11 / 45
第一章 彼誰時~かはたれとき~
第六話
しおりを挟む
「珍しいよね、陽があそこまで動くなんて」
和泉の処遇に関しては、すぐここで決めていいものではないかった。一旦、そのまま部屋で待ってもらうことにして、陽、世羅、颯希は廊下に出た。
陰陽連の中は外よりははるかに安全なものの、一応世羅が結界を張って。自販機で買ったコーヒーを一口飲んで、世羅は陽に問いかける。
「あのコのこと、どう思う?」
「どうもなにも、別に。
ほんとに死にたがってんなら別に止めねえよ、こんな世界生きてたってしかたねえ気持ちわかるし。
まあ。あいつは浄化の力が使える。ソレ系の力は貴重だ。あいつは情報吐かせて殺すより利用したほうがいい。」
うっかり怪我を負い、和泉に借りを作ったとは言えなかった。その借りを返すために、精神世界に入ってまで手を伸ばしたことも。借りを、返しただけだと陽は自分に言い聞かせる。
「あんな素性のよく分からない女を入れるとは正気か。」
低くヒリついた声が後ろから聞こえた。
3人とも、振り向かずとも誰が来たのかはもうわかっていた。
鋭い目で3人をにらみながら、癖のある黒髪の青年がこちらへやってきて、そのまま自販機のコーヒーのボタンを押す。
「なに、悠河はまだ陽と組みたいの?」
世羅は飲み終えたコーヒーの缶を捨てながら、少し煽るような口調で悠河に話しかける。目は合わせていなかった。
悠河と呼ばれたくせ毛の青年は世羅の言葉よりも、世羅自身にイラついた態度を表 示す。
「貴様には聞いていない。」
「やめろ世羅、絡むな。」
制止する陽自身も、その制止の言葉に対して効力がないことは分かっている。悠河と世羅の間の溝が今に始まったことではないのが明白だからだ。颯希が二人の間に割って入る。
「素性に関してはおいおい調べればいいわよ。すぐわかるでしょ。別にウチは、アンチ人外でもないんだし」
「何か起きてからでは遅い。あんたの首でどうにかなるレベルのことなら、構わんけどな。」
「まあでも、彼女が私らになにかするならいくらでもチャンスはあったしねえ。ましてや、こーーんな失礼な態度の陽のことも一応は助けてくれたみたいだし。
とりあえず人間に対して敵意がないのは火を見るより明らかだと思うけど?」
「それが罠でない保証はないだろうが。」
世羅が煽るような言い方をするせいで、再び悠河も語気が強くなる。けれど、また颯希が制止するよりも先に。
「悠河の言うことももっともだね。」
先立って悠河の来たほうから聴こえる、中性的な声。格別大きな声では無いのに、はっきりと耳に届く。声の主、白い直衣姿の彼は、陰陽師 土御門白斗。
そろえられた黒髪はつややかで、女性でもここまで美しい髪はなかなかお目にかかれない。大きな黒い瞳は穏やかで、顔立ちは貴族のように気品あふれている。見た目こそ陽たちよりはるかに幼い、10歳程度の子供だが、身に纏う雰囲気は大人すら気負されるものがある。
白斗は、この陰陽連における実質的なトップの人間だ。
本来陰陽連のトップは陰陽頭・土御門玄蕃、白斗の祖父にあたる存在がいる。
しかし今は危篤状態のため、事実上次の土御門の当主白斗が事実上のトップとなっている。
今にも世羅につかみかかりそうだった悠河もさすがにおとなしくなる。そんな様子を見て、まるで子供を慈しむような表情を浮かべて白斗は提案する。
「どうだろう、彼女が僕ら人間に対して敵意がないことが証明出来たら、納得するかな。ちょうど依頼があってね。
人間が神隠しにあったと少し騒ぎになっているビルがあるんだ。実際2,3人行方が分からないものがでている。
その調査を陽、世羅、和泉さんと3人でお願いしたい。
私もさっと占じただけで申し訳ないのだけども、『水難』の気配だ。水に関わる何かしらの存在がそのビルにいるのは間違いない。
頼めるかな。」
口調こそ穏やかなものの、拒否権などない。陽がうなずき、世羅が了解とだけ口にした。その様子を見て、颯希もやれやれと胸をなでおろす。
「仕事ならやる、その間あいつを追ってる例の蜘蛛、調べといてくれよ。」
「それはもちろんだよ。和泉さんのことも調べよう。
悠河?この依頼が解決したら、彼女の陰陽連入は認めてくれるかな。」
「…そのビルの被害者が全員生還したら考えてやってもいい。」
やや含みのある言い方が彼らしいと陽は思った。どうせ、「認めるとは言ってない」だのなんだの言ってくることが目に見えている。
ただ、今は陰陽頭の命令である。陽や世羅に拒否権がないのと同様に、悠河にも拒否はできない。
白斗はやんわりと笑みを浮かべる。
「決まりだね。
まだちょっと先代の件で、上でごたついているから、失礼する。
頼んだよ、陽、世羅。」
いつもと同じだ。
仕事の依頼があって、それを陽と世羅で遂行する。
今回は、和泉がいるだけ。
いつもどおりのはずだった戦いの日常に、綻びが生じたことに、まだ気づく由もなかった。
*****
和泉一人を待たせていた部屋に戻ったのは陽と世羅のみ。
白斗と颯希は他にも仕事があるとかなんとか言いながら、その場を去っていった。
悠河も本来であればコーヒーを飲みに来ただけで、悪態をつくだけついて立ち去ったのだろう。
世羅が人好きのする笑みを浮かべながら、先ほど白斗にいわれた仕事の話をする。
「とまあそういうわけで、君もめでたく陰陽連の一員だ。よろしくね。ただ、私と同様に人間以外に嫌悪感をしめす者たちが大勢いるからね。
基本的には私らが一緒にいるつもりだけど…あまり1人で行動しない方がいい。」
和泉がうなずくのを見て、陽が続けた。
「んじゃとりあえず、現地行く前に聞いとくけど。
お前、オレの傷を治したよな。
オレには、穢れを祓ったように思えたけど、お前がなんの力を使えるか、聞かせろ。
上の命令とはいえ一応はチームメイトだ。
命預ける相手に、不必要に隠し事すんなよ。」
「あまり…私も理屈で説明できるわけじゃないけど。手に力を込めると、あったかくなって力がでる。感覚としては、綺麗にするというか…、浄化する感じだと思う。
だから怪我そのものは全部は直せない。傷自体は穢れてる訳じゃないからね。ちょっとは癒せるみたいだけど…
妖気を祓ったり防いだり、穢れを浄化したり。同じ要領で結界みたいなこともできるけど、あくまで浄化だからその…あなたたちみたいな術者の攻撃までは防げないと思うよ。」
「んじゃ、現状お前はほぼ足でまとい、なわけだ。自衛についてはそのうちなんとかしてもらうとして。
コレ持ってろ。」
陽が和泉に手渡したのは札2枚。
なにやら文字や模様やらが書かれた白い札と、何も書かれてない真っ黒な札だ。
「白い方は式神、オレの分身みたいなやつ。
当たり前だけどオレよりは力も耐久性も弱い。札に込めた霊力が枯渇したら消えるからな。お前一人をそこそこ守るだけの力はある。
黒い方は結界。使えば光も術も、それこそ穢れも通さない結界ができる。オレしか解除できないくらいに強い。ただし、使えばその場から動けなくなるから注意な。オレらと離されて本気でヤバいと思った時の最終手段でいい、保険みたいなもんだ。
どっちも放り投げれば使える。落とすなよ。」
和泉は目を丸くした。
「何だよ」
「いや、あの、ここまでしてくれるとは思ってなくて。てっきり、捕虜みたいな扱いされるかと」
「捕虜じゃねえけど、捕虜なら尚更大事にするだろ。お前になんかあったら上からドヤされるのオレらだから。」
つっけんどんに言うとそっぽを向いてしまった。
言い方にやや難アリなだけで、悪い人でないのはもうわかっていた和泉は、素直に札を受け取る。
「さてと。女の子がいつまでもそんなボロボロじゃあね。
てきとうに持ってきたんだけど、気に入らなかったら後で買いに行くから、ちょっとだけ我慢してね。」
そういえば、着の身着のまま、というかなかば服ともいえない状態でずっといたことに今更少し羞恥心が芽生えた和泉に対し、世羅は続けざまに言う。
「そうそう。大事なことを伝えておこうか。
私ね、人間じゃないし、あと男だから。」
眼前の美貌の顔は、にっこり笑ってこともなげに大きな事実を和泉に告げてきたのだった。
和泉の処遇に関しては、すぐここで決めていいものではないかった。一旦、そのまま部屋で待ってもらうことにして、陽、世羅、颯希は廊下に出た。
陰陽連の中は外よりははるかに安全なものの、一応世羅が結界を張って。自販機で買ったコーヒーを一口飲んで、世羅は陽に問いかける。
「あのコのこと、どう思う?」
「どうもなにも、別に。
ほんとに死にたがってんなら別に止めねえよ、こんな世界生きてたってしかたねえ気持ちわかるし。
まあ。あいつは浄化の力が使える。ソレ系の力は貴重だ。あいつは情報吐かせて殺すより利用したほうがいい。」
うっかり怪我を負い、和泉に借りを作ったとは言えなかった。その借りを返すために、精神世界に入ってまで手を伸ばしたことも。借りを、返しただけだと陽は自分に言い聞かせる。
「あんな素性のよく分からない女を入れるとは正気か。」
低くヒリついた声が後ろから聞こえた。
3人とも、振り向かずとも誰が来たのかはもうわかっていた。
鋭い目で3人をにらみながら、癖のある黒髪の青年がこちらへやってきて、そのまま自販機のコーヒーのボタンを押す。
「なに、悠河はまだ陽と組みたいの?」
世羅は飲み終えたコーヒーの缶を捨てながら、少し煽るような口調で悠河に話しかける。目は合わせていなかった。
悠河と呼ばれたくせ毛の青年は世羅の言葉よりも、世羅自身にイラついた態度を表 示す。
「貴様には聞いていない。」
「やめろ世羅、絡むな。」
制止する陽自身も、その制止の言葉に対して効力がないことは分かっている。悠河と世羅の間の溝が今に始まったことではないのが明白だからだ。颯希が二人の間に割って入る。
「素性に関してはおいおい調べればいいわよ。すぐわかるでしょ。別にウチは、アンチ人外でもないんだし」
「何か起きてからでは遅い。あんたの首でどうにかなるレベルのことなら、構わんけどな。」
「まあでも、彼女が私らになにかするならいくらでもチャンスはあったしねえ。ましてや、こーーんな失礼な態度の陽のことも一応は助けてくれたみたいだし。
とりあえず人間に対して敵意がないのは火を見るより明らかだと思うけど?」
「それが罠でない保証はないだろうが。」
世羅が煽るような言い方をするせいで、再び悠河も語気が強くなる。けれど、また颯希が制止するよりも先に。
「悠河の言うことももっともだね。」
先立って悠河の来たほうから聴こえる、中性的な声。格別大きな声では無いのに、はっきりと耳に届く。声の主、白い直衣姿の彼は、陰陽師 土御門白斗。
そろえられた黒髪はつややかで、女性でもここまで美しい髪はなかなかお目にかかれない。大きな黒い瞳は穏やかで、顔立ちは貴族のように気品あふれている。見た目こそ陽たちよりはるかに幼い、10歳程度の子供だが、身に纏う雰囲気は大人すら気負されるものがある。
白斗は、この陰陽連における実質的なトップの人間だ。
本来陰陽連のトップは陰陽頭・土御門玄蕃、白斗の祖父にあたる存在がいる。
しかし今は危篤状態のため、事実上次の土御門の当主白斗が事実上のトップとなっている。
今にも世羅につかみかかりそうだった悠河もさすがにおとなしくなる。そんな様子を見て、まるで子供を慈しむような表情を浮かべて白斗は提案する。
「どうだろう、彼女が僕ら人間に対して敵意がないことが証明出来たら、納得するかな。ちょうど依頼があってね。
人間が神隠しにあったと少し騒ぎになっているビルがあるんだ。実際2,3人行方が分からないものがでている。
その調査を陽、世羅、和泉さんと3人でお願いしたい。
私もさっと占じただけで申し訳ないのだけども、『水難』の気配だ。水に関わる何かしらの存在がそのビルにいるのは間違いない。
頼めるかな。」
口調こそ穏やかなものの、拒否権などない。陽がうなずき、世羅が了解とだけ口にした。その様子を見て、颯希もやれやれと胸をなでおろす。
「仕事ならやる、その間あいつを追ってる例の蜘蛛、調べといてくれよ。」
「それはもちろんだよ。和泉さんのことも調べよう。
悠河?この依頼が解決したら、彼女の陰陽連入は認めてくれるかな。」
「…そのビルの被害者が全員生還したら考えてやってもいい。」
やや含みのある言い方が彼らしいと陽は思った。どうせ、「認めるとは言ってない」だのなんだの言ってくることが目に見えている。
ただ、今は陰陽頭の命令である。陽や世羅に拒否権がないのと同様に、悠河にも拒否はできない。
白斗はやんわりと笑みを浮かべる。
「決まりだね。
まだちょっと先代の件で、上でごたついているから、失礼する。
頼んだよ、陽、世羅。」
いつもと同じだ。
仕事の依頼があって、それを陽と世羅で遂行する。
今回は、和泉がいるだけ。
いつもどおりのはずだった戦いの日常に、綻びが生じたことに、まだ気づく由もなかった。
*****
和泉一人を待たせていた部屋に戻ったのは陽と世羅のみ。
白斗と颯希は他にも仕事があるとかなんとか言いながら、その場を去っていった。
悠河も本来であればコーヒーを飲みに来ただけで、悪態をつくだけついて立ち去ったのだろう。
世羅が人好きのする笑みを浮かべながら、先ほど白斗にいわれた仕事の話をする。
「とまあそういうわけで、君もめでたく陰陽連の一員だ。よろしくね。ただ、私と同様に人間以外に嫌悪感をしめす者たちが大勢いるからね。
基本的には私らが一緒にいるつもりだけど…あまり1人で行動しない方がいい。」
和泉がうなずくのを見て、陽が続けた。
「んじゃとりあえず、現地行く前に聞いとくけど。
お前、オレの傷を治したよな。
オレには、穢れを祓ったように思えたけど、お前がなんの力を使えるか、聞かせろ。
上の命令とはいえ一応はチームメイトだ。
命預ける相手に、不必要に隠し事すんなよ。」
「あまり…私も理屈で説明できるわけじゃないけど。手に力を込めると、あったかくなって力がでる。感覚としては、綺麗にするというか…、浄化する感じだと思う。
だから怪我そのものは全部は直せない。傷自体は穢れてる訳じゃないからね。ちょっとは癒せるみたいだけど…
妖気を祓ったり防いだり、穢れを浄化したり。同じ要領で結界みたいなこともできるけど、あくまで浄化だからその…あなたたちみたいな術者の攻撃までは防げないと思うよ。」
「んじゃ、現状お前はほぼ足でまとい、なわけだ。自衛についてはそのうちなんとかしてもらうとして。
コレ持ってろ。」
陽が和泉に手渡したのは札2枚。
なにやら文字や模様やらが書かれた白い札と、何も書かれてない真っ黒な札だ。
「白い方は式神、オレの分身みたいなやつ。
当たり前だけどオレよりは力も耐久性も弱い。札に込めた霊力が枯渇したら消えるからな。お前一人をそこそこ守るだけの力はある。
黒い方は結界。使えば光も術も、それこそ穢れも通さない結界ができる。オレしか解除できないくらいに強い。ただし、使えばその場から動けなくなるから注意な。オレらと離されて本気でヤバいと思った時の最終手段でいい、保険みたいなもんだ。
どっちも放り投げれば使える。落とすなよ。」
和泉は目を丸くした。
「何だよ」
「いや、あの、ここまでしてくれるとは思ってなくて。てっきり、捕虜みたいな扱いされるかと」
「捕虜じゃねえけど、捕虜なら尚更大事にするだろ。お前になんかあったら上からドヤされるのオレらだから。」
つっけんどんに言うとそっぽを向いてしまった。
言い方にやや難アリなだけで、悪い人でないのはもうわかっていた和泉は、素直に札を受け取る。
「さてと。女の子がいつまでもそんなボロボロじゃあね。
てきとうに持ってきたんだけど、気に入らなかったら後で買いに行くから、ちょっとだけ我慢してね。」
そういえば、着の身着のまま、というかなかば服ともいえない状態でずっといたことに今更少し羞恥心が芽生えた和泉に対し、世羅は続けざまに言う。
「そうそう。大事なことを伝えておこうか。
私ね、人間じゃないし、あと男だから。」
眼前の美貌の顔は、にっこり笑ってこともなげに大きな事実を和泉に告げてきたのだった。
12
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
スコップ1つで異世界征服
葦元狐雪
ファンタジー
超健康生活を送っているニートの戸賀勇希の元へ、ある日突然赤い手紙が届く。
その中には、誰も知らないゲームが記録されている謎のUSBメモリ。
怪しいと思いながらも、戸賀勇希は夢中でそのゲームをクリアするが、何者かの手によってPCの中に引き込まれてしまい......
※グロテスクにチェックを入れるのを忘れていました。申し訳ありません。
※クズな主人公が試行錯誤しながら現状を打開していく成長もののストーリーです。
※ヒロインが死ぬ? 大丈夫、死にません。
※矛盾点などがないよう配慮しているつもりですが、もしありましたら申し訳ございません。すぐに修正いたします。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
僕は君を思うと吐き気がする
月山 歩
恋愛
貧乏侯爵家だった私は、お金持ちの夫が亡くなると、次はその弟をあてがわれた。私は、母の生活の支援もしてもらいたいから、拒否できない。今度こそ、新しい夫に愛されてみたいけど、彼は、私を思うと吐き気がするそうです。再び白い結婚が始まった。

聖女は聞いてしまった
夕景あき
ファンタジー
「道具に心は不要だ」
父である国王に、そう言われて育った聖女。
彼女の周囲には、彼女を心を持つ人間として扱う人は、ほとんどいなくなっていた。
聖女自身も、自分の心の動きを無視して、聖女という治癒道具になりきり何も考えず、言われた事をただやり、ただ生きているだけの日々を過ごしていた。
そんな日々が10年過ぎた後、勇者と賢者と魔法使いと共に聖女は魔王討伐の旅に出ることになる。
旅の中で心をとり戻し、勇者に恋をする聖女。
しかし、勇者の本音を聞いてしまった聖女は絶望するのだった·····。
ネガティブ思考系聖女の恋愛ストーリー!
※ハッピーエンドなので、安心してお読みください!
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
蛇のおよずれ
深山なずな
キャラ文芸
平安時代、とある屋敷に紅姫と呼ばれる姫がいた。彼女は非常に美しい容姿をしており、また、特殊な力を持っていた。
ある日、紅姫は呪われた1匹の蛇を助ける。そのことが彼女の運命を大きく変えることになるとは知らずに……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる