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デートの後は
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ギルオレさんとのデートを終え、部屋に着いてすぐにクエスト画面を確認した。
『好感度を上げてみよう』クリア済
クエスト達成条件:攻略対象とデートして好感度を上げる
達成期限:前クエスト達成後20日以内
達成可能レベル :16
『クリア済』の文字を見つけて心の底からほっとする。
ギルオレさん、ありがとう!
ホント、自分勝手で色々申し訳ないっ。しかも、おれから誘ったにも関わらず、全部奢って貰ってしまったという…。
ドレスコードのある場所に行くからといって、高級そうな洋服まで一式揃えてもらってしまったし…。
我ながらヒドすぎて遠い目になってしまう。
今度、何かお礼をしないとな…。
お返しになるような物を用意できるといいんだけれど…。
お世話になりっぱなしだったにも関わらず、好感度が上がったということは、ギルオレさんも少しは楽しんでくれたってことで…。
………うぅっ…。
良心の呵責で胃がキリキリする。
次のクエストは他の人に迷惑をかけずにクリアできるものであって欲しい。
そう願いながら、恐る恐る視線を下げて次のクエストを確認する。
『魔法を使って100人癒そう』0/100
クエスト達成条件:魔法を使って100人癒す
達成期限:前クエスト達成後15日以内
達成可能レベル :20
…んっ?!
今度は数を要求してきたか…。
幸い今は人口の多い王都に居る。
一日10人癒せれば、10日で完了出来る数だけれども…。
達成期限が15日以内だから無理な数値では無い…とは思うのだけれども…。
それに、『癒そう』とは書いてあるが『治療』とは書かれていない。
最初の癒し系クエストが出た時には、異世界に飛ばされたばかりで知識は無いわ、精神的に追い詰められていたわで、気付けなかったけれど、このクエストでは必ずしも怪我や病気を治療して癒さなくてもクリア出来るのではないだろうか?
減っている体力を回復させるだけでも『癒し』のうちに含まれるのでは?
もしそうだとしたら、難易度が変わってくる。
そうであると仮定した場合、残る問題は、どうやって人に知られずに100人を癒しきるか、だよな?
偽者の聖女なだけに、聖女が現れた!などと騒がれても困るし、聖女だとバレなかったとしても、回復魔法使いは珍しいらしいので、捕まったり拘束されたりして自由を奪われたら、以後のクエストをクリアできなくなるかもしれない。
うーん、隠密スキルを使って、雑踏ですれ違いざまにヒールをかけまくる…とか…は、無理かぁ…。多分気付かれちゃうよなぁ。
何せ、ヒールをかけると、ほんわりと光る。
それにここは王都だ。おれより高レベルの人なんてゴロゴロ居るだろう。おれのしょっぼい隠密なんてすぐに見破られてしまうに違いない。
勝手に行動して騒動を起こすより、素直にローゼさんに相談した方が良さそうだ。
結局人に頼ってばかりだよなぁ…。
はぁ…とため息をつきながら、『身嗜み』の魔法をかけて、着ている服ごと浄化した。
高級な服を傷めないようにと気を使いながら脱いで、丁寧にクローゼットに吊るす。
それにしてもこの服…ふんわりしたシャツにはレースとか付いてるし、ベストっぽい上着も銀と黒で刺繍されててキラキラしてるし、後ろの長いとこはひらひらもしてて…着ていてすっごい気恥ずかしかったな…。
感覚的に男がひらひらなんて、と拒否したい気持ちでいっぱいだったけれど、この国では今こういうのが流行りなのかもしれないし、それでなくても迷惑をかけているしで強く主張出来なくて流されてしまった。
こんなの絶対似合っていなかったはずなのに、ギルオレさんも店員さん達も褒めてくれていたけれど…。
……ん? もしや、時間も無いし、文句言わずにこれに決めとけってことだった? おれ、お世辞を真に受けちゃったのか?
ぅ…ぅわぁ~~っっ!
恥ずかしくなって、バタバタと浴室に駆け込み湯を溜める。
早く湯に浸かってリラックスしたいっ。
……けどホント、疲れて帰ってきてお風呂に入れるのって助かるよなぁ…。
こうして客室にも浴室が付いているのは、公爵家が裕福なんだろうけれど、それだって、この国に入浴する文化が根強いていて、魔道具が発達しているこそだろう。
ギルオレさんに案内してもらった大きな人工水路を思い出す。
立派な建築物の数々や石畳みが敷き詰められた路面、水源豊かで整備された都。悪臭がしないのは、下水設備も整っているからかもしれない。
商店のショーウィンドウに大きめサイズのガラスが使われていたり、通りには、金属製の街灯なんかも立てられていたりして、ガラスや金属加工技術も進んでいるみたいだ。
下町はまた違うのだろうけど、今日見学した一角に関しては生活水準の高さが伺われた。
ちやぷんと湯船に浸かると、体の強張りが解けていく。
ふぅ…。
元の世界では足を踏み入れたことも無い格式の高そうなお店や劇場に行って、目新しさが楽しくもあったけれど、緊張してしまい、思ったよりも疲れてしまっていた。
そうだ…。今回のクエスト、自分にヒールをかけても、1/100としてカウントされるのかな~?
カウンターらしき物が付いているのは有難い。
『癒し』の意味を検証する為にもとりあえず、自分に対してヒールをかけてみる。
シャラララ~ン! レベルアップしました!
び……びっくりした!!
このタイミングでレベルが上がるとは思っていなかったので、驚いて体がびくんとしてしまい、お湯がパシャンと跳ね上がった。
深呼吸してからまずはクエストを確認してみる。
『魔法を使って100人癒そう』1/100
思惑通り、カウントされている。
やったー!
続いてステータス画面も開いて見る。
—————————————————
主人公:円谷 和明(17)
レベル:24
体力:283/360
魔力:830/930
攻撃:72
防御:72
知恵:83
精神:83
敏捷:77
器用:95
幸運:3
魅力:4
魔法:水のポンプ/緩衝の水/水道水
/癒し混入/マッ超回復
/ヒール/身嗜み/解除
スキル:隠密/剣術/詐称
乙女の本気:♡
属性:聖/水
状態:乙女の呪い
称号:聖女/巻き込まれし者
/女神(代理補佐)の加護
————————————————
あ、停滞していた幸運と魅力のステータスが上がってる。
でもだから何? って感じでもあるんだよな…。
ステータスの数値が何かの条件となっていたり、魔法の効果とかに影響が出たりとかするんだろうけれど、正直おれには体力と魔力の増減以外は、今ひとつピンと来ない。
直接どのような影響があるのかを見極めることが出来ないから、上がらないよりは上がった方が良いよねきっと。くらいの感想しか湧いてこない。ゲームをやり込んでるような人だったら何かしら分かるのかも知れないけれど。
それよりも…レベル24に上がったということは、これまでの感じからして、新たなクエストの達成期限が表示されているかも?
『???』
達成期限:前クエスト達成後10日以内
達成可能レベル :24
クエスト画面を開くと、案の定、達成期限が記されていたけれど…。
10日かぁ…。
ここ2回は長めの期限が設定されていたから、10日の期限が短く感じてしまう…。
レベル上げ、今まで以上に頑張らないといけない。
屋敷内での訓練だけでなく、魔物狩りとかにも行った方がいいかもしれないな…。
さっきは計算上、今回のクエストをクリアする日数に無理は無いと思ってしまったけれど、レベルを上げながらと考えると、全く余裕なんてない。
はぁ…とため息をついて風呂から上がった。
身繕いを終えて、ベッドでゴロゴロしながらなかなか来ないファリを待つ。
ファリ、遅いなぁ…。
『好感度を上げてみよう』クリア済
クエスト達成条件:攻略対象とデートして好感度を上げる
達成期限:前クエスト達成後20日以内
達成可能レベル :16
『クリア済』の文字を見つけて心の底からほっとする。
ギルオレさん、ありがとう!
ホント、自分勝手で色々申し訳ないっ。しかも、おれから誘ったにも関わらず、全部奢って貰ってしまったという…。
ドレスコードのある場所に行くからといって、高級そうな洋服まで一式揃えてもらってしまったし…。
我ながらヒドすぎて遠い目になってしまう。
今度、何かお礼をしないとな…。
お返しになるような物を用意できるといいんだけれど…。
お世話になりっぱなしだったにも関わらず、好感度が上がったということは、ギルオレさんも少しは楽しんでくれたってことで…。
………うぅっ…。
良心の呵責で胃がキリキリする。
次のクエストは他の人に迷惑をかけずにクリアできるものであって欲しい。
そう願いながら、恐る恐る視線を下げて次のクエストを確認する。
『魔法を使って100人癒そう』0/100
クエスト達成条件:魔法を使って100人癒す
達成期限:前クエスト達成後15日以内
達成可能レベル :20
…んっ?!
今度は数を要求してきたか…。
幸い今は人口の多い王都に居る。
一日10人癒せれば、10日で完了出来る数だけれども…。
達成期限が15日以内だから無理な数値では無い…とは思うのだけれども…。
それに、『癒そう』とは書いてあるが『治療』とは書かれていない。
最初の癒し系クエストが出た時には、異世界に飛ばされたばかりで知識は無いわ、精神的に追い詰められていたわで、気付けなかったけれど、このクエストでは必ずしも怪我や病気を治療して癒さなくてもクリア出来るのではないだろうか?
減っている体力を回復させるだけでも『癒し』のうちに含まれるのでは?
もしそうだとしたら、難易度が変わってくる。
そうであると仮定した場合、残る問題は、どうやって人に知られずに100人を癒しきるか、だよな?
偽者の聖女なだけに、聖女が現れた!などと騒がれても困るし、聖女だとバレなかったとしても、回復魔法使いは珍しいらしいので、捕まったり拘束されたりして自由を奪われたら、以後のクエストをクリアできなくなるかもしれない。
うーん、隠密スキルを使って、雑踏ですれ違いざまにヒールをかけまくる…とか…は、無理かぁ…。多分気付かれちゃうよなぁ。
何せ、ヒールをかけると、ほんわりと光る。
それにここは王都だ。おれより高レベルの人なんてゴロゴロ居るだろう。おれのしょっぼい隠密なんてすぐに見破られてしまうに違いない。
勝手に行動して騒動を起こすより、素直にローゼさんに相談した方が良さそうだ。
結局人に頼ってばかりだよなぁ…。
はぁ…とため息をつきながら、『身嗜み』の魔法をかけて、着ている服ごと浄化した。
高級な服を傷めないようにと気を使いながら脱いで、丁寧にクローゼットに吊るす。
それにしてもこの服…ふんわりしたシャツにはレースとか付いてるし、ベストっぽい上着も銀と黒で刺繍されててキラキラしてるし、後ろの長いとこはひらひらもしてて…着ていてすっごい気恥ずかしかったな…。
感覚的に男がひらひらなんて、と拒否したい気持ちでいっぱいだったけれど、この国では今こういうのが流行りなのかもしれないし、それでなくても迷惑をかけているしで強く主張出来なくて流されてしまった。
こんなの絶対似合っていなかったはずなのに、ギルオレさんも店員さん達も褒めてくれていたけれど…。
……ん? もしや、時間も無いし、文句言わずにこれに決めとけってことだった? おれ、お世辞を真に受けちゃったのか?
ぅ…ぅわぁ~~っっ!
恥ずかしくなって、バタバタと浴室に駆け込み湯を溜める。
早く湯に浸かってリラックスしたいっ。
……けどホント、疲れて帰ってきてお風呂に入れるのって助かるよなぁ…。
こうして客室にも浴室が付いているのは、公爵家が裕福なんだろうけれど、それだって、この国に入浴する文化が根強いていて、魔道具が発達しているこそだろう。
ギルオレさんに案内してもらった大きな人工水路を思い出す。
立派な建築物の数々や石畳みが敷き詰められた路面、水源豊かで整備された都。悪臭がしないのは、下水設備も整っているからかもしれない。
商店のショーウィンドウに大きめサイズのガラスが使われていたり、通りには、金属製の街灯なんかも立てられていたりして、ガラスや金属加工技術も進んでいるみたいだ。
下町はまた違うのだろうけど、今日見学した一角に関しては生活水準の高さが伺われた。
ちやぷんと湯船に浸かると、体の強張りが解けていく。
ふぅ…。
元の世界では足を踏み入れたことも無い格式の高そうなお店や劇場に行って、目新しさが楽しくもあったけれど、緊張してしまい、思ったよりも疲れてしまっていた。
そうだ…。今回のクエスト、自分にヒールをかけても、1/100としてカウントされるのかな~?
カウンターらしき物が付いているのは有難い。
『癒し』の意味を検証する為にもとりあえず、自分に対してヒールをかけてみる。
シャラララ~ン! レベルアップしました!
び……びっくりした!!
このタイミングでレベルが上がるとは思っていなかったので、驚いて体がびくんとしてしまい、お湯がパシャンと跳ね上がった。
深呼吸してからまずはクエストを確認してみる。
『魔法を使って100人癒そう』1/100
思惑通り、カウントされている。
やったー!
続いてステータス画面も開いて見る。
—————————————————
主人公:円谷 和明(17)
レベル:24
体力:283/360
魔力:830/930
攻撃:72
防御:72
知恵:83
精神:83
敏捷:77
器用:95
幸運:3
魅力:4
魔法:水のポンプ/緩衝の水/水道水
/癒し混入/マッ超回復
/ヒール/身嗜み/解除
スキル:隠密/剣術/詐称
乙女の本気:♡
属性:聖/水
状態:乙女の呪い
称号:聖女/巻き込まれし者
/女神(代理補佐)の加護
————————————————
あ、停滞していた幸運と魅力のステータスが上がってる。
でもだから何? って感じでもあるんだよな…。
ステータスの数値が何かの条件となっていたり、魔法の効果とかに影響が出たりとかするんだろうけれど、正直おれには体力と魔力の増減以外は、今ひとつピンと来ない。
直接どのような影響があるのかを見極めることが出来ないから、上がらないよりは上がった方が良いよねきっと。くらいの感想しか湧いてこない。ゲームをやり込んでるような人だったら何かしら分かるのかも知れないけれど。
それよりも…レベル24に上がったということは、これまでの感じからして、新たなクエストの達成期限が表示されているかも?
『???』
達成期限:前クエスト達成後10日以内
達成可能レベル :24
クエスト画面を開くと、案の定、達成期限が記されていたけれど…。
10日かぁ…。
ここ2回は長めの期限が設定されていたから、10日の期限が短く感じてしまう…。
レベル上げ、今まで以上に頑張らないといけない。
屋敷内での訓練だけでなく、魔物狩りとかにも行った方がいいかもしれないな…。
さっきは計算上、今回のクエストをクリアする日数に無理は無いと思ってしまったけれど、レベルを上げながらと考えると、全く余裕なんてない。
はぁ…とため息をついて風呂から上がった。
身繕いを終えて、ベッドでゴロゴロしながらなかなか来ないファリを待つ。
ファリ、遅いなぁ…。
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