15 / 21
考察※
しおりを挟む
「坊っちゃま、お食事のご用意ができましたのでお持ちしました。食後はお体の清拭も致しましょうね」
一礼してワゴンと共に部屋へ入ってきたメイドに声をかけられる。
「いや、入浴の用意をしてもらえないか?拭くのではなく湯に浸かりたい」
綺麗にしてくれてはいるのだが二週間風呂に入っていないと思うどうも気持ちが悪い。
メイドはちらりと兄の方を伺い、頷いているのを確認してから了承してくれる。
用意された食事は流石に二週間寝たきりだっただけに、いつもの食事とは違い、スープ中心のものが用意されていた。
ブイヨンスープにホロホロにほぐされた滋養の高いブラングルズという魔獣の肉がたっぷり入っている。それに茹でるとホクホクとした食感になるレグダという紅い野菜を潰したものが付け合わされていた。
病人食といえばお粥という日本人的感覚からはかけ離れているが、現世人は内臓的にも前世の人より丈夫にできている為問題なく吸収できる。更にいえば俺はその中でもかなり丈夫な方だ。
兄の監視の元、全て食べ終わると納得したように頷かれる。
風呂にも付き添うと言うのをどうにか断り、一人で浴室に向かう。結界騒ぎですっかり兄の信用を失ったようだ。
二週間寝たきりだった割にはしっかりと体が動く。やはりあちこち凝り固まっているようなところはあるが動くのに支障は無い。前世ならこうはいかなかっただろうが、現世の体はかなり丈夫に出来ていて有難い。
そのようなことをぼんやりと考えながら衣服を脱ぎ捨て浴室へと移動する。
体を洗っている最中にふと何か違和感を感じ、視線を下げてハタと気づいた。
ーーーーーモザイクが無い?!
股間を凝視する。
長年そこにあり続けたモザイクが消えている。
そういえば…。
過去の記憶を取り戻したことで、あの事故以前にはモザイクが無かったかもしれないことにも思い当たる。
感慨深い思いで自分の一物を握り、矯めつ眇めつじっくりと眺める。
成長してから初めて見るそれは、体格に見合う大きさにしっかりと育っていた。握った手をゆるゆると上下に動かし擦っていき、だんだんと角度を変えはじめたそれを確かめるように、亀頭の先やカリ首にも指を滑らせてみる。
手に触れる感覚は確かに同じではあるのだが、見えているのと見えていないのとではやはり違う。モザイクがかかっていた時は快楽もまた薄い布を一枚隔てたような感覚を拭えず、どうしても違和感があった。
そのせいで快楽を追うものというより、ただの処理作業となりがちだった自慰行為に新鮮ささえ覚える。
しかし、この快楽が自分の手によるものではなく、ジストから与えられ、また与えるものであれば、と思わずにはいられない…。
ジスト…………
今ならジストの肢体の隅々まで見たり触れたり出来るのだ。
両の乳首にひっかかっていた切り裂かれたシャツ。演習時モザイクのせいで見えなかった乳首も今ならきっと見えるはず。
シャツの切れ目から手を差し入れて肌に密着させ円を描くようにそっと撫でさすると、大きな手のひらに転がされた二つの小さな突起が立ち上がるのが伝わる。
想像に煽られて一物を擦る手が早まる。
ジストの下肢に片手を這わせながら、慎ましくも存在を主張している乳首を舌の腹全体で舐め上げてから、唇に挟んで転がしたり舌先に力を入れて根元をなぞるようにして丹念に味わう。
その刺激に呼応するようにジストの口からは甘い吐息がこぼれ落ちていく。
舌を這わせたまま胸から首筋に移動して耳朶を口に含んで愛撫したあと、俺のものだと主張するように、首筋を舐め上げたところに所有印を落とす。
耳元で愛を囁けばジストの体は喜悦に震えて応えてくれる。
俺の言葉、与える刺激のひとつひとつに理性を溶かしていく愛しいジスト。
甘い吐息を吸い上げようと夢中で口づけているうちに、ジストの口端からこぼれた唾液は、もうどちらのものなのか判からないくらいに混ざりあっていて………
ーーーーー。
俺は、今のこの状況の名前を知っている。
前世での名前ではあるが。
そう、賢者タイム。ただいまその真っ只中に身を置いている。
自分のものを確かめるだけのはずが、ジストをおかずに致してしまいました…。
父上兄上、心配御無用です。昨日まで意識不明ではありましたが、十二分に元気なようです…。
着替えを済ませて浴室から戻り、ベッドにドサリと身を横たえる。
それにしても……
何故モザイクが消えたのか?
股間のモザイクについての考察をしはじめる。
きっかけは当然あの事故だろう。あの時は自分の持つ全ての魔力を出し切って対処した。そのことが原因で消えたとするならば、意図してはいないものの、やはり自分でかけた魔法であったのだろうか?魔力が完全に尽きたから、かけ続けていた魔法が途切れたということか?
しかしそんな事が本当に可能なのだろうか?もしそうだとしたら、一定の魔法を常時10年以上もの間途切れることなくかけ続けていたことになるのだ。
まさかな……
そう思いながら目を閉じる。
何だかんだで疲れていたのか目を閉じるとすぐに眠りに落ちていった。
一礼してワゴンと共に部屋へ入ってきたメイドに声をかけられる。
「いや、入浴の用意をしてもらえないか?拭くのではなく湯に浸かりたい」
綺麗にしてくれてはいるのだが二週間風呂に入っていないと思うどうも気持ちが悪い。
メイドはちらりと兄の方を伺い、頷いているのを確認してから了承してくれる。
用意された食事は流石に二週間寝たきりだっただけに、いつもの食事とは違い、スープ中心のものが用意されていた。
ブイヨンスープにホロホロにほぐされた滋養の高いブラングルズという魔獣の肉がたっぷり入っている。それに茹でるとホクホクとした食感になるレグダという紅い野菜を潰したものが付け合わされていた。
病人食といえばお粥という日本人的感覚からはかけ離れているが、現世人は内臓的にも前世の人より丈夫にできている為問題なく吸収できる。更にいえば俺はその中でもかなり丈夫な方だ。
兄の監視の元、全て食べ終わると納得したように頷かれる。
風呂にも付き添うと言うのをどうにか断り、一人で浴室に向かう。結界騒ぎですっかり兄の信用を失ったようだ。
二週間寝たきりだった割にはしっかりと体が動く。やはりあちこち凝り固まっているようなところはあるが動くのに支障は無い。前世ならこうはいかなかっただろうが、現世の体はかなり丈夫に出来ていて有難い。
そのようなことをぼんやりと考えながら衣服を脱ぎ捨て浴室へと移動する。
体を洗っている最中にふと何か違和感を感じ、視線を下げてハタと気づいた。
ーーーーーモザイクが無い?!
股間を凝視する。
長年そこにあり続けたモザイクが消えている。
そういえば…。
過去の記憶を取り戻したことで、あの事故以前にはモザイクが無かったかもしれないことにも思い当たる。
感慨深い思いで自分の一物を握り、矯めつ眇めつじっくりと眺める。
成長してから初めて見るそれは、体格に見合う大きさにしっかりと育っていた。握った手をゆるゆると上下に動かし擦っていき、だんだんと角度を変えはじめたそれを確かめるように、亀頭の先やカリ首にも指を滑らせてみる。
手に触れる感覚は確かに同じではあるのだが、見えているのと見えていないのとではやはり違う。モザイクがかかっていた時は快楽もまた薄い布を一枚隔てたような感覚を拭えず、どうしても違和感があった。
そのせいで快楽を追うものというより、ただの処理作業となりがちだった自慰行為に新鮮ささえ覚える。
しかし、この快楽が自分の手によるものではなく、ジストから与えられ、また与えるものであれば、と思わずにはいられない…。
ジスト…………
今ならジストの肢体の隅々まで見たり触れたり出来るのだ。
両の乳首にひっかかっていた切り裂かれたシャツ。演習時モザイクのせいで見えなかった乳首も今ならきっと見えるはず。
シャツの切れ目から手を差し入れて肌に密着させ円を描くようにそっと撫でさすると、大きな手のひらに転がされた二つの小さな突起が立ち上がるのが伝わる。
想像に煽られて一物を擦る手が早まる。
ジストの下肢に片手を這わせながら、慎ましくも存在を主張している乳首を舌の腹全体で舐め上げてから、唇に挟んで転がしたり舌先に力を入れて根元をなぞるようにして丹念に味わう。
その刺激に呼応するようにジストの口からは甘い吐息がこぼれ落ちていく。
舌を這わせたまま胸から首筋に移動して耳朶を口に含んで愛撫したあと、俺のものだと主張するように、首筋を舐め上げたところに所有印を落とす。
耳元で愛を囁けばジストの体は喜悦に震えて応えてくれる。
俺の言葉、与える刺激のひとつひとつに理性を溶かしていく愛しいジスト。
甘い吐息を吸い上げようと夢中で口づけているうちに、ジストの口端からこぼれた唾液は、もうどちらのものなのか判からないくらいに混ざりあっていて………
ーーーーー。
俺は、今のこの状況の名前を知っている。
前世での名前ではあるが。
そう、賢者タイム。ただいまその真っ只中に身を置いている。
自分のものを確かめるだけのはずが、ジストをおかずに致してしまいました…。
父上兄上、心配御無用です。昨日まで意識不明ではありましたが、十二分に元気なようです…。
着替えを済ませて浴室から戻り、ベッドにドサリと身を横たえる。
それにしても……
何故モザイクが消えたのか?
股間のモザイクについての考察をしはじめる。
きっかけは当然あの事故だろう。あの時は自分の持つ全ての魔力を出し切って対処した。そのことが原因で消えたとするならば、意図してはいないものの、やはり自分でかけた魔法であったのだろうか?魔力が完全に尽きたから、かけ続けていた魔法が途切れたということか?
しかしそんな事が本当に可能なのだろうか?もしそうだとしたら、一定の魔法を常時10年以上もの間途切れることなくかけ続けていたことになるのだ。
まさかな……
そう思いながら目を閉じる。
何だかんだで疲れていたのか目を閉じるとすぐに眠りに落ちていった。
31
お気に入りに追加
380
あなたにおすすめの小説

【完結】乙女ゲーの悪役モブに転生しました〜処刑は嫌なので真面目に生きてたら何故か公爵令息様に溺愛されてます〜
百日紅
BL
目が覚めたら、そこは乙女ゲームの世界でしたーー。
最後は処刑される運命の悪役モブ“サミール”に転生した主人公。
死亡ルートを回避するため学園の隅で日陰者ライフを送っていたのに、何故か攻略キャラの一人“ギルバート”に好意を寄せられる。
※毎日18:30投稿予定
王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?
いりん
恋愛
婚約者の王子が好きだったが、
たまたま付き人と、
「婚約者のことが好きなわけじゃないー
王族なんて恋愛して結婚なんてできないだろう」
と話ながら切なそうに聖女を見つめている王子を見て、王子の片思いに気付いた。
私が悪役令嬢になれば、聖女と王子は結婚できるはず!と婚約破棄を目指してたのに…、
「僕と婚約破棄して、あいつと結婚するつもり?許さないよ」
なんで執着するんてすか??
策略家王子×天然令嬢の両片思いストーリー
基本的に悪い人が出てこないほのぼのした話です。
【完結】悪役令息の従者に転職しました
*
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。
依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。
皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ!
本編完結しました!
『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく、舞踏会編、はじめましたー!
他のお話を読まなくても大丈夫なようにお書きするので、気軽に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
【完結】何一つ僕のお願いを聞いてくれない彼に、別れてほしいとお願いした結果。
N2O
BL
好きすぎて一部倫理観に反することをしたα × 好きすぎて馬鹿なことしちゃったΩ
※オメガバース設定をお借りしています。
※素人作品です。温かな目でご覧ください。
表紙絵
⇨ 深浦裕 様 X(@yumiura221018)
シャルルは死んだ
ふじの
BL
地方都市で理髪店を営むジルには、秘密がある。実はかつてはシャルルという名前で、傲慢な貴族だったのだ。しかし婚約者であった第二王子のファビアン殿下に嫌われていると知り、身を引いて王都を四年前に去っていた。そんなある日、店の買い出しで出かけた先でファビアン殿下と再会し──。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
愛していた王に捨てられて愛人になった少年は騎士に娶られる
彩月野生
BL
湖に落ちた十六歳の少年文斗は異世界にやって来てしまった。
国王と愛し合うようになった筈なのに、王は突然妃を迎え、文斗は愛人として扱われるようになり、さらには騎士と結婚して子供を産めと強要されてしまう。
王を愛する気持ちを捨てられないまま、文斗は騎士との結婚生活を送るのだが、騎士への感情の変化に戸惑うようになる。
(誤字脱字報告は不要)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる