髪の毛を拘束している蔓ごと、刀で斬る。髪の毛は小さな唸り声をあげて消えた。延びかけていた他の髪の毛も跡形もなくぼろぼろと崩れなくなった。
ほっとしたのもつかの間で、店の外が騒がしい。外に出ると、通路にも黒い髪の毛が蠢いている。
「まだ、他にもいるの…!?」
さっきのとは明らかに大きさも、気配も違う大きな髪の毛の塊。感じる嫌な感覚。どう見ても、人間に対して敵意のある存在だ。3人の人間が髪の毛に捕まっているようだが、全員恐怖で動けないか気絶している。
踏み込み、駆ける。
自分一人で対処できるかわからないが、それでもまずは人間の救出しなければ。
髪の毛が伸びた先端を斬り、一人また一人と解放していく。斬られたことに怒ったのか、獲物である人間を解放されたことに怒ったのか、髪の毛の塊は叫びにならないような唸り声をあげる。
髪の毛が攻撃してくる。幾重にも、四方八方にも迫ってくる。
この物量を捌きながら、人間たちをかばいながら。毛を斬っても斬っても、消えない。せっかく解放しても、意識のない人間がまた捕まってしまう。
刀でだめなら、やはり火で燃やすしかない。人間たちに危害を加えずに、火を放つ。
それも、できる気がしなかった。万が一、人を燃やしてしまっては取り返しがつかない。
誰か。
祈る気持ちで周囲を見渡すと、視線の先にも、そして上の階も、下の階も、叫び声が聞こえる。あちこちに、この髪の毛がいて、人間を襲ってる。さっと血の気が引いた。
紅音も近くにいない、やっぱり陽や世羅を呼ぶしかない。近くにはいるはずだ。
昨日、陽からもらった白い方の札を出し、空中に放つ。それは、翼を広げた大きな鳥のような姿になった。
胴体だけで人1人分の大きさはある、翼を広げればもっと大きい。足はまるで三本あるように見えた。
その大きな異形の鳥が髪の毛に触れると、毛はちりちりと消えていく。穢れが、浄化されているのがわかる。
「お願い。陽か、世羅を呼んできて…!」
鳥の姿をしたそれは、表情もなければなにか言葉も発しはしなかったが、和泉の言葉を聞くと理解したように、クルッと方向を変えて飛び立っていった。
そして、和泉は眼前の髪の毛に相対する。穢れている存在なら、消せるかもしれない、
否、消さなければ。
行を出すよりも、自分はこちらの方が早いと、こちらの方ができると分かっていた。今この目の前にいる、穢れた存在。
和泉が手に持っているのはもう刀の形ではない。それはシャン、と音が鳴る。
手に持っている鈴から、音が数回響いて、髪の毛たちは、さっきと同じような断末魔をあげて消えていった。
「消せた…」
しかし消せたのは1匹だけだ。少なくとも4匹は同じようなのが近くにいる。
次に向かおうとするが、倒れた人につまづいて倒れ伏し、持っていた鈴も手から離れると同時に掻き消えてしまった。
「い、たっ…!」
こちらの存在に気づいた他の髪の毛が向かってきてる。捕まえた人間を放置してでも、敵意がこちらに向いたことが分かる。
伸びてくる敵意。おそらく人間ではない自分は、人より頑丈なはず。間に合わないと悟って近くで倒れている人間を庇うように覆いかぶさり、ぎゅっと目をつぶった。
「…っ!」
絶対に来ると覚悟していた衝撃は来ない。空を裂く斬撃と、髪の毛が切断される音で恐る恐る振り向いた。
目の前に迫っていた髪の毛は燃えている。
その髪の毛を消滅させた鋭く尖ったその先端は炎がちらちらと燃えている。
襲ってきた髪の毛は苦しそうに悶えつつも、まだ存在自体は消えていない。それでも。
「悪ィ、遅くなった」
和泉と髪の毛の間に割って入るように、陽がふわりと降り立つ時、泣きそうなくらい胸に込み上げてくるものがあった。
和泉が放ったあの鳥が陽の肩をしっかり掴んでいる。和泉の願い通り、一気にここまで陽を連れてきたのだろう。
「なんだか知らねえけど、この毛がショッピングモール中に湧いてやがる。
式神使ってくれて助かった、紅音は?」
陽が来てくれた安堵と、身体が重いせいで、紅音はいないと首をふるので精一杯だった。
和泉の近くまで迫っていた髪の毛を斬り捨て、陽が和泉を起こした。
「何があった?」
「…ちょうど、そこのお店で試着してて外に出たら紅音さんはいなくて。目の前にこの髪の毛の妖怪?がいて、人を襲おうとしてたから…どうにか消したんだけど、お店の外にもたくさんいて…
とにかく嫌な気配がしたの、だから陽の怪我を直したのと同じように、穢れを浄化したら消えた。私にも何とかできたからどうにかしなきゃと思ったら足元つまずいちゃって。」
「この髪の毛、斬っても斬っても湧きやがる、多分本体を叩かねえとダメだ。」
「世羅は?」
「一旦こいつらを外に出さねえために、このショッピングモールの外周、結界で覆ってもらってる。あとは陰陽連への通報頼んである。」
話しながらも陽は警戒を緩めてはいなかった。ざあざあと音を立てて髪の毛が集まり出す。それは人並みの大きさに膨れ上がっていく。和泉たちへの敵意は明らかだ。
「ひょっとしてお前が本体か?探す手間が省けたな。」
陽は、持っていた長物だった武器を少し短くする。陽を連れてきてくれた鳥は、和泉を守るように旋回している。
中心にその刃を叩きつけようと、陽が身をかがめたその時だった。
「オマ…エガ」
膨れ上がった髪の塊から人の言葉が聞こえる。
「ナン…デ、ア…トナリ……!」
よく分からない言語が途切れ途切れに発せられる。警戒はしつつも、陽は後ろへ下がった。
髪の毛はなおも蠢きながら言葉を発する。
「ナンデ、アナタガ!!!!!」
悲鳴のような声がつんざく。髪の毛の塊が、その叫び声に呼応し、手前にいたはずの陽に目もくれずに和泉の元へと一直線に向かう。
だが和泉の元へは到達しない。
和泉を庇う形で後退した陽との、鍔迫り合いのような状態で膠着する。
「わ、けのわかんねえことを…!」
さらに後ろからもきていた髪の毛は、旋回していた鳥がその大きな三本の足で蹴り飛ばした。
「ナンデェ…アナタガ!!!陽ノ、トナリニ、イルノヨ…!!!!」
「お前、まさか…」
うねり、膨れ上がる憎悪と敵意。その大きな体に、キラリと光るのは、淡い黄緑色。
紅音の髪を纏めていた、あの黄緑色のヘアゴムだった。
11
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説

異世界に追放されました。二度目の人生は辺境貴族の長男です。
ファンタスティック小説家
ファンタジー
科学者・伊介天成(いかい てんせい)はある日、自分の勤める巨大企業『イセカイテック』が、転移装置開発プロジェクトの遅延を世間にたいして隠蔽していたことを知る。モルモットですら実験をしてないのに「有人転移成功!」とうそぶいていたのだ。急進的にすすむ異世界開発事業において、優位性を保つために、『イセカイテック』は計画を無理に進めようとしていた。たとえ、試験段階の転移装置にいきなり人間を乗せようとも──。
実験の無謀さを指摘した伊介天成は『イセカイテック』に邪魔者とみなされ、転移装置の実験という名目でこの世界から追放されてしまう。
無茶すぎる転移をさせられ死を覚悟する伊介天成。だが、次に目が覚めた時──彼は剣と魔法の異世界に転生していた。
辺境貴族アルドレア家の長男アーカムとして生まれかわった伊介天成は、異世界での二度目の人生をゼロからスタートさせる。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
僕は君を思うと吐き気がする
月山 歩
恋愛
貧乏侯爵家だった私は、お金持ちの夫が亡くなると、次はその弟をあてがわれた。私は、母の生活の支援もしてもらいたいから、拒否できない。今度こそ、新しい夫に愛されてみたいけど、彼は、私を思うと吐き気がするそうです。再び白い結婚が始まった。

聖女は聞いてしまった
夕景あき
ファンタジー
「道具に心は不要だ」
父である国王に、そう言われて育った聖女。
彼女の周囲には、彼女を心を持つ人間として扱う人は、ほとんどいなくなっていた。
聖女自身も、自分の心の動きを無視して、聖女という治癒道具になりきり何も考えず、言われた事をただやり、ただ生きているだけの日々を過ごしていた。
そんな日々が10年過ぎた後、勇者と賢者と魔法使いと共に聖女は魔王討伐の旅に出ることになる。
旅の中で心をとり戻し、勇者に恋をする聖女。
しかし、勇者の本音を聞いてしまった聖女は絶望するのだった·····。
ネガティブ思考系聖女の恋愛ストーリー!
※ハッピーエンドなので、安心してお読みください!
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる